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ちあきの星空コラム

第276回 梅雨明けの星空 (2026/07/02)

宵の空に金星

梅雨明けの夕空を見ると、西の空に明るく輝く金星の姿が目を引きます。
宵の明星(よいのみょうじょう)金星は、西の夕空の中でとても明るく、他の星とは圧倒的な明るさの差で注目されます。
あまりにも明るく、-(マイナス)4.3等級という明るさは、ほかの星では考えられないほどの明るさですから、この輝きを星とは思わない人たちも多く、中にはUFOではないかという質問や問い合わせが各地の科学館や交番に寄せられることもあることでしょう。
このコラムの賢明な読者は、いくら明るくてもUFOなどではなく、金星だということをご存じですから、夕空の星景色として、夕暮れ時の楽しみとすることができます。
金星を天体望遠鏡で見ると大きく見え、しかも形状は半月状をしていますからまるで月を見ているような印象を受けることでしょう。
金星は8月に入ると15日には東方最大離角を迎え、明るさも-4.5等級とさらに明るくなりますので、継続して観察することをお勧めします。

2026年6月10日の金星と木星(2星の接近した様子)

かけた金星の姿:
7月には半月に近い形状で見られ、8月にはさらに欠けた三日月状の様子を観察できることでしょう

七夕の星をさがそう

梅雨が明けると夏の星空が見えてきます。
夏の代表的な星、夏の大三角をみつけましょう。
夏の大三角は、こと座のベガ(織姫星)、わし座のアルタイル(彦星)及びはくちょう座のデネブという3つの一等星で構成されています。
七夕の星は、下の写真で見ますとわかりますが、ベガが織姫星そしてアルタイルが彦星に相当します。つまり、夏の大三角をみつけることで、七夕の星を確認できますが、もうひとつ、七夕のお話の中では、「天の川」も重要な位置づけとなります。その天の川は都会では残念ながら見ることができませんが、はくちょう座付近にあり、郊外地の海や山に出かければ、ボーと輝く雲のような存在として見ることができます。
天の川はボーとした輝きに見えますが、しかし実際はすべて恒星なのです。遠くにあるためにまるで輝く雲のような存在として見えるのです。
機会を見てじっさいの天の川をご自分の目で確認されることをお勧めします。

7月の惑星

水星

7月13日に内合を迎えます。下旬になると明け方の東天で見ることができるようになります。
(2.4等~0.5等)

金星

宵の明星として西の夕空に目立つ存在です。
天体望遠鏡で見ると月の満ち欠けに似た姿で、7月中は半月に近い形状をしています。
(明るさ-4.1~-4.3等級)

火星

明け方の東の空に見ることができます。
火星は、地球接近時以外は天体望遠鏡を使ってもあまり大きく見ることができません。
しかし、夜明け前に東の空に火星で輝いていますので、みつけてみましょう。双眼鏡や天体望遠鏡を使うと、赤っぽい色に見える特徴があります。
(明るさ1.3~1.3等級)

木星

7月29日に合となり、位置的には太陽の向こう側、そして地球からの距離も最も遠くになりますから、観測ができません。
(-1.7~-1.6等級)

土星

深夜に東の空から昇ってきます。
その後、朝まで観測可能ですが、夕空で見られるようになるのは10月頃からです。待ち遠しい人気のある惑星ですね。
(0.8~0.6等級)

7月の天文情報

(月齢は正午の値)

日 曜日 月齢 天文現象など
1 水 16.0
2 木 17.0
3 金 18.0
4 土 19.0
5 日 20.0 土星が西矩(せいく、深夜から見え始める)
6 月 21.0 月が天の赤道を通過、北半球へ
7 火 22.0 七夕 小暑(二十四節気)
8 水 23.0 下弦の月 月が土星に接近
9 木 24.0 金星とレグルスが大接近
10 金 25.0
11 土 26.0 月とプレアデス星団が接近
12 日 27.0 水星が内合
13 月 28.0 月の距離が最近 月の赤緯が最北
14 火 29.0 新月
15 水 0.7
16 木 1.7
17 金 2.7 夕方、細い月と木星が接近、金星が並ぶ
18 土 3.7 細い月と金星がやや離れて並ぶ
19 日 4.7 月が赤道を通過、南半球へ
20 月 5.7 海の日 夏の土用
21 火 6.7 上弦の月
22 水 7.7
23 木 8.7 大暑(二十四節気)
24 金 9.7
25 土 10.7
26 日 11.7 月の距離が最遠 月の赤緯が最南
27 月 12.7
28 火 13.7
29 水 14.7 満月(バックムーン)
30 木 15.7 木星が合
31 金 16.7

 

7月の星空案内図

南の星空

背景黒

背景白

北の星空

背景黒

背景白

7月の中旬、午後9時ころの星空です。南の空と北の空がありますので、観察する空の方向によって使い分けましょう。
この星図では月明かりの影響はカットし、月の姿も表現していません。
本コラムの中で使用する星図は、㈱アストロアーツの許諾を受け、天文ソフト「ステラナビゲータ12」を使用しています。
星図をクリックすると大きい星図になりますので、プリントアウトして星座さがしに活用しましょう。
田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男 1953年大分県生まれ
子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、足立区にあるギャラクシティまるちたいけんドーム(プラネタリウム)で星空の案内を行うほか、各地で天文に関する講演会や星空観察会を催している。
さらに、仲間と共同で運営している神津牧場天文台(群馬県下仁田町)では天文台長を務めている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。 茨城県龍ヶ崎市在住。