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カメラの向こう側

第79回 涙の理由 (2018/03/15)

卒業の季節です。先生や友人との別れに、涙を流す学生さんも多いでしょう。そういう涙は、悲しいけれど清々しく気持ちよいものです。
年を取ると涙もろくなるとよく言いますが、それを実感する年齢となってしまいました。カーラジオから流れる懐かしのヒット曲や、テレビのニュースに泣けてきます。
最近では、1月31日、長年つくば市民に愛されてきたつくば駅前の商業施設クレオが閉館したことです。
クレオ最後の日にイオンで夕飯のおかずを買ったのですが、レジ係の人はいつも通りに「ポイントカードや駐車券はございませんか?」と尋ねてくれました。最後の日まできちんと接客をする態度に目頭が熱くなってしまいましたが、ここで泣いちゃダメだろ! お前には泣く資格ないだろ! と言い聞かせます。なぜか卒業式の気持ちを思い出しました。

再び姿を現した月

この日は、皆既月食の日でもあり、夜10時頃、私は赤黒い月に見とれていました。
今、日本全国でどれほどの人が同じ景色を見ているんだろう、とワクワクします。
どこに流れ星が見えるか予想のつかない流星群と違って、何時に何が起きるかはっきりわかっているから、気楽に楽しめるなあ。日食と違って月食は長時間の現象だから、焦らなくていいよね。地球で月食が起きるということは、月では地球が太陽を隠す日食が起きているのだろう。昔の人は突然、月食が起きたから、怖かっただろうな。皆既月食の月って不気味な色だし。と考えているうちに、再び月は現れます。
そのころは、イオンのレジ係の接客に目頭を熱くしたことをすっかり忘れていました。

第三者の不幸な事実に対しては悲しい物語として接するのではなく、警告として捉え不幸を回避すべく行動を起こすのが正しいのでしょう。
しかし、私は不幸なニュースを悲劇のドラマとして味わい、泣いてすっきりして終わり。考えてみましたが、これは、不幸な事実から逃げ出したい心の表れのようです。
そこから先は……月食に魅せられ寝不足のためか、頭がグルグルしています。結局、健康な生活が基本だな、と、いつもと同じ結論になりました。次回は、なぜ不健康な生活を好むのか考えてみます。

番組制作 所 恵子

◎このコラムでは、つくばのケーブルテレビACCSの出演者やスタッフより、放送現場の話題をお届けしていきます!