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ちあきの星空コラム

第181回 夏の夜空は惑星でいっぱい (2018/08/03)

火星が大接近しています

火星の姿(2018年7月25日の火星像)撮影:川端孝幸

火星は7月31日に大接近を迎え、大きく明るく見えています。
上の写真にあるように天体望遠鏡では模様もはっきり見えるようになりました。8月いっぱいは小型の天体望遠鏡でも丸い惑星の姿と、条件が良ければ模様も確認できますので、ぜひ見てみましょう。
自宅に天体望遠鏡を持っていなくても、この夏は各地で天体観望会が開かれていることでしょうから機会を見て出かけられるといいでしょう。

金星、木星、土星、火星がせいぞろいの夏の夜

金星の姿(7月24日撮影)撮影:鈴木省悟

金星の姿(7月24日撮影)撮影:鈴木省悟

木星の姿(7月24日撮影)撮影:鈴木省悟

木星の姿(7月24日撮影)撮影:鈴木省悟

土星の姿(7月24日撮影)撮影:鈴木省悟

土星の姿(7月24日撮影)撮影:鈴木省悟

火星に限らず、今年の8月は、惑星観測条件がとても良い状態です。
西空に金星が見られ、南の空を仰ぎ見ると、てんびん座に木星、いて座に土星そしてやぎ座には火星が見られます。
もちろん肉眼で、他の星よりも明るく、煌々(こうこう)と輝いていますので、とても目立ちます。
星図をたよりに実際の星空でさがすとすぐにみつけることができます。
また、天体望遠鏡で観察すれば、木星は本体の縞模様のほか、周辺に4個の衛星(ガリレオ衛星と呼ばれています)が見えます。
土星は、本体の周囲に環をもったユニークな形をしていますので、すぐにわかります。人気ナンバーワンの惑星です。
ぜひ機会を見て観察しましょう。

好条件で見られるペルセウス座流星群

夏の天文風物詩としてペルセウス座流星群が挙げられますが、今年は月明かりがない星空のきれいな条件で観察できますので、多くの流星の姿を見ることができるでしょう。
ペルセウス座流星群と呼ばれるのは、ペルセウス座の方向からやってきているように見えることからこの名をつけていますが、じっさいに見える星座の位置は、全天のいずれかの方向でも見ることができますので、特定の星座の方向がよく見えるということではありません。
夕方よりも深夜から夜明けにかけての方が見やすいのですが、深夜遅くはちょっと苦手な人がおおいかと思います。
流れ星は1秒未満の短い発光時間で光り、そして流れるので、夜空を連続してじっくり見ることになります。
夜空から目を離さないようにがんばって見ましょう。

8月の星座

8月になると夏の大三角をはじめ、夏の星座が出そろいます。
南の空にはさそり座、てんびん座、へび座にへびつかい座それにいて座などが見られます。
天頂付近は、夏の大三角を構成するベガ(織姫星)の輝くこと座、アルタイル(彦星)の輝くわし座そしてデネブの輝くはくちょう座があります。
ほかにヘルクレス座、かんむり座、や座、いるか座などの夏の星座もさがし、位置や形を覚えましょう。
星図または星座早見を見ながら本物の星と照らし合わせて、ぜひ本物の星座を確かめてください。

8月の天文情報

曜日月齢天文現象など
19.0
20.0月が天の赤道を通過(北半球へ)
21.0
22.0
23.0下弦の月
24.0
25.0立秋(二十四節気) 七夕(たなばた) 地球が遠日点を通過
26.0
27.0月の赤緯が最北
1028.0
1129.0新月 月の距離が最近
120.7
131.7ペルセウス座流星群が極大
142.7
153.7月が天の赤道を通過(南半球へ)
164.7
175.7伝統的七夕(旧暦の七夕) 月と木星が接近
186.7上弦の月 金星が東方最大離角
197.7
208.7
219.7月と土星が大接近
2210.7月の赤緯が最南
2311.7処暑(二十四節気) 月の距離が最遠
2412.7月と火星が近づく
2513.7
2614.7満月
2715.7水星が西方最大離角
2816.7
2917.7月が天の赤道を通過(北半球へ)
3018.7
3119.7

8月の星図

南の星空

8月の南の星空(背景黒)

8月の南の星空(背景白)

北の星空

8月の北の星空(背景黒)

8月の北の星空(背景白)

8月の中旬、午後9時ころの星空です。南の空と北の空の星図がありますので、観察する空の範囲によって使い分けましょう。月明かりの影響はカットし、月の姿も表現していません。このコラムの中で使用する星図は、㈱アストロアーツの許諾を受け、天文ソフト「ステラナビゲータ10」を使用しています。星図をクリックすると大きい星図になりますので、プリントアウトして星座さがしに活用しましょう。
田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ

子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。

この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。

最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。

主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。