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ぶらり・ぶら〜り by ぶらり

第49回 サンチャゴ巡礼道900キロの旅 part13

6月12日 ポンテカンパニャ(Pontecampana)〜アルスーア(Arzua)42549(32631)Km

昨夜は倒れるようにして爆睡!何もしないで寝てしまったので少し早起きをして支度する。朝食は手持ちのオレンジジュースを飲み、昨夜顔なじみになった面々とお互いの成功を祈りながら夫々に出発。7時に私達もこの居心地の良かったアルベルゲをでる。

林や森のアップダウンをあるきcasanovaを過ぎる。県道に出たところでバルがあり8時半朝食となる。昨夜は豆スープだけだったのでさすがに空腹感を感じる。
カフェコンレチェとホームメードのケーキ、A相変わらず食欲旺盛でオムレツを注文、お裾分けをいただく(Aは本当に私より5歳も上?と疑ってしまうほどパワフル)

再び林の中、草原、古い石橋、住宅街と黄色い矢印に導かれ歩いた。10時思ったより早くメリーデに到着。メリーデ名物ゆでだこがある。こんなに早く着くのだったら朝食を少しセーブしておけば良かった。でもここで名物をパスは考えられない!

さてどこがおいしい店?と思っていると、昨夜同宿だったウルグアイの青年が出てきて“ここだよ”と目配せ。顔なじみがちらほら。クレスタ、アンもいる。Aの元気を超えている人ばかり。ゆでだこの大とワインを一人でぺろり!う?ん!参った!私達は小を二人で頂きました。これから未だ歩かなくてはと思うとセルベッサやワインはとても飲めない、オレンジジュースで乾杯!

11時出発、とその前に店を出た所で果物屋。にら饅頭のようなこの桃、パラグアヤ(Paraguaya)と申します。味は正に白桃なのです。私のお気に入り桃です。スペインへ行かれる事がありましたら、お試しください。マドリッドのスーパーでも見かけました。私達は6月に頂きましたので、多分季節は6月頃?

町を通り抜けるとよくぞ育ったと思ってしまう程高い木の林、そして牧草地と景色が変わります。12時40分頃公園にベンチがあり他のグループが昼食中、私達も休憩です。

気温がだんだん高くなってきました。暑い日はこまめに休み水分補給が大事です。
1時10分メリーデから5.6キロ地点のBOENTEです。そこから教会や住宅地を通り抜け、トウモロコシ、ジャガイモ畑の側を通り、リバッデッソ・デ・バイショへ5.3キロほど進みました。

通りに人家が見えてきます。2時半、川で若者達が火照った足を楽しそうに冷やしているのが見えます。
アルベルゲがあります。ここにも顔なじみが既に登録をすませてくつろいでいました。
アルトルで親切にしてくれた女性と再会、あの時Aがへばっていた時にクッキーをプレゼントしてくれた彼女です。静かな女性で支えてあげたくなるよう人ですが、なかなかの健脚です。もう元気になった事とその時のお礼を告げて、私達はもう少し先へ進みました。

アルスーアまで後2.7キロと思って歩き出したが結構長く感じた。
2.7キロの間、頼りの矢印やホタテが少なくて心細い思いをしながら進みました。
何とかアルスーアまで到着後アルベルゲを訪れるも宿泊する気にならなくて、少し先のカサに宿泊。

10ユーロとちょっとお高いがよく頑張ったご褒美という事にしよう。台所と洗濯機もある、さすがだ!
ポルトマリンで一緒だった二人組、サリア手前のアルベルゲやドミンゴのカサで一緒だったドイツのご夫婦、それにクリスタとアンも次々とやってきた。

台所もあるので夕食にはご飯を炊こうという事になり、レストランへ行きかけたクレスタとアンも合流する事となり急遽パーテイとなった。日本食は大人気。“明日の宿はどこ?”なんて質問まで出て大笑い!
おにぎりは明日の朝食と昼食になる。

6月13日 アルスーア(Arsua)〜ラパコージャ(La vacolla)48851(43846)Km

ロビーで昨夜の残りのおにぎりの朝食を取っているとクリスタとアンがやってきた。
クリスタは風邪を引いたらしく荷物を次の宿へ送る手配をして歩くという。昨日夕方から雨が降り今日は気温が低い。次の宿はcasa de Amariciio と教えてもらい再会を約束して私達は出発した。

今までもあったが都会での目印は見つけにくい。サンチアゴに向かって歩くのだが、標識は必ずしも旧巡礼道とは限らない。今回もやはり道がずれてしまった。自転車組はいるが歩きの巡礼者の姿が見えない。実に不安な気持ちになる。とにかくサンチャゴに向かうしかない。

それでも神様は見放されなかった、ザック姿が現れた。巡礼道に戻ったのだ。
歩きやすい巡礼道になった。昨夜パーテイに加わった高校生とママが前を歩いている。
彼女達はこの巡礼道を歩き夏休みの研究課題とするそうだ。きっと研究課題以上の何かを得る事だろう。巡礼もサンチャゴまでの距離が近くなるに従って、履きつぶされた靴がこのように置かれているのをよく見かけた。また歩き終わった後、サンチャゴから出発地点へ歩く向かう巡礼者を見かけるが、青いクッルと巻いた矢印は逆方面の矢印なのだ。

森の中で昼食を取り、私達はサンチャゴを目指し進む。国道を越え、住宅街、麦畑と歩くうちにサンチャゴまで12キロの地点の道標を見る14時44分。今日中にサンチャゴは無理かな??
クリスタと約束した宿にも到着していない。空模様も怪しくなってきた。
1時間ほど歩くとぽつぽつ顔に水滴が……そうこうするうちにcasa de Amadecioの看板。

