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ちあきの星空コラム

第206回 火星が接近 (2020/09/01)

火星接近

今年の秋は火星が地球に接近し、明るく大きく見えます。
火星と地球が接近する周期は約2年2か月おきで、前回は2018年7月31日に大接近しました。
今回はそれに次いで、近くまで接近しますので、準大接近と呼んでいます。
火星がもっとも地球に接近するのが10月6日。その前後の9月はじめから10月後半にかけてずっと明るく、また、天体望遠鏡で見ると丸い円盤状に見えて、天体望遠鏡を使えば表面模様も見ることができます。
火星には薄い大気があり、砂嵐などが発生するとその様子も見ることができますし、ドライアイスが凍った白い極冠(きょっかん)も見ることができます。

今年の火星,極冠や模様が見られる(8月20日 撮影:浦辺守)

2018年8月1日に大接近した様子を撮影しました。中央の最も明るい星が火星。肉眼では他の星より明るく、赤く輝く様子が見られます。

9月中旬午後9時頃の星空。東の空に赤く輝く火星が見え、南西の空には、いて座付近に木星と土星が見られ、にぎやかな星空となります。

木星、土星

今月は火星の観測好機といえますが、8月に良く見えていた木星と土星もまだまだ継続して見ることができます。
火星の模様を見ることができる本格的な天体望遠鏡を使えば、木星表面の縞模様や土星の環もはっきりと見ることができます。
また、木星や土星には地球に月(衛星)があるように各惑星にも衛星があり、天体望遠鏡ではその存在も確認することができます。
もし、天体望遠鏡をお持ちでしたらぜひ、これらの惑星を観察してみましょう。

木星の姿(中央付近の黒い点は衛星の影、撮影:浦辺守)

土星の姿(撮影:浦辺守)

9月の惑星

9月は火星、木星そして土星の観測シーズンといえます。
各惑星の位置を確認し、星座の中にあるそれぞれの惑星をみつけることは、天体観測の基本です。
さらに、天体望遠鏡で観察、観測ができたら楽しみが膨らむことでしょう。
各惑星の位置や見え具合などは次のとおりです。

水星

9月の後半は夕空の西の空に見られますが、低空でみつけるためには地平線近くまで開けた場所が必要になります。0等星くらいの明るさで輝きます。

金星

明けの明星として煌々と夜明け前の東の空に輝いています。
明るさは-4.3等級~-4.1等級と、他の星とは圧倒的に差がある明るさで輝きますのですぐにみつかります。

火星

10月6日には地球に最接近しますので、9月の時点では既に大きく明るく見えます。うお座の中に位置し、深夜には南の空高く赤く輝き、とても目立ちます。-1.8等級~-2.4等級の明るさで輝きます。

木星

-2.4~-2.2等級の明るさで、いて座の中で輝いています。
土星と並んで見られますが、土星よりも明るく見えますのですぐにわかります。
い輝きで、最も目立つ星としてすぐに見つけることができます。土星も付近に見られ、並んでいるように見えます。
天体望遠鏡では本体に縞模様が見られ、周囲には木星の衛星(ガリレオ衛星)をみつけることができます。
星座の中を毎日移動しているように見えますが、9月13日には留(りゅう)といいますが、移動が止まります。双眼鏡などで毎日位置を観察するとその様子を確かめることができます。

土星

木星と並んで輝いています。星座の位置はやぎ座です。
明るさは0.3~0.5等級で、ぜひ天体望遠鏡で環の存在を確認してもらいたい天体です。土星は9月29日に留となり、この日は星座間の移動が止まります。

9月の星空

9月は、夏の星座と秋の星座の両方見られて、とてもお得な季節といえます。
西空には夏の星座が見られ、夏の大三角(こと座のベガ、わし座のアルタイルそれにはくちょう座のデネブ)がすぐにみつかることでしょう。星図を参照してください。
夏の大三角以外にも夏の星座は見られ、南西の空にはいて座やへびつかい座など。西にはヘルクレス座やかんむり座が見られます。
秋の星座は東から昇ってきます。
先頭をきって昇ってくるのがペガスス座。南の空ではみずがめ座、みなみのうお座それにやぎ座などが見られます。
また、火星のあたりには、うお座があります。星図と対比しながら星座さがしにチャレンジしてみましょう。

9月の天文情報

(月齢は正午の値)

曜日月齢天文現象など
13.0
14.0満月
15.0
16.0
17.0月が天の赤道を通過、北半球へ
18.0月と火星が接近 月の距離が最遠
19.0白露(二十四節気)
20.0
21.0
1022.0下弦の月
1123.0
1224.0月の赤緯が最北
1325.0木星が留
1426.0細い月と金星が接近(明け方)
1527.0
1628.0
1729.0新月
180.7月が天の赤道を通過南半球へ 月の距離が最近
191.7
202.7
213.7敬老の日
224.7秋分(二十四節気) 秋分の日
235.7
246.7下弦の月
257.7月と木星が接近
268.7月と土星が接近
279.7
2810.7
2911.7土星が留
3012.7

9月の星図

南の星空

9月の南の星図(背景黒)

9月の南の星図(背景白)

北の星空

9月の北の星図(背景黒)

9月の北の星図(背景白)

9月の中旬、午後9時ころの星空です。南の空と北の空の星図がありますので、観察する空の範囲によって使い分けましょう。月明かりの影響はカットし、月の姿も表現していません。このコラムの中で使用する星図は、㈱アストロアーツの許諾を受け、天文ソフト「ステラナビゲータ11」を使用しています。星図をクリックすると大きい星図になりますので、プリントアウトして星座さがしに活用しましょう。