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つくばでバードウォッチング 片山 秀策

第30回 牛久自然観察の森に春を探しに

「暑さ寒さも彼岸まで」と昔から言われるように、春分を過ぎるともう春です。太陽の日差しも急に暖かさを増しています。暖冬だったので、桜の開花は例年よりも早くなるようです。
つくば市周辺の池や沼で冬越ししていたカモ達は北の国に向けて旅立始め、数が急に少なくなっています。ツグミやカケス達も旅立ちに向けて集合しています。
近くの公園や雑木林ではウグイスやコジュケイがさえずり始めました。「ホーホケキョ」、「チョットコイ チョットコイ」という声を聴きながら散歩するのは、楽しいものです。
春の陽気に誘われて牛久市にある牛久自然観察の森を散歩してみましょう。自然観察の森は、昔、落ち葉を肥料として集めたり、薪炭やほだ木など採取した林を利用した自然観察のための施設です。ネーチャーセンターがあり、最新の園内の観察情報を教えて貰うことができます。
双眼鏡を持たずに出かけて、急にバードウォッチングをしたくなっても、双眼鏡の貸し出しして貰えます。毎月第三日曜日には、自然観察の森主催の探鳥会が開催されています。

駐車場に車を停めて、雑木林の中を通って自然観察の森の入り口に向かうと、ウグイスやコジュケイの声が聞こえてきます。入り口を入ると、芝生の広場があります。ここではツグミやスズメたちが出迎えてくれます。
ネーチャーセンターの周辺では、ヤマガラがえさ台のヒマワリの種を取りに来る姿に出会えます。建物の入り口で、大きなフクロウの像が出迎えてくれます。センターでガイドマップと「森のしんぶん」を貰って、観察路を進みます。


大きな石のフクロウがお出迎え



カケスが木の後ろに隠れています

カケスがスギの木の上で何かしているのを見ながら進むと、左側に最初のハイドが見えてきます。ハイドというのは、鳥を驚かさないように人の姿が見えないように小さな穴の空いた壁のことです。このハイドの穴をのぞくと、池が見えます。運が良いとここでカワセミが枝に止まっているのを見ることができるでしょう。


左右の林を観察しながら先に進むと、二番目のハイドがあります。ハイドの内側はアシの生えた池になっていて、サギやカワセミがエサを採っていたりします。
ハイドを離れて、小鳥を探しながら観察路を進むと、休憩所があります。縁側に座って目の前の畑を訪れる鳥を観察し見ましょう。サクラやウメの木にはメジロやヒヨドリが蜜を吸いにきているかもしれません。


林だけでなく畑など農村風景が再現されています



シジュウカラも待っています

落葉樹の林の中の観察路ではアカハラ、シロハラなどのツグミの仲間を探してみましょう。林をを抜けると、池のある開けた場所にでます。早朝や夕方には、池から小さな流れに水を飲みに来る鳥を観察できるでしょう。
観察路を進んで林に入ると、頭の上をシジュウカラ、コガラ、エナガなどのカラの混群が通過することがあります。カラスが巣を作る材料に枝を折っていたりします。観察路は池にぶつかり、左に曲がってネーチャーセンターに戻ります。

2007年3月23日

片山秀策さんのプロフィール


北海道で暮らしていた時に、庭に来る鳥を見てバードウォッチングに開眼して以来、野鳥の虜に。

死ぬまでに日本で記録のあった鳥を全部見たいと不可能な企てに挑戦中。

日本野鳥の会茨城支部会員、NPO宍塚の自然と歴史の会監事、つくば農林野鳥の会代表幹事