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【ちあきの星空コラム】 2023/12/04

第245回 すばるは高く昇る

すばる(昴)をみつけられますか?

12月に入ると木星は頭上に輝き、東の空からはすばる(昴=プレアデス星団)が昇ってきます。すばるをごぞんじですか?谷村新司作詞作曲の「昴」に歌われたこの星は、日本では平安の時代から昴と呼ばれ、夜空に肉眼で見える星団として、親しまれてきました。
「すまり」、「むりぶし」、「むつらぼし」などと日本の各地で数多くの呼び名がありますが、古くからこの星団が認知されてきた証拠ともいえます。
じっさいの星空では、12月であれば午後7時ころには、東の空を見ると6個程度の星が群れをつくって輝いている様子をみつけることができます。
西洋でもこの星団は注目されており、ギリシャ神話ではプレアデス星団と呼ばれ、7人姉妹だといわれています。
夕空の東の空でぜひ、みつけてみましょう。双眼鏡などを使えば、さらに詳しく見ることもできます。

東の空から昇りくるすばるの姿(土浦市内「小町の館」から撮影)

ふたご座流星群を見よう!

12月には、毎年、ふたご座流星群が見られますが、今年は12月15日の午前2~4時頃をピークとして1時間に80個程度の流星が見られると予想されています。
前後の日を含めて多く流れる流星の姿が見られる可能性がありますので、ぜひ、夜空を見上げましょう。今年は、12月13日が新月で、月明かりがない良い条件の星空を見ることができそうですので、お天気さえ良ければぜひ、観察してみましょう。

冬の星座をさがそう!

12月に入ると夜の星座観察は、とても寒くなってまいります。特にじっとしたまま長い時間、夜空を眺めていると昼間では考えられないほどの寒さを感じてしまいます。ジョギングやウォーキングといった身体を動かす行為と違い、寒さの中で静かに星を眺めるわけですから寒さは身にしみて感じてきます。
そうしたことから、短時間でも星空を眺めるために屋外に出るときは、手袋やマフラーをはじめ、帽子やダウンジャケットなどの寒さ対策を忘れずに快適な星見を楽しみましょう。
秋の星空では、1等星はひとつだけ、みなみのうお座のフォーマルハウトだけでしたが、冬の星座の中には7個もの1等星が輝いています。
1等星を順番に見ていきますと、はじめにオリオン座。オリオン座にはなんと1等星が2個もあり、赤く輝くベテルギウスと白く輝くリゲルです。次に、おうし座にはオレンジ色に輝くアルデバラン。そして、ぎょしゃ座には黄色く輝くカペラ。さらにふたご座のポルックスとこいぬ座のプロキオン。最後に最も明るく輝いているおおいぬ座のシリウス。これらの明るい星を次々とみつけていきましょう。
深夜になり夜も更けていくと、南の低空にある1等星のりゅうこつ座のカノープスが見られることもあります。運が良ければ8個もの1等星を見ることができることになります。
冬の星座探しでは、まず、1等星をみつけ、星図や星座早見を参考にしながら1等星のある星座の1等星よりも暗い星々も含んだ星座の形をさがすと星座探しが比較的用にできるかもしれません。

今月も楽しめる土星と木星

12月に入ってからも、土星は夕暮れの頃から南西の空に輝いていますので、すぐにみつけることができるでしょう。土星には環が見られるという他の星では見ることができない特徴を持っていますので、天体望遠鏡で眺めたくなります。
木星は天高く、他のどの星よりも明るく輝いていますので、夜空を見上げた瞬間に発見することができます。
天体観望会などが付近でありましたら、ぜひ参加して惑星観望を楽しみましょう。

   

先月も掲載しました土星と木星の写真ですが、土星は環の傾き具合が徐々に変化しています。来年は今よりも細くなり、再来年には、真横から眺めることになり、線状に見えることになります。
木星は小型の天体望遠鏡でも表面にしま模様が2本は確実に見られ、ときにはこの写真に見られるような目玉状の大赤斑が見られることもあります。さらに木星の周囲を回る衛星の内、明るい4個がよく見えます。この4個は発見者のガリレオ・ガリレイにちなんでガリレオ衛星と呼ばれています。
(撮影:川端孝幸)

惑星情報

水星

今月の水星は、12月4日に東方最大離角を迎え、夕方の南西の空に見ることができます。低空にしか見えませんが、ぜひ探してみましょう。(明るさは-マイナス0.7等級)

金星

明けの明星として、明け方の空に明るく輝いて見られます。10月24日に西方最大離角を迎えましたが、まだまだ東の空で明るく輝き、観測好機といえます。(-4.1等級)

火星

11月18日に合(ごう)を迎え、太陽の近くに見られますので、観察には不適です。

木星

木星は、空の高い位置に輝いていますので、だれでもすぐにみつけることができます。
く煌煌と輝き、深夜の満点の星空の中で、どの星よりも明るく見えます。観測好機が続きます。
(-2.6等級)

土星

土星はみずがめ座の中にあり、木星ほどの明るさはありませんが、付近のみなみのうお座の1等星フォーマルハウトよりも明るく、観察の好機が続いています。(0.9等級)

12月の天文情報

(月齢は正午の値)

曜日月齢天文現象など
17.7
18.7
19.7
20.7水星が東方最大離角
21.7下弦の月 月の距離が最遠
22.7
23.7大雪(二十四節気) 月が天の赤道を通過南半球へ
24.7
25.7細い月と金星がやや離れて並ぶ
1026.7細い月と金星が接近
1127.7
1228.7月が火星に最接近
130.1新月
141.1細い月と水星が並ぶ(夕空) 月の赤緯が最南
152.1ふたご座流星群が極大
163.1
174.1月の距離が最近
185.1月が土星と並ぶ
196.1
207.1上弦の月 月が天の赤道を通過、北半球へ
218.1
229.1冬至(二十四節気) 月と木星が接近
2310.1水星が内合
2411.1
2512.1
2613.1
2714.1満月 月の赤緯が最北
2815.1
2916.1
3017.1
3118.1

12月の星空案内図

南の星空

背景白

背景黒

北の星空

背景白

背景黒

12月の中旬、午後9時ころの星空です。南の空と北の空の星図がありますので、観察する空の方向によって使い分けましょう。この星図では、月明かりの影響はカットし、月の姿も表現していません。このコラムの中で使用する星図は、㈱アストロアーツの許諾を受け、天文ソフト「ステラナビゲータ12」を使用しています。星図をクリックすると大きい星図になりますので、プリントアウトして星座さがしに活用しましょう。

田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男 1953年大分県生まれ
子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、足立区にあるギャラクシティまるちたいけんドーム(プラネタリウム)で星空の案内を行うほか、各地で天文に関する講演会や星空観察会を催している。
さらに、仲間と共同で運営している神津牧場天文台(群馬県下仁田町)では副台長を務めている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。 茨城県龍ヶ崎市在住。