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ちあきの星空コラム

第263回 読書のすすめ (2025/06/02)

梅雨時は星の本、読書のすすめ

梅雨の時期がやってまいりました。
星が見えない夜は、星の本で楽しんではいかがでしょうか。
いちがいに「星」といっても天文学や星座神話などいろんな分野の本がありますが、興味のある本を購入あるいは図書館で借りるなどして読書を楽しみましょう。

星(天文)関係の書籍は多く、天文学や星座のみつけかた、星の物語などさがせばたくさん見つかりますが、購入するのに最近は町に書店がなくなってきていて書店よりもネット通販が多くなってきています。みなさんの本の購入方法はどのようにしていますか。

幸い私の住む茨城県南部の地域ではつくばに大きな書店ができ、星や天文分野の本も多く取り揃えられていますので私は時々出かけて天文コーナーだけでなく、書店全体の雰囲気を楽しんでいます。本に囲まれた空間にたたずむ自分に居心地の良さを感じることがあるのです。
私の出かける書店は、つくばエクスプレス研究学園駅近くのショッピングモールにある広々とした書店です。ここでは、ゆっくり書籍を見て歩き、何時間も過ごすことができてとても快適です。
かつての町の本屋的なイメージからは大きく脱却した新しい形の未来につながる書店ではないかと思っています。

話を星の本に戻しますと、天文に限らず疑問や知りたい情報があればネットで検索して解決することも多いのですが、ネットで書籍を検索することも良く行います。

ここでは、私の方から推薦する星の本を2冊ご紹介します。

はじめに、星の物知りになるのに適した本として次の本を推薦します。

タイトル  夜空を見るのが楽しくなる!星空図鑑
著者    齋藤正晴(多摩六都科学館)
出版社   池田書店
定価    1600円+税

この本は、星空の中に見られる星や星座を図と解説でわかりやすく説明しています。理科教員の経験もある筆者が現在はプラネタリウム館につとめ、現役で星空案内を行う中でまとめた平易でわかりやすい本に仕上げっています。これ一冊完読すると星の物知り博士になったような気分にさせてくれるほどです。

もう一冊は、天体観測に興味を持ち、星空や天文の基礎知識を学びたいときの入門編として推薦できる本です。

タイトル  星空の教科書
著者    早水勉
出版社   技術評論社
定価    1480円+税

星座の解説のほかに太陽、月、惑星それに星雲星団など、ひととおりのことを写真と説明図を加えてわかりやすく解説していますので、初めての方でもわかりやすい入門書といえます。

さらに、月間の天文雑誌が2誌ありますので、参考までにお知らせします。

タイトル 星ナビ
発行   アストロアーツ
定価   1200円

もうひとつが

タイトル  天文ガイド
定価    1100円
発行    誠文堂新光社

書店で気に入ったらぜひ買いましょう。

読書は、電車の中でも寝る前でも好きな時間に読める範囲だけ区切って読みやすく、簡単に持ち歩くことができます。私は、パソコンやスマートフォンを活用しつつも、ゆったりと落ち着いて知識を身に着けていく楽しみが好きで、本による読書を継続しています。みなさまにもぜひ、おすすめします。ぜひ、書店に出かけ、星の本を手にしてみてください。

6月21日は夏至

6月の事象として、6月21日には夏至をむかえ、1年のうちでもっとも太陽の高度が高くなります。夏至の日は関東地方では昼間の長さが14時間46分と長くなります。逆に夜の時間は9時間24分と短く、時間差は5時間12分。夏至は昼間の長さがとても長く感じられる1日となります。

地球の公転は1年が約365日。今年は春分が3月20日、夏至が6月21日、秋分が9月23日そして冬至が12月22日となっています。

6月の惑星

水星

5月30日には太陽の向こう側に位置して外合となりますので、6月上旬~中旬は観測不適ですが、下旬には日没後の西の低空に姿を現します。
(明るさ-2.2~-0.2等級)

金星

明けの明星として、夜明けの前に東の空で明るく輝きます。
太陽との位置関係で最も角度が開いて見られる西方最大離角は6月1日ですから明け方の空ではとてもめだちます。簡単に写真に撮ることもできます。
(明るさ-4.4~-4.2等級)

火星

かに座からしし座に移動してきました。6月1日には上弦の月と接近して見えます。
(明るさ1.3~1.5等級)

木星

6月25日に太陽の方向と重なる合になり、見ることができなくなります。今月は観測不適となります。
(-1.8~-1.7等級)

土星

うお座の中に見られます。夜半から明け方まで南東の空に輝いています。環はとても細くしか見えません。天体望遠鏡を使って観察してみましょう。
(1.1~1.0等級)

6月の天文情報

(月齢は正午の値)

曜日月齢天文現象など
3.3金星が西方最大離角 月が火星に最接近
4.3
5.3上弦の月 月面Xが見られる
6.3月が天の赤道を通過、南半球へ
7.3芒種(二十四節気)
8.3
9.3月の距離が最遠
10.3
11.3水星と木星が最接近
1012.3
1113.3入梅 満月(ストロベリームーン)
1214.3月の赤緯が最南
1315.3
1416.3
1517,3
1618.3
1719.3
1820.3火星とレグルスが最接近
1921.3下弦の月 月と土星が接近 月が天の赤道を通過、北半球へ
2022.3
2123.3夏至(二十四節気
2224.3明け方月と金星が接近
2325.3月の距離が最近
2426.3
2527.3新月
2628.3
2729.3夕方細い月と水星が接近
281.0
292.0
303.0月と火星が接近
6月の星空案内図
南の星空

背景黒

背景白

北の星空

背景黒

背景白

6月の中旬、午後9時ころの星空です。南の空と北の空の星図がありますので、観察する空の方向によって使い分けましょう。この星図では月明かりの影響はカットし、月の姿も表現していません。
本コラムの中で使用する星図は、㈱アストロアーツの許諾を受け、天文ソフト「ステラナビゲータ12」を使用しています。
星図をクリックすると大きい星図になりますので、プリントアウトして星座さがしに活用しましょう。
田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男 1953年大分県生まれ
子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、足立区にあるギャラクシティまるちたいけんドーム(プラネタリウム)で星空の案内を行うほか、各地で天文に関する講演会や星空観察会を催している。
さらに、仲間と共同で運営している神津牧場天文台(群馬県下仁田町)では天文台長を務めている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。 茨城県龍ヶ崎市在住。