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ちあきの星空コラム

第173回  ふたご座流星群 (2017/12/03)

条件最高のふたご座流星群を見る

流星の姿

流星の姿

今年もふたご座流星群の見られる時期がやってきます。
12月14日には、三大流星群のひとつといわれるふたご座流星群が見られます。今年は月明かりの影響がなく、お天気さえ良ければ確実に流れ星(流星)を見ることができます。
数多く見るためには、街明かりをさけ、光害の少ない郊外地などで見ることをお奨めします。
流星が見られる方向は、全天のどの方向でも可能性があり、ふたご座に出現するものでもないので、星座がわからなくても流星を楽しむことができます。では、なぜ、ふたご座流星群というのでしょうか。それは、ふたご座の方向から流れてくるように見えるからです。
全天のどの方角でも見られるというものの、なるべく高度の高い位置を見た方が眼で見える視野の大半が星空に向くという意味で天頂(空の真上)近くを見るといいでしょう。地上の障害物を避けて見ることができます。
見る姿勢は、立ってみたり、イスに座ってみたりした場合は、天頂を向くのに首が疲れますので、サマーベッドのようなものを使ってその上に寝ころぶとか、地面に寝転ぶときは厚手のシートなどを敷き、さらに毛布などを用いて寒さを防ぐようにするといいでしょう。
使い捨てカイロなども防寒対策に活用するといいでしょう。
流星の観測は簡単です。夜空を見上げ、1時間に何個流れたか、数を数えるだけで構いません。これも立派な観測記録になります。
流星観測は、音もなく、夜空をスーと流れる姿がとても神秘的で不思議な感じがする流星を、自分の眼でしっかり見るということが基本になります。流れていく途中で色が変化する流星やとても明るくかがやき、爆発したように発光するものなど、いくつかの流星をみるとその姿が単調でないことがわかります。
ぜひ、あなたも流星観測を実行し、楽しみましょう。

今年のスーパームーンは12月4日

天文用語ではないものの、年間で一番大きく見える満月のことをスーパームーンと呼んで、特別扱いしてお月様を眺めたり、写真に撮ったりしているファンが多くいます。
今年のスーパームーンは12月4日(月)の満月です。
月は楕円形の軌道をもって地球の周りを廻っており、1年間におおよそ12回ほど満月を迎えます。
軌道が楕円ということは、大きく見える月だったり小さく見える月だったりすることがあるということがいえます。地球から月が大きく見えるということは、すなわち、地球に接近した月ということができます。
月と地球が最も離れているときは、約406,000キロメートル離れていますが、接近した時は、約357,000キロメートルの距離となります。
かなり違っていることがわかります。
こうしたことを考えながら月を眺めるのも楽しいことといえます。

地球から遠ざかったときと近づいたときの月(撮影:浦辺守)

地球から遠ざかったときと近づいたときの月(撮影:浦辺守)

明け方の細い月と惑星などの接近

夜明け前の東の空に細い月が見られる12月13、14、15日には、それぞれの日に接近しあった月と星が見られ、夜明け前の月のある風景を楽しむことができます。
13日は、おとめ座の1等星スピカに月齢24.4の月が接近して見られ、14日には1.6等星の赤い火星に月齢25.4の月が接近します。さらにその翌日の15日には-(マイナス)1.7等星の木星が細くなった月齢27.4の月に接近します。
毎日早起きはつらいかもしれませんが、この季節は晴れていることが多いので、見られるチャンスも多いことと思います。
昨年の同様な写真を掲載しますので、ぜひ、このような写真撮影にもチャレンジしてみるといいですね。

惑星や月が接近した星の景色はとても美しく、 ぜひ、明けの空で美しい星の輝きを鑑賞してみましょう (以前の惑星の接近の写真を掲載しています)

12月の星座

12月は、夕方の西空に、はくちょう座のデネブが夏の名残のように輝いて見えますが、東からは冬の星座が昇ってきて、すばるやオリオンの三ツ星など、誰もがみつけやすい天体や星座が数多く見られますので、星座さがしにも楽しみがおおいことでしょう。
星座さがしには、巻末にある星図をご覧いただき、クリックして大きく拡大して見るか、プリントアウトして、夜空にかざして星空と対比して星座さがしにご活用ください。

12月の天文情報
曜日月齢天文現象など
12.6
13.6
14.6アルデバランの食
15.6満月(本年最近の満月) 月の距離が最近
16.6月の赤緯が最北
17.6
18.6大雪(二十四節気)
19.6
20.6レグルスの食
1021.6下弦の月
1122.6
1223.6うみへび座σ流星群が極大 月が天の赤道を通過(南半球へ)
1324.6
1425.6細い月と火星が接近 ふたご座流星群が極大
1526.6細い月と木星が接近
1627.6水星が金星の北を通る
1728.6月が水星の北を通る
1829.6新月 月が金星の北を通る 月が土星の北を通る
190.9月の距離が最遠
201.9
212.9
223.9冬至(二十四節気)
234.9天皇誕生日
245.9
256.9クリスマス
267.9上弦の月
278.9月が天の赤道を通過(北半球へ)
289.9
2910.9
3011.9
3112.9おおみそか
12月の星図
南の星空

12月の南の星空(背景黒)

12月の南の星空(背景白)

北の星空

12月の北の星空(背景黒)

12月の北の星空(背景白)

12月の中旬、午後9時ころの星空です。南の空と北の空があります。月明かりの影響はカットし、月の姿も表現していません。
このコラムの中で使用する星図は、㈱アストロアーツの許諾を受け、天文ソフト「ステラナビゲータ10」を使用しています。
星図をクリックすると大きい星図になりますので、プリントアウトして星座さがしに活用しましょう。
田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ

子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。

この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。

最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。

主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。