ちあきの星空コラム
第127回 木星が見ごろ (2014/02/04)
ふたご座にある木星
2月は空一面冬の星座でおおわれていますが、星座をかたちづくる星々の間に、木星が明るく輝いているのがわかります。
木星はふたご座の中に位置し、全天でもっとも明るく見える恒星おおいぬ座のシリウス(-1.4等星)よりも明るく、-2.6等星で輝いて見られます。
ふたご座の中に木星が見られるわけですが、ずっとその場所に見られるわけではなく、来年はかに座の中に見られます。
これは、木星が公転周期11.86年であるために地球から見ると約11年でひとまわりするように見られるということなのです。
これから先の木星の位置を表にしました。今年の位置をじっくり覚え、来年になったら木星の位置の変化を確認してみましょう。
木星の見られる方角(星座)
年(西暦) | 星座の中の位置 |
---|---|
2014 | ふたご座 |
2015 | かに座 |
2016 | しし座 |
2017 | おとめ座 |
2018 | てんびん座 |
2019 | へびつかい座 |
2020 | いて座 |
2021 | みずがめ座 |
2022 | うお座 |
2023 | おひつじ座 |
2024 | おうし座 |
2025 | ふたご座 |
明け方の星空にも注目!
2月に入り、夜明け前の空がまだ暗いうちから散歩などしますと、日々、夜明けの時刻が早くなっていくことを実感できますが、みなさまは、そうした経験はないでしょうか。
今年の2月はそうした散歩を楽しんでいる方には明け方の星空をぜひ仰ぎ見ていただきたいと思います。
明け方の空には惑星が集合していて、火星、土星、金星が見られます。
下旬には水星と月が加わり、とても賑やかな夜明け前の星空となります。
散歩がむずかしい方も、時には早起きして眺めてみましょう。特に2月25日、26日ころは金星と月が接近していますので、さらにステキな眺めとなることでしょう。
2月の天文情報
日 | 曜日 | 月齢 | 天文現象など |
---|---|---|---|
1 | 日 | 1.2 | |
2 | 月 | 2.2 | |
3 | 火 | 3.2 | 節分 月が天の赤道通過(北半球へ) |
4 | 水 | 4.2 | 立春(二十四節気) |
5 | 水 | 5.2 | |
6 | 木 | 6.2 | |
7 | 金 | 7.2 | 上弦の月 |
8 | 土 | 8.2 | |
9 | 日 | 9.2 | |
10 | 月 | 10.2 | 月の赤緯が最北 |
11 | 火 | 11.2 | 建国記念の日 |
12 | 水 | 12.2 | 月の距離が最遠 |
13 | 木 | 13.2 | |
14 | 金 | 14.2 | |
15 | 土 | 15.2 | 満月 金星が最大光度(-4.6等) |
16 | 日 | 16.2 | |
17 | 月 | 17.2 | 月が天の赤道通過(南半球へ) |
18 | 火 | 18.2 | |
19 | 水 | 19.2 | 雨水(二十四節気) |
20 | 木 | 20.2 | |
21 | 金 | 21.2 | |
22 | 土 | 22.2 | 月と土星が接近して見られる |
23 | 日 | 23.2 | 下弦の月 |
24 | 月 | 24.2 | 月の赤緯が最南 |
25 | 火 | 25.2 | |
26 | 水 | 26.2 | 月と金星が接近して見られる |
27 | 木 | 27.2 | |
28 | 金 | 28.2 | 月の距離が最近 |
2月の星空
2月の星空は、ジェット気流の影響から星がチカチカとまたたいて見られます。
おおいぬ座に輝くシリウスはより神秘的で、天高く輝く木星やぎょしゃ座のカペラなどもさがしてみましょう。シリウスとの輝く色のちがいなどを見分けられると星への疑問がまた湧いてきて、星にことを追求したくなるかもしれませんね。
寒さを忘れて見とれるほどの美しさを星空は持っているように感じます。
星図をたよりにじっさいの夜空で星座探しを楽しんでみましょう。
田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ
子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。