新年おめでとうございます。今年も1年間星空コラムを参考にしていただき、星空を眺めてお楽しみください。
最初に今年一年間の主な天文現象などを列挙します。
1月 カタリナ彗星が見られる。地球最接近日は1月16日
2月 今年5回起きるアルデバラン食の1回目の星食(月に隠される現象)
3月 部分月食:全国で3月9日に部分日食が見られる
4月 4月18日の満月はスーパームーンと逆の小さな満月
5月 火星が接近(最接近は5月31日)
6月 土星が見ごろ(環が大きく開いた土星が見られる)
7月 金星が宵の明星となって、夕空に姿をあらわす
8月 8月12日 ペルセウス座流星群が極大
9月 9月15日 中秋の名月(満月は9月17日)
10月 10月22日 オリオン座流星群が極大
11月 11月14日 満月(スーパームーン)が見られる
12月 12月14日 ふたご座流星群が極大
詳しくは各月の星空コラムに掲載しますので、楽しみにお待ちください。
昨年10月31日に発見されたカタリナ彗星は、その後11月15日に太陽に最も接近し、その後地球に近づいてきており、1月16日に最接近となります。
1月1日には、うしかい座の1等星アルクトゥールスに接近しますが、その後も北上を続けておおくま座の中を移動していきます。
1月17日には地球に最接近しますが、この日はM101銀河に接近しますので、写真撮影の絶好機といえます。
その後、1月31日には北極星の近くまで移動していきます
明るさ(等級)はおよそ5等級~6等級くらいになることが予想されていますが、突発的に明るくなることも期待されますので、ぜひ、双眼鏡か天体望遠鏡を使って彗星観測を行いましょう。
昨年に引き続き今年も明け方の空が惑星でにぎやかです。昨年12月に撮影した星空の様子をご披露します。
日 | 曜日 | 月齢 | 天文現象など |
---|---|---|---|
1 | 金 | 10.1 | 元旦 カタリナ彗星がアルクトゥールスに接近 月が天の赤道通過(南半球へ) |
2 | 土 | 11.1 | 下弦の月 月の距離が最遠 |
3 | 日 | 12.1 | |
4 | 月 | 13.1 | しぶんぎ座流星群の極大 月と火星が接近 |
5 | 火 | 14.1 | |
6 | 水 | 15.1 | 小寒(二十四節気) |
7 | 木 | 16.1 | 細い月と金星、土星が接近 |
8 | 金 | 17.1 | |
9 | 土 | 18.1 | 月の赤緯が最南 金星と土星が接近 |
10 | 日 | 19.1 | 新月 |
11 | 月 | 20.1 | 成人の日 |
12 | 火 | 21.1 | |
13 | 水 | 22.1 | |
14 | 木 | 23.1 | |
15 | 金 | 24.1 | 水月の距離が最近 月が天の赤道を通過南半球へ |
16 | 土 | 25.1 | |
17 | 日 | 26.1 | 上弦の月 カタリナ彗星がおおぐま座M101に接近 |
18 | 月 | 27.1 | |
19 | 火 | 28.1 | |
20 | 水 | 29.1 | |
21 | 木 | 0.6 | 大寒(二十四節気) |
22 | 金 | 1.6 | 月の赤緯が最北 |
23 | 土 | 2.6 | |
24 | 日 | 3.6 | 満月 |
25 | 月 | 4.6 | |
26 | 火 | 5.6 | |
27 | 水 | 6.6 | 月と木星が接近 |
28 | 木 | 7.6 | |
29 | 金 | 8.6 | 月が天の赤道を通過(南半球へ) |
30 | 土 | 9.6 | 月の距離が最遠 |
31 | 日 | 10.6 |
晴天率の高い1月は、ぜひ夜空を眺め、星座探しを行いましょう。
毎年1月4日はしぶんぎ座流星群が見られます。
今年は月齢13の月明かりがありますが、月の見える方角以外の空を見て、流星の出現を確認しましょう。
寒い時期の観測となりますので、防寒対策を十分にしてお楽しみください。
また、1月は冬の星座をみつける絶好機です。
冬の星座の代表格はオリオン座で、誰もが見てその配列がすぐに覚えられる三ツ星が特徴です。赤いベテルギウスと白いリゲルの1等星2個を配したその姿は印象的で、他の星座を知らない人でもオリオン座だけはみつけられます。
オリオンと立ち向かうような姿のおうし座は、プレアデス星団(和名:すばる)とヒヤデス星団を持ち、双眼鏡での星空観望の絶好の対象です。
ぎょしゃ座は天高く主星カペラが黄色く輝き、五角形の配列が特徴的です。
おおいぬ座は主星シリウスが-1.4等星で最も明るく輝いて見られる恒星なので、良く知られた存在です。
ほかにもふたご座、うさぎ座などの星座があります。星座早見や星図を使って探してみましょう。
田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ
子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。