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ちあきの星空コラム

第120回 宵の明星あらわる (2013/07/02)

金星が宵の明星になって見られる

7月の梅雨明けに金星が、宵の明星(よいのみょうじょう=夕空に見える金星のこと)となって見られるようになります。午後7時を過ぎて空が暗くなり始めるころに西の空低く明るく輝く姿を見ることができます。
7月3日、4日にはかに座のプレセペ星団のすぐそばにあり、7月11日には三日月のすぐ右側に見えますので、みつけやすくなります。
さらに7月22日にはしし座の1等星レグルスと接近します。

2008年に見られた金星と月の接近

2008年に見られた金星と月の接近

また、明け方の東の空では7月22日に木星と火星と水星の3惑星が接近して見られます。特に木星と火星は双眼鏡で見ても同一視野内に両星がおさまります。
ぜひ、観察してみてください。

夏の星座でどれが好き?

夏の大三角と天の川

夏の大三角と天の川

夏空のすっきりと晴れた夜には光害の少ない地域では天の川が見られます。

とくに天頂付近で夏の大三角にはさまれた区域には濃い天の川が見られ、夏の大三角の星座であること座、わし座そしてはくちょう座などが天の川とともに見られます。
そのほかの星座も星座早見などを使って、夏の大三角との位置関係を見ながらさがしてみましょう。たくさんの夏の星座がみつかることと思います。

パンスターズ彗星その後

春の夜空を飾ってくれたパンスターズ彗星は、地球からだんだんと離れていっており、先月で見おさめとなってしまいましたが、今年の秋にはアイソン彗星が見られる予報が出ていますので、楽しみにして待ちたいものです。
名残惜しいパンスターズ彗星の写真を掲げます。

2013年6月18日のパンスターズ彗星

2013年6月18日のパンスターズ彗星

7月の天文情報

曜日月齢天文現象など
22.5
23.5
24.5
25.5金星がプレセペ星団を通過
26.5  金星がM35星団を通過する
27.5月の赤緯が最北
28.5七夕 小暑(二十四節気) 月の距離が最遠
29.5新月
0.8
101.8
112.8
123.8
134.8月が天の赤道を通過(南半球へ)
145.8
156.8海の日
167.8上弦の月
178.8
189.8
1910.8
2011.8月の赤緯が最南
2112.8
2213.8月の距離が最近  木星と火星が最接近
2314.8満月  大暑(二十四節気)
2415.8
2516.8
2617.8みずがめ座δ北流星群極大
2718.8
2819.8みずがめ座δ南流星群極大
2920.8
3021.8下弦の月 水星が西方最大離角
3122.8

7月の星空

梅雨が明けると夏の星座の到来です。
下部の星図をご覧ください。夏の大三角をはじめ、多くの星々が輝いています。
とりわけ目立つのが夏の大三角ですが、それ以外のへびつかい座やいて座、さそり座などもみつけやすい星座といえます。
星図や星座早見を使って夏休みには星座さがしにチャレンジしてみましょう。

7月の星空(背景白)

7月の星空(背景白)

7月の星空(背景黒)

7月の星空(背景黒)

7月中旬、21時ころの星空です。月の位置及び月明かりの影響は省略しています。画面をクリックすると大きな星図を見ることができます。このコラムの星図は、㈱アストロアーツの許諾を受け、天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ9」を使用しています
田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ

子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。

この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。

最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。

主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。