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ちあきの星空コラム 田中千秋(たなかちあき)

第4回 天体観望会で星を見る

本物の星空に出会う

星座や星空の知識は、この星空コラムを読んだり、天文書などを読むことによってだんだんと増してまいりますが、やはりじっさいの星空をながめたり、天体望遠鏡でじかに天体を見たりした方が、より知識も豊富になりますし、何より本物の体験が後々まで心に残る大事な思い出となります。
実際の星空をながめたりする行事は、天文ファンのグループや博物館などが天体観望会(てんたいかんぼうかい)という名前で開催していることがあり、市役所の広報や天文同好会のホームページでもそうした催し物を見つけることができます。

何が観望できるの?

天体観望会では、星座を実際の星空で案内してもらったり、天体望遠鏡を使って天体を見せてもらうことができます。
読者の皆さんは、何が見たいでしょうか?「ぜひ土星が見たい!」などといった要求があろうかと思いますが、天体観望会ではそれが実現できるのです。
じっさいには、観望会当日の星空に見えている天体を見ることになりますので、何でもお好みの天体を見せてもらえるといった芸当はできませんが、さいわいなことに11月中旬からは、夏の火星に続いて今度は土星が見えてきます。1月からはこれに木星も加わって、観望会に参加すれば迫力のある天体に出会うことができ、参加されたみなさんに満足感を与えてくれることになるでしょう。
しかし、天体観望会は、晴天のときしか楽しめません。曇天や雨天では中止とならざるを得ません。しかも夜間の外出となりますので、一般的なイベントとちがい、なかなか主催者も観望客も思い通りにならない場合もあります。こうした不利な条件も持ち合わせていますが、それを承知していただいた上で、ぜひ観望会に参加してみましょう。
木星や土星といった惑星以外に、月や二重星、星雲や星団を見ることもできることでしょう。

わからないことは聞く

天体観望会でもうひとつうれしいことは、天体を観望するだけでなく、観望を担当してくれる講師の方々から、宇宙に関するお話しを聞くことができたり、気軽に質問をして、それに答えていただけるといったこともできます。
日頃から疑問に思っていることを聞いたり、特別に見たい天体をリクエストにより見せていただいたりできたら最高ですよね。そうすれば、ますます、気持は星空に近くなることでしょう。
ぜひ、本物の天体を味わう天体観望会にでかけてみましょう

11月の星空

この星図は、(株)アスキー、(株)アストロアーツの許諾を受け、 天文シミュレーションソフト 「ステラナビゲータVer.5」から出力し、 加工したものを使用しています。

1月におこなわれる天体観望会のごあんない

観望会は各地で行われます。事前予約の必要な観望会が多く、11月の分はすでに予約が終了した観望会もありますがご了承ください。
参加の際、予約の必要な観望会は事前にお問い合わせいただき、予約を入れた上でご参加ください。

国立科学博物館筑波実験植物園天体観望会
日時 11月8日(土)(定員に達しましたので、電話予約は終了しました)
11月22日(土)日暮れから約2時間開催予定
予約 1か月前から予約受付開始(12月の分はお問い合わせください)
問合先 電話029(851)5159
観望料 210円

つくばエキスポセンター
日時 11月15日(土)午後6時30分〜
予約 1か月前から予約を開始しましたが、定員に達しましたので、申し込みが締め切られました。
次回の開催は平成16年1月10日を予定しています。予約は、12月10日から行います。
参加費 300円
問合先 電話029(858)1100

牛久自然観察の森 うしく里山の会 こども星見隊の天体観望会
日時 11月30日(日) 午後7時〜9時
観望対象者 小学校4年から6年生の児童及び保護者
予約

11月8日から受付(先着20組)

問合先 電話029(874)6600(牛久自然観察の森)
参加費 一人100円



つくば星の会が開催する天体観望会

アマチュア天文愛好家で組織するつくば星の会では、適宜、つくば市内等で天体観望会を開催しています。観望会の予定の確認あるいは依頼につきましては、つくば星の会のホームページにて検索するか、あるいはメールで依頼をしてください。

つくば星の会URL=http://www.asahi-net.or.jp/~hw9a-kbnw/

2003年11月4日

田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ

子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。