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ちあきの星空コラム

第119回 梅雨の時期に星を楽しむ (2013/06/03)

梅雨の時期に星を楽しむ

6月は全国的に梅雨入りとなり、雨の降りやすい天気が続きます。
当然のことながら星を見ることができない夜が多くなります。
こうした時期は、プラネタリウムや科学館などに出かけて見ませんか。
最近、東京上野の国立科学博物館に出かけてみましたが、かつての博物館ではただ単に展示しているだけといった印象でしたが、国立科学博物館では多くのスタッフによる体験型の施設に生まれ変わっていました。とても楽しく、充実していて科学する施設がとても楽しい施設に生まれ変わっていることに感動しました。
プラネタリウム館は、またこれはこれでリニューアルしているところが多く、つくばではつくばエキスポセンターがあり、最新の投影装置により、四季おりおりの星座やテーマ設定により、あきのこない充実した時間を過ごすことができますし、何度も見に行く楽しみを持たせてくれます。
ここでは、東北地方の主なプラネタリウムを紹介しますので、暇をみつけてぜひお出かけください。

プラネタリウム館の一例:座席がリクライニングになってとてもリラックスできます。 中央の球体が星空を投影するプラネタリウム装置です。

プラネタリウム館の一例:座席がリクライニングになってとてもリラックスできます。
中央の球体が星空を投影するプラネタリウム装置です。

プラネタリウム施設一覧表
施設名所在地電話
盛岡市子ども科学館岩手県盛岡市本宮字蛇屋敷13-1019-634-1171
仙台市天文台宮城県仙台市青葉区錦が丘9-29-32022-391-1300
パレットおおさき宮城県大崎市古川穂波3-4-200229-91-8611
郡山市ふれあい科学館福島県郡山市駅南2-11-1024-936-0201
田村市星の村天文台福島県田村市滝根町神俣字糖塚60-10247-78-3638

この一覧表は、岩手、宮城、福島県の代表的なプラネタリウムを掲げましたが、これ以外にもネット検索などで探せばみつかります。
なお、休館日、料金及び投影時間などは各施設のホームページでご確認ください。

夏休みに向けて天体写真を撮るカメラ購入を検討する

8秒露出で星空を写す

8秒露出で星空を写す

6月というと夏のボーナスシーズンですが、今年の夏休みには天体写真を撮りたいとお考えの方は、ぜひ一眼レフカメラの購入をおすすめします。
星の撮影は、撮影する対象が暗いために長時間露光が必要になってきますし、オートフォーカスではピント合わせがむずかしいためマニュアル操作のできるカメラとして、一眼レフカメラが天体写真に向いているといえます。
星座や天の川を撮るときは、レンズは標準付属のズームレンズで構いません。マニュアル操作で絞りを開放値(Fナンバーがもっとも小さい数字が絞りの開放値)にしてピントを∞(無限)に合わせます。シャッター速度はB(バルブ)に合わせてリモートレリーズで数秒から数十秒間、シャッターを開いて露出して撮影します。ISO感度設定は3200程度の高感度にセットしましょう。
じっさいの撮影では、カメラを三脚にセットしたらカメラのファインダーを覗き、目的の星座に向きを合わせてシャッターを開きます。たとえば10秒露出であれば、リモートレリーズを使って10秒間シャッターを開いたのち、シャッターを閉じるといった操作になります。
月や惑星は、天体望遠鏡で拡大した像を撮影しますのでカメラレンズを使わず、天体望遠鏡そのものがカメラレンズの代わりとなります。
天体望遠鏡にカメラアダプターを介してカメラボディを接続しますので、レンズ交換が可能なカメラでなければこうした特殊撮影には対応できないのです。これがコンパクトカメラにない性能を発揮してくれる一眼レフカメラの強みなのです。
市販の一眼レフカメラは、各メーカーから多くの機種が発売されていますが、最新式のものの方が画質が良く、撮影感度もアップしています。
そうした意味では、カメラは中古で選ぶのではなく、新品の高性能カメラを選ぶ方が確実に良い写真が撮れる条件が整っています。
カタログや実物を確認し、ご予算に合わせて良い買い物をされ、天体写真にチャレンジされることを期待しています。

6月の天文情報
曜日月齢天文現象など
22.1下弦の月 月が天の赤道を通過(北半球へ)
23.1
24.1
25.1
26.1芒種(二十四節気)  金星がM35星団を通過する
27.1
28.1月が火星の南を通過
29.1
0.5新月 月の赤緯が最北  月が木星の南を通過
101.5月の距離が最遠
112.5入梅
123.5
134.5水星が東方最大離隔
145.5
156.5
167.5月が天の赤道を通過(南半球へ)
178.5上弦の月
189.5
1910.5
2011.5金星と水星が接近
2112.5夏至(二十四節気)
2213.5
2314.5満月 月の赤緯が最南  月の距離が最近
2415.5
2516.5
2617.5
2718.5
2819.5
2920.5月が天の赤道を通過(北半球へ)
3021.5下弦の月

6月の星空

雨や曇り空の多い6月の空は見るチャンスが少ないかもしれませんが、たまに晴れる夜空の美しさは格別です。そうした星空を逃さずに鑑賞しましょう。
6月の星空は、午後8時頃にはまだ、天頂付近は春の星座で埋めつくされていますが、11時、12時と深夜に近づくほど夏の星座を見ることができるようになってきます。光害の少ない場所での観察では、夏の大三角に挟まれるように天の川が見られ、それが南の空まで伸びて、伸びた先にさそり座をみつけることができます。
深夜になると夏の大三角から北の方角に天の川をたどっていくことによって、ケフェウス座やカシオペヤ座をみつけることができます。

6月の星空(背景黒)

6月の星空(背景黒)

6月の星空(背景白)

6月の星空(背景白)

6月中旬、21時ころの星空です。月の位置及び月明かりの影響は省略しています。画面をクリックすると大きな星図を見ることができます。このコラムの星図は、㈱アストロアーツの許諾を受け、天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ9」を使用しています。
田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ

子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。

この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。

最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。

主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。