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【ちあきの星空コラム】 2024/02/01

第247回 寒い夜空は星がきれい

寒い夜空は星がきれい

2月3日に節分、4日は立春で、暦の上では春がやってくる2月ですが、じっさいは2月中はまだ寒い日がほとんどです。
関東地方では晴れる日も多いので、星を見るのには最適な夜が続きます。
といっても、寒さが星見の妨げになります。
しかし、2月の夜空では星がキラキラと輝いてとてもきれいです。
その理由は、寒さとともに澄んだ空気により透明度が高いことが星をより明るくすっきりと見せる演出をしてくれることと大陸からのジェット気流が上層大気の空気密度の濃淡をつくり、これが星を瞬かせる演出をしてくれるのです。キラキラと瞬く星は、ただボーと光っているよりも美しく見えるのは、誰もが認めるところです。
さらに、冬の星座の中には1等星が7個も見え、春の3個、夏の4個そして秋の1個に比べて、圧倒的に1等星が多く、夜空に星々がめだち、加えて星の瞬きの演出により美しさが引き立つのです。
すなわち、星を眺める最適な時期といえるのです。
都会でもこの季節だけは星が多く見え、星空の美しさに感動することができる時期といえるのではないでしょうか。

天頂付近で輝くぎょしゃ座。線で結ぶと五角形の形状となることが特徴

ミニマムムーンってご存じですか?

2月は24日が満月ですが、この満月は今年1年の中で最も小さく見える満月なのです。
月は地球の周りを公転する衛星ですが、その軌道は楕円形をしており、地球から見る月は地球からの距離が一定ではなく、距離が遠いときと近いときがあることになります。
その結果、月がやや大きく見えたり小さく見えたりするのですが、今年の満月の中で、地球との位置関係が最も離れた遠くにある満月が2月24日の満月ということなのです。
当然のことながら近いと大きく見え、遠いと小さく見るわけで、最も地球から離れている今回の満月をミニマムムーンと呼んでいます。
ところで、この逆に地球に近い満月は10月17日の満月で、こちらはスーパームーンと呼ばれます。
ただし、天文用語としては定義がなく、満月に関係する愛称といえます。

最遠と最近の月の大きさ比較(左の最遠がミニマムムーン) 撮影:浦辺守

木星が輝く

夕空の中で最も明るく輝く星は惑星の木星です。今の時期の一番星として煌々(こうこう)と輝いています。
他のどの星よりも明るい上に木星だけが他の星(恒星)のようにキラキラとまたたかずに、あやしく光を投げかけているように感じます。
実は木星も恒星と同様にジェット気流によって、揺らめいているのですが、恒星にくらべると地球に近い位置にあるため、天体望遠鏡で眺めると大きく見え、表面模様が見られます。そのように面体の姿を確認できるほどの大きさを持っているために揺らめきが少なく感じられるのです。
じっさいの星空で、木星と星座をかたちづくる恒星の星々とを比較して観察すると納得できることと思います。

節分がやってくる

2月3日は節分です。
節分とは、春夏秋冬の季節を分けるという意味で、年4回あります。
春の到来を知らせる二十四節気のひとつ、立春(りっしゅん)が今年は2月4日にやってきますので、その前日が節分と呼ばれています。
といっても、節分として世間的に認知され、行事として行われているのは、立春前日の節分のみで、他の季節の節分は、日常生活の中では忘れられています。
2月3日の節分では、豆まきの行事が古くから行われて日本の伝統となっていますが、最近は恵方巻きを食べることも多くの方々が楽しみとして実践しているようです。
恵方巻きとは、太巻きの巻き寿司のことで、これを恵方の方向を向いて無言で食べる行為と言われており、今年の恵方の方向は、東北東だといわれています。
今年は私も挑戦してみようと思っています。

2月の惑星

水星

水星は、1月12日に西方最大離角を迎え、3月25日に東方最大離角を向けます。
2月は、2月28日に外合を迎えますので、地球から見て、太陽の向こう側に位置し、観測には不適です。
(明るさ-マイナス0.3~-1.8等級)

金星

明けの明星として明け方の南東の空に輝いています。夜明け前に観察すると他のどの星よりも明るく輝いている様子を見ることができます。
(明るさ-3.9~-3.9等級)

火星

2023年末に地球から遠く離れた外合を迎えたばかりで、現在、観察不適です。次に地球へ接近するのは2025年となります。
(明るさ1.3~1.3等級)

木星

おひつじ座の中で煌々と輝いている木星は、今月が観測シーズンとして最終月といえます。来月も見えますが、今月ほどの好条件ではなくなります。
(-2.5~-2.2等級)

土星

2月29日に合となり、観測はできません。今年は夏以降にその姿を夕空に楽しむことができるようになります。

2月の天文情報

(月齢は正午の値)

曜日月齢天文現象など
20.6
21.6下弦の月
22.6節分
23.6立春(二十四節気)
24.6さそり座アンタレスの食(11時2分=東京)
25.6
26.6月の赤緯が最南
27.6細い月と金星が並ぶ(明け方)
28.6
100.2新月
111.2建国記念の日 細い月と土星が接近(夕方)
122.2休日
133.2月が天の赤道を通過、北半球へ
144.2
155.2月と木星が接近
166.2月とプレアデス星団が接近
177.2上弦の月 月面Xが見られる
188.2
199.2雨水(二十四節気)
2010.2
2111.2
2212.2金星と火星が再接近(18時46分)
2313.2天皇誕生日
2414.2満月(スノームーン、ミニマムムーン)
2515.2月の距離が最遠
2616.2
2717.2月が天の赤道を通過、南半球へ 水星が外合
2818.2
2919.2

2月の星空案内図

南の星空

背景白

背景黒

北の星空

背景白

背景黒

2月の中旬、午後9時ころの星空です。南の空と北の空の星図がありますので、観察する空の方向によって使い分けましょう。この星図では、月明かりの影響はカットし、月の姿も表現していません。このコラムの中で使用する星図は、㈱アストロアーツの許諾を受け、天文ソフト「ステラナビゲータ12」を使用しています。星図をクリックすると大きい星図になりますので、プリントアウトして星座さがしに活用しましょう。

田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男 1953年大分県生まれ
子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、足立区にあるギャラクシティまるちたいけんドーム(プラネタリウム)で星空の案内を行うほか、各地で天文に関する講演会や星空観察会を催している。
さらに、仲間と共同で運営している神津牧場天文台(群馬県下仁田町)では副台長を務めている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。 茨城県龍ヶ崎市在住。