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ちあきの星空コラム

第106回 いよいよ金環日食 (2012/05/02)

5月21日の日食を安全に楽しもう

欠け始め6時19分

欠け始め6時19分

7時00分ころ

7時00分ころ

7時32分ころ

7時32分ころ

7時35分ころ

7時35分ころ

7時37分ころ

7時37分ころ

8時20分ころ

8時20分ころ

9時02分ころ

9時02分ころ

いよいよ今月21日には待ちに待った金環日食の日がやってまいります。めったに見ることができないというか一生に一度かもしれない金環日食を見るチャンスです。
金環日食を見たときに、これが自然現象なのかと考えると、とてつもない超自然現象として神々しささえ感じるかもしれません。じっさいの金環日食観察は、早朝の現象ですから、通学や通勤途上での日食見物となることが予想されます。
通学途中、道端での観察は交通安全上問題がありますので、できれば金環日食の起きる午前7時30分よりも前に学校の校庭まで到着して、日食メガネやピンホールを使ったりして安全に観察しましょう。
通勤の方々も決して路上で観察したり、安全でない場所での観察は避けましょう。今回の日食観察では、マスコミ報道も過熱気味に大きく取り上げていることによって、より多くの方々が日食に注目し、太陽を見ることになることが予想されます。
太陽の見方として日食メガネなどを使って安全に見ることは当然必要なのですが、それ以外にも交通の妨げになってトラブルが発生したり、交通事故が起きたりと心配なことが予測されます。

金環日食となる時間帯は、関東地方では午前7時35分ころの約5分間ですが、欠け行く様子や金環後の満ちていく様子まで観察すると6時過ぎから9時ころまで、約3時間に及ぶ天体ショーですから、見ごたえは十分ありますし、大きな感動をもたらすことと期待されています。

欠け始めの頃、東の空から昇り始めた太陽は、じょじょに月と重なり、その姿が欠け始めます。
やがて、欠け具合は時間の経過とともの進行して太陽の姿は細い弧を描いた姿となり、金環に入るとまるで輪ゴムのように細く、丸く見られます。
きっとあちこちから歓声があがるのではないかと期待されます。
やがてまた、太陽は金環から細い弧の姿となり、だんだんとその姿を変えてやがて元の丸い姿に戻っていきます。

全過程を見るには約3時間かかりますし、学校やお仕事がある中ではそのすべてを見ることが難しい方々もいらっしゃるかと思いますが、少なくとも大きく欠けた姿と金環になった姿は、ぜひ観察されることをお奨めします。

観察の仕方

金環日食をご自分が見て感動をしたらその感動を友人や家族にも伝えるために、観察した内容を記録しましょう。
紙に記録する方法としては、事前にノートや手帳に円を描いておき、欠け行く様子を日食メガネを使って観察し描きます(スケッチをします)。このスケッチをたとえば5分おきにおこない、欠け始めから欠け終わりまで記録しましょう。各スケッチに観察した時刻の記入を忘れずに。
写真撮影はコンパクトデジタルカメラでも撮影できます。撮影するときは、カメラのレンズ全面部分に日食メガネを付けてから太陽の方向に向けてモニター画面を見ながら撮影しましょう。このとき、ご自身が決して裸眼のまま太陽を見つめないように注意が必要です。この撮影では、一眼レフカメラではレンズ口径が大きく危険なので、この撮影法はコンパクトデジタルカメラでの撮影の参考にしてください。
そのほかの注意事項として、双眼鏡や天体望遠鏡に日食メガネを付けて太陽を覗かないこと!これは絶対に禁止です。眼に危ない行為は、取り返しのつかない事故につながりますので、決して行ってはいけません。

日食観察記録用紙(記入例)日食観察記録用紙

日食観察記録用紙の例:こうした記録用紙を何枚も作り、右の記入例のように観察した日食の姿を描きこみます。この記入用紙をプリントアウトしてコピーしても構いません

安全な観察(眼を守るための注意事項)

