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ちあきの星空コラム

第164回 金星が見えなくなる (2017/02/28)

金星が宵の空から消える

2月のコラムでは宵の明星(よいのみょうじょう=金星)が2月17日に最大光輝(マイナス4.6等星)になるとお知らせしましたが、3月に入ると宵の西空(夕方の西空)に見える高度がだんだんと低くなり、ついには3月23日に内合(金星が地球と太陽の間に入る)となって全く見ることができなくなります。
金星を見るなら3月でも前半が適しているということになりますが、特に3月1日には月と金星と火星が集合している様子が見られます。

天体望遠鏡で見た内合前の金星の姿

天体望遠鏡で見た内合前の金星の姿

また、天体望遠鏡で見る金星の姿は三日月のように細い形状となります。
月でもないのに欠けた姿、まるで三日月のように見える。なんとも不思議なその姿に見とれるかもしれません。
3月前半に天体観望会が近くであれば、ぜひ参加して金星を天体望遠鏡で実際に見てみましょう。
天体望遠鏡を自らお持ちの方は、晴れていれば毎日でも金星の形状を観察するといいでしょう。
ただし、双眼鏡ではかけた様子までは観察できません。
このように3月の前半を楽しませてくれる金星もその位置を毎日観察しているとだんだんと高度が低くなり、ついには夜空が暗くなる前にすぐに西空へ沈んでしまうようになるのです。ぜひ、観察を継続してお楽しみください。

3月1日午後7時15分頃の西空のシミュレーション図。月と金星、火星が接近しています

3月1日午後7時15分頃の西空のシミュレーション図。月と金星、火星が接近しています

2月1日に撮影した月と火星と金星の姿、3月2日には同様の光景が見られます

2月1日に撮影した月と火星と金星の姿、3月2日には同様の光景が見られます

3月の夜空で三季の星座を楽しむ

四季の星座といういい方はありますが、三季の星座なんて本当は言いません。でも、冬、春そして夏の星座を一夜のうちに見ることができますので、こういう表現をしてみました。以前のコラムでも秋の季節に、夏、秋そして冬の星座が見られることを解説したことがありますが、3月にもやはり三つの季節の星座が見られるものですから今回はこの説明をします。

☆冬の星座

午後7時頃の星空は冬の星座で埋めつくされています。
冬の最も人気があるオリオン座をはじめ、冬の大三角や六角形を1等星で形づくる冬のダイヤモンドなど星座どうしを結んでみたり、ひとつひとつの星座の形をしっかり覚えこんだり、時間をかけて星座を見るのに冬ほどの寒さはなく、快適に星座探しを楽しむことができます。有名な星座でなくても見つけてみましょう。オリオン座の南にはうさぎ座が見られます。めだたない星座ですが、ぜひ探してみましょう。

3月中旬午後7時頃の星空です

3月中旬午後7時頃の星空です

☆春の星座

深夜、24時ころの星空を見ると、夜空は春の星座に入れ替わっています。
おとめ座には木星が鎮座し、1等星スピカよりもうんと明るく輝いていますので、とても印象的に見えます。
しし座のしっぽの星(デネボラといいます)とスピカ、そしてうしかい座の1等星アルクトゥールスを結ぶ春の大三角もぜひ見つけましょう。
また、黄道12星座のかに座はあまり明るい星はありませんが、ちょうどかにのお腹に相当するところにプレセぺ星団(散開星団)が見られ、双眼鏡でもはっきりと確認することができます。

深夜に星空を仰ぎ見ると春の星座でいっぱいです

深夜に星空を仰ぎ見ると春の星座でいっぱいです

☆夏の星座

明け方、5時少し前に夜が明けないうちに南の空を仰ぎ見ましょう。
土星がいて座とへびつかい座の間で輝いていますし、さそり座のアンタレスも赤い光を投げかけて明るく輝いています。
夏の大三角をはじめ、かんむり座などの小さな星座も見つけられたらきっと感動ものです。
夏が来る前に一足お先に夏の星座を楽しんでみましょう。

明け方には夏の星座が楽しめます

明け方には夏の星座が楽しめます

3月の星空

3月の星空を午後9時ころに観察してみましょう。
冬から春に季節が変わるように冬の星座から春の星座に星座も変わってきたことがわかります。
ただし、星座観察は月のはじめと後半が適していて、中旬は満月の明かりの影響で見られる星の数が減ります。
星座は肉眼で楽しめ、また、金星、火星、木星それに明け方の土星といった惑星も星座の中のどの位置にあるのかをたしかめる楽しみを持っています。
冬ほど寒くないことも観察時のメリットですね。星空をじっくりと楽しんでください。

日 曜日 月齢 天文現象など
1 水 2.5 月と金星が接近  月が天の赤道を通過(北半球へ)
2 木 3.5 月と火星が接近
3 金 4.5 月の距離が最近
4 土 5.5
5 日 6.5 啓蟄(二十四節気)上弦の月
6 月 7.5
7 火 8.5 月の赤緯が最北
8 水 9.5
9 木 10.5
10 金 11.5
11 土 12.5
12 日 13.5 満月
13 月 14.5
14 火 15.5 月が天の赤道を通過(南半球へ)
15 水 16.5 月と木星が接近
16 木 17.5
17 金 18.5 土星が西矩
18 土 19.5 雨水(二十四節気)
19 日 20.5 月の距離が最遠
20 月 21.5 春分の日 春分(二十四節気)
21 火 22.5 下弦の月 月の赤緯が最南
22 水 23.5
23 木 24.5 金星が内合
24 金 25.5
25 土 26.5
26 日 27.5
27 月 28.5
28 火 0.0 新月
29 水 1.0
30 木 2.0 月と火星が接近 月の距離が最近
31 金 3.0
3月の星図
3月の星空(背景白)

3月の星空(背景白)

3月の星空(背景黒)

3月の星空(背景黒)

3月の中旬、午後9時ころの星空です。月明かりの影響はカットし、月の姿も表現していません。このコラムの星図は、㈱アストロアーツの許諾を受け、天文ソフト「ステラナビゲータ10」を使用しています。星図をクリックすると大きい星図になりますので、プリントアウトして星座探しに活用しましょう。
田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ

子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。

この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。

最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。

主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。