サンチャゴまで9キロの位置(casaの張り紙は9キロだったが、地図では10.2キロだった、ここはスペイン!距離の点はアバウトで……)部屋は個室二人で40?。昨日よりさらに高いがもう歩けないのでここで泊まる事にする。クリスタはレストランで一服中、アンナはお昼寝中であった。スペイン4人組もやってきた。皆で最後の晩餐だ。我々の部屋のヒーターが作動せず震えていると、4人組のリーダーローサがホテルに掛け合ってくれてヒーター作動!お陰で洗濯物もよく乾いた。最後まで彼女達には世話になった。

6月14日 ラパコージャ(La vacolla)〜サンテイアゴ デ コンポステーラ28096(15461)10.2 Km

いよいよ今日はサンチャゴに到着する日。比較的好天に恵まれた私達の巡礼、神様もガルシアでやはり雨の洗礼が必要だろう?と思ったのか、目覚めると本格的な雨!そういえば昨年レオン到着の日の出発も雨だった。ローサ達は完全武装で出発”Buen Camino!”
8時私達も出発です。やっと持ち歩いた雨具が役に立ちます(笑)
9時前にモンテゴッサのモニュメントに到着。ここにも履きつぶされた靴が残されています。
どんな人がここに置いて行ったのか?後4.4キロ何を履いてゴールまで歩いたのか?


モニュメントを下るとモンテゴッソには大きなアルベルゲがある。昨夜Casaの受付で出会ったドイツ人夫婦はきっとこのアルベルゲまで歩いたのだろう。彼らとはまた後日会う事が出来た。
雨の中を1時間歩きここでトイレ休憩とセルフサービスの食堂で私達は朝食をとる事にする。
一休みしている間に雨は上がりすっかり良い天気になっていた。やっぱり私は晴れ女!

いよいよサンチャゴへ向かって最後の歩き。サンチャゴはすごい都会だった。世界中の巡礼者がやってくる。石畳の道を歩き、カテドラルは近い。迷路のような道でなかなか目的の場所にたどり着かない。カテドラルの側にきた時やっと事務所が見つかった。

入り口には仕事を終えた杖が納さめられていた。中の受付で聞くと手続きは2階だとのこと。行くと顔なじみの顔がちらほら!思わずお互い汗だらけの身でハグし合い完歩を喜び合った。800キロの距離を歩き終わった者だけが全身で感じる喜びなのだ。


写真の証明書は右クリスチャン左チャレンジャー

手続きに応対してくださったボランテイアの方は優しかった。この巡礼の目的を聞かれる。それによって証明書が違ってくる。本来はクリスチャンの人々がこの地への巡礼をするのが目的だが皆さん心が広く私のような無心論者も受け入れてくださった。私は正直に“チャレンジです”と答えた。各地で押していただいたスタンプ帳とこの証明書は私の宝です()

ここのオフィスでは各地への飛行機や長距離バスの手配もしてくれる、私達はちょっと高いけどマドリッドまで飛行機で行く事にして手続きをしてもらったl
手続きを終え,オフィス近くのホテルを見つけチェックイン。
荷物を置きカテドラルへ行ってみる。ローマのヴァチカンへ行った時本気でクリスチャンになりたいと思った事がある(敬虔な信者の方からは不謹慎とおしかりを受けそうですね)ここでもそんな気分になります。やはり単なる観光だけの感覚にはなれないその時の私でした。

このカテドラルは教会内のツアーがあると聞いていました。
早速申し込みに行くと英語のツアーは明日、今夕あるのはスペイン語のツアーだとの事。
日本語はないのだから私達に取っては英語もスペイン語もよく解らない。それに明日からフィニステーラへ向かって120キロの巡礼集大成が始まる。5時からのツアーを申し込む。
広場へ出るとスペイン4人組と出会い記念撮影

ツアーが終わり広場を歩いていると土浦出身のMさんと夫のマー君と出会う。これからパラドールへ夕食をしに行くとの事。なんと豪勢な!と思っていると巡礼者先着10名がパラドールの食事を無料だというではないか。頂いた証明書のコピーを持参してパラドールの駐車場で待つ。昔サンチャゴのパラドールは巡礼の為の病院だった。いつまでもその精神を忘れない為に毎日昼と夜の食事を10名まで無料で振る舞っているとの事だ。時間が来るとホテルのマネージャーがパラドールの中をくねくねと案内してくれた。因に私達は9番目10番目だった。

Mさん夫婦はベジタリアンなのだが用意された料理は受け取らずしっかりベジタリアンである事を伝える。少し遅れて別メニューが用意された。ワインも上々でした。
無料でパラドールの夕食を頂く事が出来たという事より、パラドールの日頃は入れない所にはいり、そこを見る事が出来たというのはすばらしい経験でした。ヤコブ様ありがとう!

明日からは4日かけて120キロを歩く。通常サンジャンピエードポーを出てサンチャゴへの800キロを歩き終えフィニステーラへバスで行く人が多いが、私達はあえて歩いていくことにした。

2008年5月19日

ぶらりさん自己紹介


世界で一番人口の多い団塊の世代・1947年生まれの好奇心いっぱいの獅子座です。
忘れた頃の5人目で、比較的自由に育ちました。生まれは熊本・小中学校時代は下関ですから育ちは下関かも知れない。存在感のない子供でした。親からも同級生からも忘れられることが多かったので、気ままにテクテク歩いたりラジオ・テレビに興じたりしていました。今の生活にそんな育ち方が反映しているかも知れません。

運動神経の悪かった私は歩きというスポーツを見つけて20年すっかりアルチュウ(歩く中毒)になっています。社会性に乏しい割にはここ10年位は旅仲間と4〜10人くらいで海外旅行を楽しんでいます。