日食メガネで見る

日食メガネで見る

先月も安全に日食を見る心構えや注意事項を掲載しましたが、いよいよ本番を迎えるにあたって、くどいようですが、再度注意事項を申し述べます。
日食や太陽を安全に見るには日食メガネは必需品といえますが、この日食メガネは、カメラ店などで販売されていますし、書店日食に関するガイドブックの付録に日食メガネを付けた本が数多く出版されています。そうした中から、いずれかの日食メガネを入手し、観察してください。
日食観察の際は、ほんのちょっと見る場合も含めて、決して直接、太陽を見ないでください。
代用品として黒下敷きやススを付けたガラス片、写真用フィルムの切れ端、さらに写真撮影用のNDフィルターなどを使って見てはいけません。
また、日食メガネを使ったからといって完全に安全かというとそうともいえず、2分間以上は連続して観察しないようにしましょう。
さらに、日食メガネの脇から直接太陽を覗いたりしてもいけません。直接太陽を見ることは絶対にやめてください。
天体望遠鏡での観察では、対物レンズ前面に専用の特殊フィルターを付けて見るか、太陽投影板を使って見ましょう。
ピンホール式の投影機を牛乳パック2個をつなぎ合わせて作って太陽の投影された像を安全にお楽しみいただく方法もあります。

日食メガネの活用法

金環日食の観察のために入手した日食メガネは、5月21日の日食が終わればもう、無用の長物となるのでしょうか。実はその先にも活用法があります。来月(6月)6日に太陽の表面を金星が通過していく様子を観察できます。
これも太陽表面を星が通過するイベントなので、日食メガネがなければ見られません。
来月のコラムで詳しくご案内します。

神津牧場天文台で一般観望会

金環日食が終わった後の週末となる5月26日(土)に私の所属する関東天文協会神津牧場天文台で一般観望会を行います。ご興味のある方はぜひお越しください。

神津牧場天文台一般観望会

とき:5月26日土曜日午後6時から午後9時まで
会場:神津牧場天文台(群馬県甘楽郡下仁田町南野牧 神津牧場内)
対象:月、土星、春の系外銀河など、星座案内もおこないます
料金:無料
交通:上信電鉄下仁田駅から約30kmあり、公共交通はありませんのでマイカーでお越しください。

天文台への地図

5月の天文情報

曜日月齢天文現象など
9.8八十八夜
10.8月が天の赤道通過(南半球へ)
11.8憲法記念日
12.8みどりの日
13.8こどもの日 立夏(二十四節気)月とスピカが接近
14.8満月 月の距離が最近  みずがめ座η流星群が極大
15.8
16.8月の赤緯が最南
17.8
1018.8
1119.8
1220.8
1321.8下弦の月
1422.8
1523.8月が天の赤道通過(北半球へ)
1624.8
1725.8
1826.8
1927.8
2028.8月の距離が最遠
210.1新月  金環日食  小満(二十四節気)
221.1月の赤緯が最北
232.1月と金星が近づく
243.1
254.1
265.1
276.1
287.1
298.1上弦の月 月が天の赤道を通過(南半球へ)
309.1
3110.1

5月の星空

5月の星空は春の星座でいっぱいですが、しし座に火星が輝き、おとめ座の中には土星が輝いていますので、星座の形をさがすときは要注意です。
少し寝ぼけたような春の空気が穏やかな感じのする星空は、寒さもなくゆったりと星空観賞ができます。星座早見を片手に春の星座を満喫しましょう。

5月の星空(背景黒)

5月の星空(背景黒)

5月の星空(背景白)

5月の星空(背景白)

5月中旬、午後9時前後の星空です。月の位置及び月明かりの影響は省略しています。画面をクリックすると大きな星図を見ることができます。この星図及び本コラムで使用している星図は、㈱アストロアーツの許諾を受け、天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ9」を使用しています。
田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ

子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。

この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。

最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。

主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。