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ちあきの星空コラム

第259回 惑星大集合 (2025/02/03)

8惑星を見る

太陽系の惑星は8個あります。太陽に近い公転軌道の惑星から順に、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星それに海王星です。
この8惑星を一度にすべて見るというのは、なかなかチャンスがやってきませんが、なんと今月(2月)の後半にそのチャンスがやってきます。
最初に下図で8個の惑星を確認しましょう。

太陽の周りを公転する惑星の説明図

2月23日18時10分頃の星空。 西から水星、土星、海王星、金星、天王星、木星、火星それに地面は地球。 各惑星が位置する星座は、「水星=みずがめ座」、「土星=みずがめ座」、「海王星=うお座」、「金星=うお座」、天王星=おひつじ座」、「木星=おうし座」、「火星=ふたご座」 です。

この8惑星には私たちの住む地球が含まれていますので、天体として見えるのは7個になります。
夕空の中で、西の地平線近くには水星と土星をみつけることができます。
海王星も西の空に見えますが、天頂付近にある天王星とともにはるか遠くに存在していますので、肉眼では見ることができません。この2星は天体望遠鏡を使って探す必要があります。
残る金星、木星及び火星は星座をかたちづくる恒星の1等星よりも明るく、はっきりと確認できますので星図で位置を確認して肉眼で探しましょう。
このうち、木星、火星それに西空の金星、土星及び水星は肉眼で見られるだけでなく、天体望遠鏡を使うと面積体として見られます・・・下図参照
各地で行われる天体観望会などに参加して、ぜひ本物の惑星を見ましょう。

天体望遠鏡で見ても恒星は大きくは見えませんが、月や惑星は大きく拡大して見ることができます。

2月の惑星

水星

水星は2月9日に外合となり、太陽の向こう側に位置するため、2月後半にならないとみることができません。
(明るさ-1.0~-1.1等級)

金星

宵の明星として、夕方の南西の空に明るく輝いており、2月15日が最大高度となります。天体望遠鏡で見ると、月と同様にかけた姿で見られます。
(明るさ-4.8~-4.8等級)

火星

1月12日に地球に最接近しますので、とても明るく輝いて見えます。
ふたご座の1等星ポルックスに近い位置なので、明るさの比較をすると火星の方が明るいことに気づきます。他の星に比べて赤く輝いています。天体望遠鏡があれば、表面の模様も観察してみましょう。
(明るさ-1.1~-0.3等級)

木星

西の空では金星が明るく輝き、東天頂付近には木星が煌々と輝いて見えます。
おうし座の角の部分に位置し、1等星のアルデバランも近くに輝いていますから、すぐにみつけることができます。
(-2.4~-2.2等級)

土星

日没時から南西の空に見ることができますが、日々、高度が低くなってきます。天体望遠鏡では細い環を確認できます。
(1.1~1.1等級)

2月の天文情報

(月齢は正午の値)

曜日月齢天文現象など
2.6夕方細い月と土星が接近して見られる(昼間に土星食)
3.6節分 夕方~宵に細い月と金星が接近(南西の空)
4.6立春(二十四節気) 木星とヒヤデス星団が最接近
5.6
6.6上弦の月 天体望遠鏡で月面Xが見られる
7.6月とプレアデス星団が大接近
8.6月と木星が並ぶ
9.6月の赤緯が最北
10.6 月と火星が大接近
1011.6火星食(一部地域のみ)
1112.6建国記念の日
1213.6満月(スノームーン)
1314.6
1415.6
1516.6金星が最大光度
1617.6
1718.6
1819.6雨水(二十四節気) 月の距離が最遠
1920.6
2021.6
2122.6下弦の月
2223.6
2324.6天皇誕生日 月の赤緯が最南
2425.6振替休日
2526.6
2627.6
2728.6
280.1新月
2月の星空案内図
南の星空

背景黒

背景白

北の星空

背景黒

背景白

2月の中旬、午後9時ころの星空です。南の空と北の空の星図がありますので、観察する空の方向によって使い分けましょう。この星図では、月明かりの影響はカットし、月の姿も表現していません。
本コラムの中で使用する星図は、㈱アストロアーツの許諾を受け、天文ソフト「ステラナビゲータ12」を使用しています。
星図をクリックすると大きい星図になりますので、プリントアウトして星座さがしに活用しましょう。
田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男 1953年大分県生まれ
子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、足立区にあるギャラクシティまるちたいけんドーム(プラネタリウム)で星空の案内を行うほか、各地で天文に関する講演会や星空観察会を催している。
さらに、仲間と共同で運営している神津牧場天文台(群馬県下仁田町)では天文台長を務めている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。 茨城県龍ヶ崎市在住。