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ちあきの星空コラム

第274回 星空が見える環境 (2026/05/01)

4月に見られた彗星

4月にパンスターズ彗星が明け方の東の空に見られました。
夜明け前ということもあり、あまり多くの人たちには見られないまま彗星は遠くに去っていきました。写真のように長い尾の出現がありました。しかし残念なことにやや暗かったこともあり、世間ではあまり注目されませんでした。

パンスターズ彗星2026年4月8日九十九里海岸にて  撮影:黒野信也

毎年、数多くの彗星が太陽系の深遠部からやってまいりますが、そういった彗星に期待を脹らませて見たり写真に撮ったりして、私は星空を楽しんでいます。
彗星は、その大きさや太陽に近づくと明るく見える尾の存在など興味深いものが多く、私は若いころから彗星に魅せられ、観測、写真撮影などを楽しんでまいりました。
今回のパンスターズ彗星は、双眼鏡があれば確実にみつけられる明るさに達しましたが、今後、さらに明るく肉眼で星空に尾を引いた様子がはっきり見られる彗星を期待したいと思います。
今後も天体に目をやり、彗星などを見逃さないようにしたいものです。

5月の星空を見よう

星を見上げ、星空の中に星座をさがしていく楽しみは、わくわくもあり、楽しいものです。
新たに星座を覚えることは、自分の中では発見ともいえ、感動を覚える楽しみともいえます。
じっさいの星空の中で星座をみつけられるようになるには、机上で各季節にどんな星座が見られるのか、探したい星座を含めて周囲の星座の形を覚え、星の配列や明るさ、などを調べ、星空の中では明るい星と暗い星、星座の星の並びなどを星図や星座早見盤と星空を対比してさがしていきます。
星に詳しい方に教わったり、プラネタリウムに通って覚えたりするのは近道ですが、星座早見盤を使って一人でどきどきわくわくしながらひとつずつ星座をみつけていくのも何とも言えない味わいのあるさがし方といえます。

星空が見える環境

春の星座のみつけ方は先月号にも図解により解説しましたが、星や星座をさがすのには、晴れていることが条件となります。
お天気が良い日は大きな高気圧が西から移動してくることが多く、西から東へ移動していく高気圧の中の、進行方向側(高気圧中心の東側)が特にお天気が良く、高気圧が過ぎていくときにはお天気が崩れていきます。
テレビの天気予報やネットで見るお天気の情報を確認して星空を観察する場所と高気圧の位置や雲の動きを確認しながら快晴の星空となる可能性の高い日に星見を楽しみましょう。

お天気以外にも星見にとって不都合な要因があります。
それは、ひとつには月の存在です。月明かりが明るい日は星が見えにくくなります。特に満月に近い月齢では、暗い星は見えませんのでこのことを意識して星見の日程は決めましょう。

もうひとつ、まち明かりの影響が星の見え具合に大きな影響を与えます。
まちの明かりは夜間の安全のために必要な照明などですが、星見だけに特化して考えますと、まち明かりや車のライトなどが障害となります。
東京では夜空の星を仰ぎ見ても、1等星と2等星しか見られません。
東京から離れた首都圏域の郊外ではおよそ4等星まで見え、もっと離れた海や山に出かければ6等星まで見ることができます。
事前に星見の計画を立ててから星空ウォッチングを実行に移してください。

春の北の空に見られるこぐま座付近の星

5月の天文現象

流星群を見る

5月の天文現象で、もっとも注目すべきは、5月6日の未明に見られるみずがめ座η(イータ)流星群です。方角でいいますと天頂から東の空に注目しましょう。上空に向けて流れる流星を目撃するかもしれません。

月と惑星の接近

5月19日には夕方の西の空で月と金星が接近して見られます。
また、5月20日には月と木星が並んで見られます。
明け方の空では、5月14日に明け方の東の空で、細い月と土星が接近します。翌15日には火星と接近します。

しし座の1等星レグルスの食

5月23日(土)には白昼に月齢6.5の月にしし座の1等星レグルスが隠され、その後、出現する様子を確認できます。
といっても白昼の現象なので、比較的大きな望遠鏡(対物レンズの口径が10センチ以上の天体望遠鏡が望ましい)を使って観察しましょう。

レグルスの月への潜入時刻(東京) 14時49分
同 月から出現時刻(同)  15時23分

5月の惑星

水星

5月14日に外合となり太陽の向こう側に位置しますので、5月中は太陽に近い位置関係から観察には不適といえます。
(-0.8等~-0.7等)

金星

夕方の西の空、宵の明星として、煌々と輝いています。星座をかたちづくる恒星とは明らかに違う明るい星として輝きますからとても目立ち、あまりにも明るいのでUFOと間違われることもあるほどです。
(明るさ-3.9~-3.9等級)

火星

明け方の東の空に見ることができます。ただし、地球との距離が離れているので、天体望遠鏡を使ってもあまり大きく見ることはできません。
(明るさ1.2~1.3等級)

木星

西の空の低空にあり、金星と共に明るく輝いています。
ふたご座の中に見えており、だれでも簡単にみつけることができます。
(-1.9~-1.7等級)

土星

明け方の東の空に見えます。低空で、天体望遠鏡で環を観察しても土星像が揺らめいてまるでカゲロウのようにユラユラ土星が揺れて見えるなどの現象から環の形状がはっきりしないかもしれません。
(0.9~0.9等級)

5月の天文情報

(月齢は正午の値)

曜日月齢天文現象など
13.6金星とヒヤデス星団が最接近
14.6満月(フラワームーン) 八十八夜
15.6憲法記念日
16.6みどりの日 水星が西方最大離角
17.6こどもの日 清明(二十四節気) 月の赤緯が最南
18.6休日 みずがめ座流星群の極大
19.6
20.6
21.6
1022.6下弦の月
1123.6
1224.6
1325.6月が天の赤道を通過、北半球へ
1426.6細い月と土星が接近(夜明け前)
1527.6水星が外合
1628.6
170.3新月 月の距離が最近
181.3細い月と金星が並ぶ
192.3夕方、月と金星が接近 月の赤緯が最北
203.3
214.3小満(二十四節気)  月とプレセペ星団が接近
225.3
236.3上弦の月  白昼、しし座レグルスの食
247.3
258.3月が天の赤道を通過南半球へ
269.3
2710.3
2811.3
2912.3
3013.3
3114.3満月

 

5月の星空案内図

南の星空

背景黒

背景白

北の星空

背景黒

背景白

 

田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男 1953年大分県生まれ
子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、足立区にあるギャラクシティまるちたいけんドーム(プラネタリウム)で星空の案内を行うほか、各地で天文に関する講演会や星空観察会を催している。
さらに、仲間と共同で運営している神津牧場天文台(群馬県下仁田町)では天文台長を務めている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。 茨城県龍ヶ崎市在住。