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ちあきの星空コラム

第280回 秋の星空 (2026/11/02)

惑星も見られる秋の星空

すっかり秋になりました。山は紅葉で美しく色づく季節です。街の街路樹や公園もだんだんと秋が深まっていく様子が樹木に感じられます。
星空はどうでしょうか、濃い天の川と夏の大三角に代表された夏の星座の星々も西の空に沈んでいき、秋の星座たちが澄んだ空気の中で美しく輝いてきました。
そうした秋の夜空はきりッと引き締まった星々の輝きに心を癒されます。
秋の星空をゆっくりと眺めていると、南の空に星座の星ではない星が明るく輝いていることに気づきます。
星座の星々は、いずれも地球大気の流れによって星々がちらついて見えますが、この星だけがあまりキラキラとまたたきを持った輝きではなく、ボーと輝いているようにも見えます。
位置は、うお座とくじら座の間のあたり、南の空の高度角にして50度くらい。明るさでいうと1等級に輝く星がみつかります。これが土星です。
11月の夕空に見られる惑星は、この土星だけで、土星以外に見えている星はみな星座をかたちづくる恒星です。
では、ほかの惑星たちはどこに見えるのでしょうか。
夕空には見えませんが、明け方の空に見えます。
夜明け前に火星と木星が東の空高く、しし座の中にあり、両者は接近して見えます。
水星と金星は午前5時頃になると夜明け少し前に東の地平線近くの空、おとめ座の中で輝き、これもとてもめだちます。
晴れた日に、秋の星座さがしとともに夜明けの頃は冬の星座と春の星座が見られ、惑星探しも楽しめます。秋の夜長、秋の星座とともに明け方の星座も楽しめる今の季節に感謝です。ぜひ星見を楽しんでください。

秋から冬にかけての星空にも淡く天の川が見られます。光害の少ない星空で確認しましょう!

土星を見る

土星は天体望遠鏡で見ると、環のついた不思議な形に見えます。
天体観望会などのイベント情報があれば、参加して土星の姿を確かめましょう。
昨年の土星は、環を真横から眺めたような地球と土星の位置関係にありましたが、今年は少し斜めから見た土星の姿として見ることができます。
天体望遠鏡で眺めると、その神秘的な姿に感動することでしょう。

変化する土星の姿、年とともに地球から見る環の角度が変わります 撮影:石川勝也

今年(2026年)の土星の環の傾き 撮影:川端孝幸

11月の惑星

水星

11月4日には内合となりますので、月初めの頃は地球と太陽の間に位置し、見ることができませんが、11月21日には西方最大離角となり、明け方東の空、おとめ座の中で輝いて見えます。
(3.4等~-0.6等)

金星

今月からは明けの明星として明け方の東の空に輝いて見えます。他の星よりも圧倒的な明るさで輝き、明るいので夜明け前の東の低空に見ることができます。
(明るさ-4.2~-4.9等級)

火星

夜半を過ぎるころに東の空に見られます。しし座の中にあり、木星と接近している様子を見ることができます。
(明るさ0.9~0.5等級)

木星

しし座の中にあり、しし座の1等星レグルスよりも明るく、近くの火星よりも明るいため、すぐにみつけることができます。夜明けまで観測可能です。
(-1.9~-2.0等級)

土星

10月4日に衝(「しょう」を迎えた土星は、地球から見て太陽と反対側に見えますので、観測の好機といえます。
天体望遠鏡で観測して環を確認しましょう。
(0.5~0.7等級)

11月の天文情報

(月齢は正午の値)

日 曜日 月齢 天文現象など
1 日 21.5
2 月 22.5 下弦の月
3 火 23.5 文化の日 月と木星が最接近
4 水 24.5 水星が内合
5 木 25.5 月が天の赤道を通過 南半球へ
6 金 26.5 おうし座南流星群が極大
7 土 27.5 立冬(二十四節気)
8 日 28.5 細い月と金星が並ぶ(明け方)
9 月 29.5 新月
10 火 0.8 金星とおとめ座スピカが大接近
11 水 1.8
12 木 2.8 月の赤緯が最南
13 金 3.8 おうし座北流星群が極大
14 土 4.8 月の距離が最遠
15 日 5.8
16 月 6.8 火星と木星が大接近
17 火 7.8 上弦の月
18 水 8.8 しし座流星群が極大
19 木 9.8
20 金 10.8 月が天の赤道を通過、北半球へ
21 土 11.8 水星の西方最大離角 月と土星が最接近
22 日 12.8 小雪(二十四節気)
23 月 13.8 勤労感謝の日
24 火 14.8 満月(ビーバームーン) プレアデス星団の食
25 水 15.8
26 木 16.8 月の距離が最近
27 金 17.8 火星としし座レグルスが大接近
28 土 18.8 月とプレセペ星団が接近
29 日 19.8
30 月 20.8 月と火星、木星が接近

11月の星空案内図

南の星空

背景黒

背景白

北の星空

背景黒

背景白

11月の中旬、午後9時ころの星空です。南の空と北の空がありますので、観察する空の方向によって使い分けましょう。
この星図では月明かりの影響はカットし、月の姿も表現していません。
本コラムの中で使用する星図は、㈱アストロアーツの許諾を受け、天文ソフト「ステラナビゲータ12」を使用しています。
星図をクリックすると大きい星図になりますので、プリントアウトして星座さがしに活用しましょう。

田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男 1953年大分県生まれ
子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、足立区にあるギャラクシティまるちたいけんドーム(プラネタリウム)で星空の案内を行うほか、各地で天文に関する講演会や星空観察会を催している。
さらに、仲間と共同で運営している神津牧場天文台(群馬県下仁田町)では天文台長を務めている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。 茨城県龍ヶ崎市在住。