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ちあきの星空コラム

第131回 梅雨の星空 (2014/06/04)

梅雨時期の星空を望む

 こぐま座

こぐま座

6月は梅雨時なので星空は望めないとあきらめていませんか?
梅雨時期といっても毎日雨が降るわけではありませんので、星空を望むことはできます。
北斗七星のあるおおぐま座やミニ北斗七星のこぐま座をはじめ、しし座、おとめ座、かに座などの春の星座は6月で見納めになります。
梅雨が明けたら夏の星座が待っていますので、その前に今月は春の星座を楽しみましょう。
星座早見と懐中電灯を持ち、6月の夜空で星座をさがすには、東西南北の方向だけはきちんと見極め、星座早見の方向と合わせてから天にかざして、星座早見の星と本物の夜空の星が一致するように確認していくのが、星座をみつける要領です。
ぜひ、春の星座をみつけてみましょう。

梅雨時期には星の本も読む

 天文雑誌6月号

天文雑誌6月号

雨で星空が望めない日は天文雑誌や天文学の本などを読みましょう。
天文雑誌は、月刊雑誌が2誌(「星ナビ」と「天文ガイド」)あり、毎月5日に翌月号が発行されます。
初心者でもわかる記事から高度な天文学の話題まで、天文に関するいろいろな情報を入手できます。

毎月の星座や惑星の見える位置の解説などはもとより、彗星や流星群の話題なども写真や星図での位置解説を含めて、星ファンが星空を楽しめる情報が満載です。
また、読者の撮影した天体写真なども掲載されていますし、時には宇宙開発の記事なども掲載されます。
私が大切な情報として見るものにはもうひとつあり、それは広告ページに載る多くの天体望遠鏡や観測道具などの情報です。
これらはいつも念入りに読み、新型天体望遠鏡や観測道具、アクセサリーなどの購入時の参考としています。

星を見てるといろんな光景が見られる

140426塩屋埼灯台と月と金星の接近小画像DSC_3645l

今年の4月26日に見られた月と金星の接近。明け方の現象なので、早起きが必要でしたが、日ごろ見られない光景を見ることができ、その日一日が充実した気分になります。この写真は、福島県いわき市塩屋崎にある塩屋埼灯台のがけ下にて広角レンズで撮影しました。

140426月と金星の接近いわき市薄磯海岸小画像にてDSC_3624l
月と金星の接近の様子を望遠レンズで撮影しました。
月は約29.5日かけて星座の中を1周するように見られ、その間に12個の星座やいろんな惑星のそばを通過していく様子が見られます。
夕方や明け方の空にこうした現象を見るとすがすがしい気持ちにさせられます。
4月号で予告しました4月26日の月と金星の接近写真です。
単に月と星が接近した様子の写真では見栄えがしないため、地上や海の景色をとりこんで撮影しました。

6月の天文情報

曜日月齢天文現象など
3.3
4.3
5.3月の距離が最遠
6.3
7.3
8.3芒種(二十四節気)上弦の月 月が天の赤道通過(南半球へ)
9.3
10.3月と火星が接近して見られる
11.3
1012.3月と土星が接近
1113.3入梅
1214.3
1315.3満月 月の赤緯が最南
1416.3
1517.3月の距離が最近
1618.3
1719.3
1820.3
1921.3月が天の赤道を通過(北半球へ)
2022.3下弦の月
2123.3夏至(二十四節気)
2224.3
2325.3
2426.3
2527.3細い月と金星が接近
2628.3月の赤緯が最北
2729.3新月
280.8
291.8
302.8

6月の星空

6月は夕空から春の星座を見ることができますが、星図に示すように午後9時頃には東の空には夏の天の川が昇り来て、星座も夏の星座が見られるようになってきます。
春の星座をさがすのには、夕方から深夜になる前までに、また、夏の星座をさがすには午後9時以降にしましょう。
6月は梅雨どきですから天気の悪い日が多いというのは当たり前ですが、天気予報を参考に晴れそうな日には星座探しを楽しみましょう。
春の星座では、北斗七星のあるおおぐま座のほか、うしかい座、おとめ座、しし座などをさがしてみましょう。
夏の星座で、早い時刻から見られるのが、南の空ではてんびん座、続いてさそり座です。特にさそり座の1等星アンタレスは火星と同様に赤く輝いていますので、比較的みつけやすいことでしょう。東の空に見られる星座では、うしかい座に続いてかんむり座、その近くにはヘルクレス座がみつかります。
また、こと座も明るい0等星ベガのある星座ですからすぐに発見できます。
そのほかの夏の星座は来月をお楽しみに!

 6月の星空(背景白)

6月の星空(背景白)

 6月の星空(背景黒)

6月の星空(背景黒)

6月中旬、21時ころの星空です。月の位置及び月明かりの影響は略しています。画面をクリックすると大きな星図を見ることができます。このコラムに用いている星図やシミュレーション画像は、㈱アストロアーツの許諾を受け、天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ9」を使用しています
田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ

子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。

この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。

最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。

主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。