つくばのこと、もっとわかれば もっとたのしい! 茨城県つくば市のケーブルテレビ局ACCSによる地域情報サイト

ちあきの星空コラム

第238回 金星の写真を撮ろう (2023/05/01)

一番星金星

夕暮れ時、太陽が西の空に沈むと空は夕焼け色に染まり、だんだんと夕闇に包まれ、空には星が見えてきます。
最初に見える星のことを一番星と呼びますが、今年の5月に一番星として見られる星は西の空に輝く金星です。
夕空の金星は、宵の明星(よいのみょうじょう)と呼ばれ人々から親しまれてまいりました。
金星は、公転周期が224.7日。地球の公転周期は365日ですから、双方が太陽系の周りを公転しているために、地球から見える位置が日々変化してまいります。夕空に見える時期と明け方の空に見えるときがありますが、今は、夕空に見えている時期なのです。
そうしたことから、この時期に各地で開催される天体観望会では、観望する対象として、金星がメインの惑星になります。

宵の明星(金星)

宵の明星(金星)

金星拡大画像

天体望遠鏡で拡大した金星の写真:地球、金星及び太陽の位置関係によって、金星が欠けてみられることがあります。今年の5月ではすでに半月上の携帯に見られますが、6月にはさらに欠け具合が進み、この写真のように欠けている様子を見ることができます。

金星を写真に撮る

夕空に見える金星(宵の明星)は、とても明るいため、スマートフォンなどの内蔵のカメラで、簡単に撮影することが可能です。
もちろん、通常のミラーレス一眼カメラやコンパクトなデジタルカメラでも撮影できますので、試しに、夕空に金星が見られたら、ぜひ、そのときに持っているカメラでパチリと写してみましょう。
かつての星空撮影の秘訣は、カメラ三脚にカメラをセットしてぶれないようにケーブルレリースなどを使用してシャッターを押し、長い露出(10秒程度)をかけて撮影していたものでしたが、今はカメラの感度が高感度になったために、手持ち撮影でパチリと撮影できるようになりました。

宵の明星金星

地上の景色を取り入れて構図を整えてパチリと手持ち撮影で写すことができます

金星フォトコンテスト

私の勤務する足立区ギャラクシティでは、金星の天体写真を募集しています。
応募期間は2023年4月1日から5月31日まで。
ご応募いただきますと、ギャラクシティのHPに掲載されます。
また、後日、ギャラクシティ2階ぷらっとプラネットにあるボードにプリントされた写真を掲示いたします(10作品ほど掲示を予定)。
ギャラクシティのHPの中に金星フォトコンテストの要領が記載されています。
URLは
https://www.galaxcity.jp/post_1.html
です。
現時点では、既に応募された作品がHP上でご覧いただけます。
応募先は次のメールアドレスとなります。

応募先

ギャラクシティ まるちたいけんドーム内
天体写真募集事務局
所在地:〒123-0842 東京都足立区栗原1-3-1
電話:03-5242-8161(代表)
E-mail:photo.bosyuu@galaxcity.jp

応募に関しては、メール本文に必ず次の項目を記載し、応募写真はJPEGデータにてメールに添付してお送りください。
※の項目は、必ずご記入ください。記載がない場合には掲載できません。
※1.写真のタイトル:
※2.撮影者(ニックネームでも可):
※3.撮影日時(YYYY年MM月DD日HH:MM)
※4.撮影場所:国、都市の名前まで
※5.撮影機材(わかれば)
※6・コメント(撮影方法、撮影した時の感想など200文字以内)

<応募の条件>

1. 金星が写っている写真に限らせていただきます。
2. 公序良俗に反すると判断した写真は掲載できません。
3. 写真はA4サイズにプリントできる程度の大きさ
(目安:500キロバイト~3メガバイト程度)
・解像度が低い写真は掲載できないことがあります。
・サイズが大きすぎる写真は掲載できないことがあります。
4. Webへの掲載は受付順に都度掲載させていただきます。
5. ギャラクシティにおける紙プリントして行う写真掲示は、応募が多い場合、10点に絞らせていただきます。

惑星情報

5月は金星がよく見えます。
逆に、木星、土星は観測不適となっています。各惑星の情報をお知らせしますので、参考にしてください。

水星

5月2日に内合となり、5月半ばまでは観測不適です。その後、明け方の空で見えるようになり、5月29日に西方最大離角を迎えます。日の出の少し前に東の空に見ることができます。早起きして探してみましょう。

金星

宵の明星として、夕方の西の空に-4.2~-4.4等級の明るさで輝いています。
他の星とは明らかに違う圧倒的明るさで、輝いていますので、ぜひ眺め、写真にも撮ることをおすすめします。

火星

ふたご座の中にありますので、夕空の中でその存在を確かめましょう。昨年12月1日の最接近から半年がたち、地球からは日々遠ざかり、月初めは1.3等、月末には1.6等になってしまいます。
2年後の再会を楽しみに、別れを惜しむ時期となります。

木星

日の出前の東の空に見られるようになります。うお座からおひつじ座に移動していきます。明るさは-(マイナス)1.9等級です。

土星

明け方の南東の低空に見られます。明るさは1.0等級でみずがめ座にあります。

5月の天文情報

(月齢は正午の値)

曜日月齢天文現象など
10.9
11.9八十八夜 水星が内合
12.9憲法記念日 月が天の赤道を通過南半球へ
13.9みどりの日
14.9こどもの日
15.9立夏(二十四節気) 満月 半影月食 みずがめ座η流星群極大
16.9
17.9
18.9火星とふたご座ポルックス(1等星)が最接近
1019.9
1120.9月の距離が最近
1221.9下弦の月
1322.9月が土星に最接近
1423.9
1524.9
1625.9月が天の赤道を通過北半球へ
1726.9月が木星に最接近
1827.9
1928.9
200.5新月
211.5小満(二十四節気)
222.5月の赤緯が最北
233.5細い月と金星が大接近
244.5
255.5月が火星に最接近
266.5月の距離が最遠
277.5月面Xが見える
288.5上弦の月
299.5
3010.5月が天の赤道を通過南半球へ
3111.5
5月の星空案内図
南の星空
背景黒

背景黒

2023年5月の南の白星図

背景白

北の星空

背景黒

背景白

5月の中旬、午後9時ころの星空です。南の空と北の空の星図がありますので、観察する空の方向によって使い分けましょう。月明かりの影響はカットし、月の姿も表現していません。このコラムの中で使用する星図は、㈱アストロアーツの許諾を受け、天文ソフト「ステラナビゲータ12」を使用しています。星図をクリックすると大きい星図になりますので、プリントアウトして星座さがしに活用しましょう。
田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男 1953年大分県生まれ
子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、足立区にあるギャラクシティまるちたいけんドーム(プラネタリウム)で星空の案内を行うほか、各地で天文に関する講演会や星空観察会を催している。
さらに、仲間と共同で運営している神津牧場天文台(群馬県下仁田町)では副台長を務めている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。 茨城県龍ヶ崎市在住。