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ちあきの星空コラム 田中千秋(たなかちあき)

第59回 プラネタリウムに行こう

プラネタリウムに行こう

梅雨時の6月は、星空を望む機会が少なくなってしまいますね。
こうした時期に星空に関連して私たちの心を癒してくれるのがプラネタリウムです。以前のコラム(No.11)でもプラネタリウムについてお伝えしたことがありますが、最近のプラネタリウムの進歩、発展には目を見張るものがあります。ぜひ、梅雨の時期にプラネタリウムの星空を楽しんでいただきたいと思います。
星空のことを身近に感じさせてくれる施設ですし、ギリシャ神話や七夕のお話などの星物語もいろいろと解説してくれますので、興味ある方には魅力的な施設といえますね。
私のお勧めの施設をいくつかご紹介しましょう。
まず、つくば市内にあるのが、つくばエキスポセンターです。ここはリニューアルされて最新式のプラネタリウムに生まれ変わりました。特徴は、傾斜型の座席配置で、光学式プラネタリウムと全天周デジタル映像のシステム統合された投影機を持ち、まるで自分自身が宇宙空間にいるような気持ちにさせてくれます。また、投影するドームの大きさは直径25.6メートルあり、世界最大級です。
都内の一等地にあり、いつも若者や家族連れでにぎわっているのが池袋サンシャインシティワールドインポートマート屋上にあるコニカミノルタプラネタリウム満天。科学的な番組以外に楽しみや癒しを重視した番組づくりが特徴。デートスポットにもなっています。
プラネタリウムで、投影する星空の星の数が多いことで有名なプラネタリウムは、プラネタリウム製作者大平貴之さん製作のメガスターIIで、天球上に500万個もの星を投影することができ、ギネスワールドレコードに認定されています。このメガスターIIを常時見ることができるプラネタリウム館は、東京の日本科学未来館と川崎市青少年科学館です。
一方、旧来の投影機を使い、生解説が人間味を味合わせてくれるが柏プラネタリウム。
JR柏駅から徒歩圏内にあり、柏市立図書館の2階に入口があります。しかも観覧は無料。ただし、入場には当日図書カウンターで先着順の整理券が必要となります。また、投影日が限定されていますので、注意が必要です。

名 称 所在地 休館日 料金(円) 電話番号
つくばエキスポセンター 〒305-0011 つくば市吾妻2-9 月曜日
6月は2〜6日がお休み
大人 700 小人 350 029-858-1100
コニカミノルタプラネタリウム満天 〒170-8630東京都豊島区東池袋3-1-3 6月は16〜20日がお休み 大人 900 子ども500 03-3989-3546
日本科学未来館 〒135-0064東京都江東区青海2-4-1 火曜日 入館料 大人500
18歳以下200
03-3570-9151
川崎市青少年センタープラネタリウム 神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-2 月曜日 大人200 高校大学100 中学以下無料 044-922-4731
柏プラネタリウム 277-0005千葉県柏市柏5-8-12 投影は第2、第4土曜日と翌日曜日のみ 観覧は無料(要整理券) 04-7167-2224


プラネタリウム室 投影装置から丸天井に星空の投影がおこなわれます。
座席はリクライニングになっていて、空を眺めやすくなっています。

6月の天文情報

今月は、特にめだった天文現象はありません。また、梅雨時ですから星空を眺める機会も少なくなりますが、6月7〜9日は夕方の西空に注目してください。
6月7日は、かに座にあるプレセぺ星団の近くに細い月が見られます。プレセぺ星団は月のそばなので、双眼鏡などを使った方が見やすいことでしょう。翌8日には月は火星に近づき、さらに9日にはしし座のレグルスや土星に接近します。3日連続のショーなので、梅雨時といえども1日くらいは見られるかもしれませんね。
それから、6月21日が夏至で太陽が南中時に最も北寄りに位置し、天頂近くまで高くなる日です。晴れていれば、とても紫外線が強いといえますが、ちょうどこの頃は雨の日が多く、太陽を見られないかもしれませんね。


6月7日の夕空には月とプレセぺ星団が接近。
火星やレグルス及び土星もさがしてみましょう。

曜日 月齢 天文現象など
1 25.0  
2 26.0  
3 27.0 月の距離が最近
4 28.0 新月、月の赤緯が最北
5 29.0 芒種(二十四節季)
6 0.6  
7 1.6 月とプレセぺ星団の接近
8 2.6 月と火星の接近
9 3.6 月とレグルス、土星が接近
10 4.6 入梅
11 5.6 上弦の月、月が天の赤道を通過(南半球へ)
12 6.6  
13 7.6 月と土星が接近
14 8.6  
15 9.6  
16 10.6  
17 11.6 月の距離が最遠
18 12.6 月の赤緯が最南
19 13.6 満月
20 14.6 月と木星が接近
21 15.6 夏至(二十四節季)
22 16.6  
23 17.6  
24 18.6  
25 19.6 月が天の赤道を通過(北半球へ)
26 20.6 下弦の月
27 21.6  
28 22.6  
29 23.6  
30 24.6  

6月の星座案内

梅雨前までは春の星座で覆われていた星空が、夏の星座へと移っていく季節です。
晴れ間のある夜にはぜひ、星空を仰ぎみてみましょう。就寝前にベランダなどからちょっと星を見てみるのもいいかも知れません。そうしますと、それまで春の星座で埋めつくされていた星空が、東の空から夏の星座にとって代わろうとしているのがわかります。東南の空にはさそり座がお目見え、東の空には夏の大三角が昇ってきていることに気づかれることでしょう。

6月の星座案内図

星図(黒地) 星図(白地)

※それぞれの図をクリックすると、大きい星図に変わります。印刷される場合は、A4用紙を横にしてください。

※このコラムで使用している星図は、(株)アストロアーツの天文シミュレーションソフトステラナビゲータVer.8から出力し、加工したものを使用しています。

オートキャンパーに星空情報掲載!

キャンピングカーを中心としたオートキャンプなどの月間情報雑誌「AUTO CAMPER」(オートキャンパー=八重洲出版:毎月15日発売)に、星空情報を連載しています。タイトルは「キャンプの夜は星を見よう!」というコーナーで毎月1頁の記事となっています。このコーナーでは星座の案内とその月の天体に関するピックスなどを掲載していますので、このコラムと併せて、ぜひこの雑誌も参考にしていただきたいと思います。

2008年6月5日

田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ

子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。