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ちあきの星空コラム

第273回 春の星座をみつける (2026/04/03)

3月3日の皆既月食報告

先月は3月3日の皆既月食についておしらせしましたが、残念ながら関東地方は雨天で観察することができず、九州地方などの一部でしか見ることができませんでした。
当日は、私は仕事で、都内足立区のギャラクシティまるちたいけんドームで月食観察に訪れたお客さんにプラネタリウムドームで月食の説明を行いました。
その後に屋上で月食を観察する予定でしたが悪天候だったために、ドーム内で九州地方の天文台からの月食中継を鑑賞しました。また、ドームの高い位置にパソコンを設置して月食シミュレーションを行い、その画像をお客さんと共に天体望遠鏡で観察しました。
次の月食は2029年1月1日未明の現象となります。しばらく先のこととなりますが、楽しみに待ちましょう。

プラネタリウムでは、九州で見られた月食中継を投影しました。画面上部がプラネタリウムでの中継映像。手前(下部)はプラネタリウムの操作室の機器類

北斗七星から春の星座をみつける

先月号では春の星座のみつけ方を写真で説明しましたが、今月は星図で説明します。
最初に北の空高くに輝く北斗七星をみつける必要があります。北斗七星の配列は、日本でも古くから知られている形状で、水を汲む「ひしゃく」の形といわれてきました(写真参照)。
北斗七星がみつかったら図のように北斗七星のひしゃくの柄に相当する部分から、その曲線を延長すると明るい1等星のうしかい座アークトゥルス(「アルクトゥ-ルス」と呼ぶこともあります)がみつかります。その曲線をさらに南の方まで延伸させていくとおとめ座の1等星スピカがみつかります。
アークトゥルスとスピカに加え、しし座の2等星でデネボラを結ぶと正三角形ができますが、これは春の大三角と呼ばれています。
こうして主要な星をみつけたら、次にその星がある星座や周囲の星座をさがしましょう。
北斗七星からは北極星もみつけることができます。
下図のように北斗の星からたどって2等星の北極星をみつけます。
北極星はさほど目立つ星ではありませんが、こぐま座のしっぽの先に相当する星で、天の北極に近い位置にあり、北の方位をみつけるのに、とても便利な方法といえます。

春の星座は、北斗七星から春の大曲線を空に描いて1等星をみつけることができます。 (図:国立天文台提供)

北極星をみつけるには北斗七星の先端の二つの星(β星、α星)の幅を5倍延ばしていくと北極星がみつかります。

ひしゃく:神社などの手洗いに現在も使用されている道具です

天文現象など

今月も様々な天文現象が見られます。
まず、木星が見ごろをむかえています。-(マイナス)2等級の明るさで輝き、天体望遠鏡を使えば本体の縞模様やガリレオ衛星と呼ばれる4個の明るい衛星が見られます。
夕空では、西の空に宵の明星、金星が輝いています。4月22日から26日には金星の近くにプレアデス星団が見られます。双眼鏡などを使って見るといいでしょう。
明け方の空では、4月4日に東の空で水星が西方最大離角をむかえ、見るチャンスです。
また、下旬には夜明け前の東の空には3惑星(水星、火星、土星)が集合して見えます。
4月23日未明には、こと座流星群が深夜から明け方にかけて見られます。夏の星座こと座の方角から飛んでくるように見られる流星は、1時間当たり10個程度の流星が毎年観測されています。月明かりの影響もない未明にぜひ観察してみましょう。

4月の惑星

水星

4月4日に西方最大離角となりますので、夜明け前の東の空で観察するのに最適となります。
(0.3等~0.7等)

金星

夕方の西の空に宵の明星として、夜空が暗くなる前から見られます。
その明るさからUFOと間違われたりしますので、要注意です。
(明るさ-3.9~-3.9等級)

火星

1月9日に合をむかえてからは、明け方の東の空に見られるようになりました。4月後半には水星、土星と共に明け方の空に輝いていますので、ぜひほかの惑星と共にご覧ください。
(明るさ1.2~1.2等級)

木星

西の空高く、明るく輝いていますので、観測好機といえます。
ふたご座の中に見えており、1等星よりも明るい目立つ星となっていますので、だれでも簡単にみつけることができます。
(-2.1~-1.9等級)

土星

明け方の東の空に見えますが、低空なので、天体望遠鏡で環を観察しても土星像が揺らめいて環の形状がはっきり見えないかもしれません。
(0.9~0.9等級)

4月の天文情報

(月齢は正午の値)

日 曜日 月齢 天文現象など
1 水 13.1 月が天の赤道を通過、南半球へ
2 木 14.1 満月
3 金 15.1
4 土 16.1 水星が西方最大離角
5 日 17.1 清明(二十四節気)
6 月 18.1
7 火 19.1 月の距離が最遠
8 水 20.1 月の赤緯が最南
9 木 21.1
10 金 22.1 下弦の月
11 土 23.1
12 日 24.1
13 月 25.1
14 火 26.1
15 水 27.1 月が天の赤道を通過、北半球へ
16 木 28.1 明け方に月、水星、火星が接近
17 金 29.1 新月
18 土 0.6
19 日 1.6 夕方 月と金星が並ぶ 月の距離が最近
20 月 2.6 穀雨(二十四節気)
21 火 3.6 水星、火星、土星が大接近 月の赤緯が最北
22 水 4.6
23 木 5.6 夕方月と木星が並ぶ こと座流星群が極大
24 金 6.6 上弦の月 月とプレセペ星団が大接近
25 土 7.6
26 日 8.6
27 月 9.6
28 火 10.6 月が天の赤道を通過、南半球へ
29 水 11.6 昭和の日
30 木 12.6

4月の星空案内図

南の星空

背景黒

背景白

北の星空

背景黒

背景白

4月の中旬、午後9時ころの星空です。南の空と北の空がありますので、観察する空の方向によって使い分けましょう。この星図では月明かりの影響はカットし、月の姿も表現していません。
本コラムの中で使用する星図は、㈱アストロアーツの許諾を受け、天文ソフト「ステラナビゲータ12」を使用しています。
星図をクリックすると大きい星図になりますので、プリントアウトして星座さがしに活用しましょう。
田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男 1953年大分県生まれ
子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、足立区にあるギャラクシティまるちたいけんドーム(プラネタリウム)で星空の案内を行うほか、各地で天文に関する講演会や星空観察会を催している。
さらに、仲間と共同で運営している神津牧場天文台(群馬県下仁田町)では天文台長を務めている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。 茨城県龍ヶ崎市在住。