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ちあきの星空コラム

第277回 夏の星空を楽しもう (2026/08/03)

印象的な宵の明星金星

夕空の西の空に輝く金星(宵の明星)がとても印象的です。
その明るさは1等星よりも明るく、-(マイナス)4等級という他の星とは圧倒的な差があり、煌々(こうこう)と輝く様子はとても印象的です。
金星は8月15日に東方最大離角を迎え、天体望遠鏡で見ると半月状の姿に見えます。
金星はその後、9月19日に最大光度となりますが、その後は急速に高度をさげて、観察できなくなります。
10月24日には太陽と同じ方向に位置する内合となり、11月になると明けの明星として明け方、日の出の前に東の空に見ることができます。
ぜひ、夏から秋にかけて金星の位置を観察してみるいいでしょう。

宵の明星金星7月20日撮影:日没前後の時刻から西の空に見え、圧倒的なその明るさは印象的です

金星の姿は、天体望遠鏡で観察すると、月のように欠けている様子を確認できます

夏の星座と天の川を見よう

夏の星空を見ましょう。
まずは、頭上高く夏の大三角をみつけましょう。
いずれも明るい1等星ですからすぐにみつかることでしょう。
こと座のベガ(織姫星)、わし座のアルタイル(彦星)、はくちょう座のデネブで構成される夏の大三角は都会でも郊外地でも目立つ星ですから、星座早見盤などを使ってさがせば容易にみつけることができます。

今年の5月に群馬県内にある神津牧場天文台から東の空をねらい、夏の大三角を4秒露光で撮影しました。低空(東の空)には、まち明かりの影響から光害(ひかりがい)が写っていますが、高度が高くなるにつれ光害の影響が少なく、天の川を含めて夏の大三角がはっきり表現されました。

海辺や山部での天の川が見られる環境であれば、ベガとアルタイルの間に天の川をみつけることができ、はくちょう座は天の川の中を飛んでいるような位置関係にあります。
この3星と3星座がみつかれば、次はその周辺の星座もさがしてみましょう。
次に、南の空に赤く輝く1等星アンタレスを持つさそり座をさがしてみましょう。
釣り針のように星が連なっているさそり座は、日本でも古来から「釣り針星」、「鯛釣り星」などと呼ばれ親しんできた様子がうかがえます。
付近には、いて座、てんびん座といったお誕生月の星座のほか。へび座やへびつかい座もさがしてみましょう。
天の川が見られる環境での星空ウォッチングでは、天の川が天頂付近にある夏の大三角付近から南にかけて、さそり座といて座の間に注ぎ込む流れのように見られるかもしれません。

ペルセウス座流星群に注目

地球に衝突する宇宙のチリやごみは、毎日、地球に流れ星を見せてくれます。
彗星から巻き散らかされたチリなどは、彗星の軌道上に帯状にあるのですが、地球の軌道がその帯と交わっている箇所に地球が差しかかると多くの流星が見られます。
彗星に由来する多くの流星は流星群と呼ばれ、私たちの目を楽しませてくれます。
今年の8月に見られるペルセウス流星群は、8月12日から13日にかけての夜には数多くの流れ星が見られると予想され、特に今年は、月明かりがなく観測条件が良いといえます。

流星の参考写真(しし座流星群の流星が流れる様子)

8月の惑星

水星

8月2日に西方最大離角を迎えます。明け方の東の空で見られます。
めったに見られない水星の姿を見るチャンスです。早起きしてチャレンジしてみましょう。
(明るさ 0.3等~-1.6等)

金星

宵の明星として煌々と輝いているので、多くの方々の目にふれていることでしょう。8月15日に東方最大離角となります。
天体望遠鏡で見ると三日月状に見えます。
(明るさ -4.3~-4.6等級)

火星

深夜過ぎ、未明の頃には東の空から出現し、赤い輝きを見ることができます。
星座の中を移動していく様子が日々の観察から確認でき、8月は、おうし座からふたご座にかけて移動していきます。
(明るさ 1.3~1.3等級)

木星

7月29日に合となり、位置的には太陽の向こう側に位置しますので、8月になっても太陽に近く観察には不向きです。
(明るさ -1.6~-1.6等級)

土星

深夜になると東の空から昇ってくる様子を見ることができます。
その後、朝まで観測可能ですので、じっくり観察できます。昨年は、環の消失などと騒がれた土星の環は、今年ははっきりと確認できます。
(明るさ 0.6~0.5等級)

8月の天文情報

(月齢は正午の値)

日 曜日 月齢 天文現象など
1 土 17.7 スターウィーク(8/1~8/7星空に親しむ週間)
2 日 18.7 水星が西方最大離角 月が天の赤道を通過、北半球へ
3 月 19.7 月と土星が並ぶ
4 火 20.7 木星とプレセペ星団が最接近
5 水 21.7
6 木 22.7 下弦の月
7 金 23.7 立秋(二十四節気) 月とプレアデス星団が並ぶ
8 土 24.7
9 日 25.7 月の赤緯が最北 細い月と火星が並ぶ
10 月 26.7 月の距離が最近
11 火 27.7 山の日 月が水星に最接近
12 水 28.7 細い月と水星、木星が接近(明け方)
13 木 0.4 新月 ペルセウス座流星群が極大
14 金 1.4
15 土 2.4 金星が東方最大離角
16 日 3.4 細い月と金星が接近(夕方)
17 月 4.4
18 火 5.4
19 水 6.4 伝統的七夕
20 木 7.4 上弦の月(月面Xが見られる)
21 金 8.4
22 土 9.4 月の距離が最遠
23 日 10.4 処暑(二十四節気)
24 月 11.4
25 火 12.4
26 水 13.4
27 木 14.4
28 金 15.4 満月(スタージョンムーン)
29 土 16.4
30 日 17.4 月が赤道を通過、南半球へ
31 月 18.4 月が土星に最接近

8月の星空案内図

南の星空

背景黒

背景白

北の星空

背景黒

背景白

8月の中旬、午後9時ころの星空です。南の空と北の空がありますので、観察する空の方向によって使い分けましょう。この星図では月明かりの影響はカットし、月の姿も表現していません。
本コラムの中で使用する星図は、㈱アストロアーツの許諾を受け、天文ソフト「ステラナビゲータ12」を使用しています。
星図をクリックすると大きい星図になりますので、プリントアウトして星座さがしに活用しましょう。
田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男 1953年大分県生まれ
子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、足立区にあるギャラクシティまるちたいけんドーム(プラネタリウム)で星空の案内を行うほか、各地で天文に関する講演会や星空観察会を催している。
さらに、仲間と共同で運営している神津牧場天文台(群馬県下仁田町)では天文台長を務めている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。 茨城県龍ヶ崎市在住。