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カメラの向こう側

第102回  お餅、食べましたか? (2020/03/24)

番組制作 所 恵子

春です。新しい年度を前に心躍らせている人もいるでしょう。さて、春は切替わりの季節ですが、年の始まりといえば正月ですね。と、強引に正月を持ち出して始めます。執筆時点は正月なもので……

正月はといえば餅。まだ年末に買った餅が残っている人も多いのではないでしょうか? 私たちは昨年末、花畑地区の餅つき大会を取材しました。毎年百人以上の親子連れが参加する大きなイベントです。大人も子どももおいしそうに餅を頬張る姿に、撮影しながら心が温まりました。

撮影後の編集もサクサク進みます。いろんな餅を調理していたなあ。あんこ・納豆・クルミ・きな粉・からみ餅・大根おろし……納豆はいらないや、私、納豆嫌いだし。
そこまで作業をすすめ、私は「編集者としてヤバイだろ!」と自分の情けなさに驚きました。
このイベントもそうですが、一つの取材で撮った映像を全てつなぎ合わせれば一時間以上になります。それを長くても四~五分程度にまとめます。取捨選択は編集の要です。これまで私は、視聴者にわかりやすい映像を作ってきたつもりでした。

そうです。「納豆嫌いだからカットしちゃえ」はダメなんです。すべての餅を紹介できない場合もあります。しかしカットの基準に「自分が嫌い」はありえません。この場合、人気・新作・独自性、といった基準が妥当でしょうか。人間の仕事ですから好みがにじみ出るのは仕方ないとはいえ、自分の外部に存在しない基準を百パーセント出すのはNGのはず。

米の形がなくなるまで潰すのがコツだそうです

私は「納豆もち」と出会わなかったら、こんなこと自覚しなかったでしょう。「納豆」に感謝いっぱいです。
では、納豆を食べられるようになったか? それは別。茨城県民になって二十年近くなります。食わず嫌いは承知ですし、この機会に挑戦しようかと思わないでもなかったのですが……ごめんなさい。いつもなら「納豆に挑戦!」と終わるところですが、食べ物の好き嫌いは本当にハードルが高いです。
餅つき大会のニュースには、納豆も含めてすべての餅を登場させました。それでご容赦願います。

◎このコラムでは、つくばのケーブルテレビACCSの出演者やスタッフが放送現場の話題をお届けしていきます