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ちあきの星空コラム

第230回 惑星を観察しよう (2022/09/05)

今年の秋は惑星観望の好機

いよいよ惑星の見える季節がやってきました。
秋の星空の中に見える惑星は、土星、木星そして火星です。
土星はやぎ座の中に見られます。木星はうお座、そして火星はおうし座の中に見ることができます。
もちろん肉眼でその姿を確認でき、天体望遠鏡を使えば丸い面積のある存在として、他の恒星とはちがう姿を見せてくれます。
今回は、それぞれの惑星の拡大写真をご披露します。これは、高性能の天体望遠鏡を使い、高度な撮影テクニックを駆使して友人が撮影したものです。
天体望遠鏡を使って見てもこの写真ほどは鮮明に見ることができませんが、土星は環の存在が、木星では本体に縞模様の存在が見られ、周辺には4個の衛星(ガリレオ衛星と呼ばれています)が見られます。また、火星では表面の模様や白い極冠を見ることができます。

土星を見る

土星は、やぎ座の中にあって、やぎ座の星座をかたちづくっている星々よりも明るく、0.3等級で輝いていますのでみつけやすく、午後9時頃にはほぼ南の方角、高度は約40度ほどの高さに見え、恒星がきらきらと瞬いて見えるのに対し、土星だけはあまり瞬かず、ボーと輝いており、周囲の星よりも明るいので、簡単にみつけることができます。
天体望遠鏡を持っていれば、「あの星かな?」と目星をつけて望遠鏡を向けてみると、みごとに土星に巡り合うといった奇跡のような感動を覚える体験ができるでしょう。
天体望遠鏡を使って見ても、この写真ほどは、鮮明に見ることはできませんが、環のある姿を見ることができれば、きっと感動ものです。
今年一番の大きな体験になるかもしれませんよ。

土星(2022年7月23日撮影)     撮影者:川端孝幸

木星は太陽系最大の惑星

木星はうお座に位置し、9月27日に衝(地球から見て太陽と反対側の位置になるとき)となりますので、観測の好機といえます。
明るさは、-(マイナス)2.8等級の明るさで、他の度の星よりも明るく見られます。
天体望遠鏡で見れば、50倍前後の低い倍率では、木星本体とその周辺にはガリレオ衛星(イオ、エウロパ、ガニメデ及びカリスト)が見られます。
木星の形は、楕円形に見えます。本体がガスで構成されているからなのですが、地球の山や川、海といった地形とはまったく異なる模様が見られる惑星なのです。
したがって、見えている縞模様には、変化があり、大きな変化があると地球上からも観察できます。特に注目すべきは、「大赤斑(だいせきはん)」で、まるで目玉のように見られるこのガスの渦巻は、地球でいうと台風のような姿に似ているといえますが、既に発生してから300年以上も存在しているといわれています。
木星は、自転速度が速く、自転周期はわずか10時間ほどです。
私たちが天体望遠鏡で観測するときは、どのような模様があり、それがどのように変化していくかを観測することになります。
先日、米国の新しい宇宙望遠鏡ジェイムズ・ウェッブがとらえた木星の画像は、とても詳細な表面模様をとらえ、私たちを驚かせましたが、この宇宙望遠鏡は、観測対象を常に木星にすることはなく、多くの天体を撮像するために、日ごろから木星の表面変化などの観測は、いまでもアマチュア天体観測者が力を発揮することができる分野といえます。
読者のみなさまにもそうした目をもって、ぜひ木星やそのほかの惑星などに注目していただきたいと思います。

木星(2022年7月23日撮影)       撮影者:川端孝幸

火星接近

12月1日に地球に最も接近する火星は、9月時点では深夜の12時頃には東の空の高度25度くらいの位置にみつけることができます。
おうし座の中に見え、火星本体の色が赤く見えるために、おうし座の1等星アルデバランのオレンジ色と対比して見ることが楽しみな位置にあるといえます。
火星は、地球に近い位置で地球の外側を公転しており、地球から見ると移動が速く、星座の中を日々移動していく様子が観測するとわかります。
毎日、火星の位置を確認して、星図の中に記入していけば、移動していく様子が記録できます。
天体望遠鏡で拡大して見ると、写真のように赤っぽい表面に黒い模様が確認でき、白い極冠(きょくかん=極付近のドライアイスの凍った様子)も見られることでしょう。
観測の方法は、肉眼では、星座の中の位置や明るさを記録し、天体望遠鏡では表面模様などの記録(スケッチまたは写真撮影)をおこないましょう。
これから12月いっぱいまで、ずっと観測を楽しめる天体です。
2年2か月おきに地球に接近する火星の接近機会をとらえて、観測を楽しみましょう。

火星(2022年7月23日撮影)     撮影:川端孝幸

その他の惑星の情報
水星

水星は8月28日に東方最大離角となったため、9月に入っても上旬は西の夕空の低空の中に明るく輝く様子が見られます。
中旬から下旬にかけては観測に適しません。
(明るさ-(マイナス)0.3等~1.9等)

金星

明けの明星として見えていますが、太陽に近く、夜明け前の東の空低く見ることができます。(明るさ-3.9等)

9月にやってくる中秋の名月

旧暦の8月15日に見られる月を仲秋の名月と呼んで、お団子やススキの穂をお供えしてお祭りをしますが、今年は9月10日がその日に相当します。
十五夜お月さんなどと旧暦15日の月を呼び、ほぼ満月の月ということもできますが、年によっては、1日程度のずれが生じていることもあります。
今年は、中秋の名月と満月が重なっています。
夕方に東の空から昇りくる中秋の名月をぜひご覧ください。

9月10日中秋の名月は、夕方の東の空(真東よりもやや右側)から顔を見せます。時刻が進むとだんだんと高く昇る月の様子を楽しみましょう。

満月

 

9月の天文情報

(月齢は正午の値)

曜日月齢天文現象など
4.8二百十日
5.8
6.8月面Xが見える
7.8上弦の月
8.8月の赤緯が最南
9.8
10.8
11.8白露(二十四節気) 月と土星が接近
12.8
1013.8満月 中秋の名月(十五夜)
1114.8月と木星が大接近
1215.8月が天の赤道を通過北半球へ
1316.8
1417.8
1518.8
1619.8
1720.8月と火星が接近
1821.8下弦の月
1922.8敬老の日 月の赤緯が最南
2023.8
2124.8
2225.8月とプレセペ星団が接近
2326.8秋分の日 秋分(二十四節気)  月の距離が最遠
2427.8
2528.8月が金星に最接近
260.2新月 細い月と金星が接近
271.2木星が衝
282.2
293.2
304.2月が天の赤道を通過、南半球へ 月が水星に接近
9月の星空案内図
南の星空

9月の南の星図(背景黒)

9月の南の星図(背景白)

北の星空
9月の北の星図(背景黒)

9月の北の星図(背景黒)

9月の北の星図(背景白)

9月の北の星図(背景白)

9月の中旬、午後9時ころの星空です。南の空と北の空の星図がありますので、観察する空の方向によって使い分けましょう。月明かりの影響はカットし、月の姿も表現していません。このコラムの中で使用する星図は、㈱アストロアーツの許諾を受け、天文ソフト「ステラナビゲータ11」を使用しています。星図をクリックすると大きい星図になりますので、プリントアウトして星座さがしに活用しましょう。
田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男 1953年大分県生まれ
子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、足立区にあるギャラクシティまるちたいけんドーム(プラネタリウム)で星空の案内を行うほか、各地で天文に関する講演会や星空観察会を催している。
さらに、仲間と共同で運営している神津牧場天文台(群馬県下仁田町)では副台長を務めている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。 茨城県龍ヶ崎市在住。