ちあきの星空コラム
第279回 秋の星座 (2026/10/02)
秋の四辺形から星座をさがす
すっかり秋になりました。10月の星空は秋の星座でいっぱいです。夏の星空に比べて明るい星が少なく、ちょっとさびしい星空ともいえます。明るい星が少なくても目印となるような星の配列をさがして、秋の星座をさがしていきましょう。
秋の星座の1等星は、南の空に見られるみなみのうお座のフォーマルハウトただひとつだけで、あとは2等星以下の星となります。2等星からみつけると割り切って、2等星の星の配列の中の特徴をとらえて、目じるしの星としましょう。
はじめに4個の2等星で構成されている「秋の四辺形」をみつけましょう。
今年は、土星がうお座の中で輝いていて、1等級の明るさを誇っていますので、南の空の中で目立つ存在となっています。この土星を最初にみつけ、その上部に輝く秋の四辺形をさがすといいでしょう。秋の四辺形がみつかったら、この四辺形はぺガスス座の天馬の胴体の部分ですので、四辺形を頼りに馬の首から頭部にかけての星をみつけ、続いて前足に相当する星をさがしてみましょう。
続いて、秋の四辺形の馬の首と反対側にある四辺形の星からアンドロメダ座をさがしましょう。
さらに、星空案内図にしたがって、四辺形の中の東にある2星から南へ目をやるとくじら座の2等星デネブカイトス(学術名ディフダ)をみつけることができます。
四辺形の反対側(西側)のふたつの星から南へ目をやると、秋の星座の中で唯一の1等星みなみのうお座のフォーマルハウトをみつけることができます。
みなみのうお座とぺガスス座の間にはみずがめ座があります。それ以外の星座は、星空案内図と星空を対比してみつけていくと効率よく星座をさがすことができます。お天気の良い日に星座さがしを楽しみましょう。
エチオピア王家にまつわるギリシャ神話
秋の星座には、ギリシャ神話の「エチオピア王家」のものがたりに登場する星座が多くあります。ぺガスス座、アンドロメダ座、くじら座、ペルセウス座、カシオペヤ座及びケフェウス座がそ登場する星座です。
遠い昔、エチオピア王国のケフェウス王の妻カシオペヤは、自分の娘アンドロメダのことを自慢し、海の神ポセイドンのニンフ(つかえる妖精)たちよりもきれいだと、自慢をしました。
この自慢話が海の神ポセイドンの耳に入ったものですから大変です。ポセイドンは、大そう憤慨し、エチオピアの海岸に化けくじらをつかわし、大暴れをさせました。海岸近くでは津波が発生し多くの被害を出し、漁に出ることもできません。
これに困ったケフェウス王は、国を守るためにはどうしたらいいのか、天の大神ゼウスにたずねたところ、アンドロメダ姫を人質に差し出せば、ことは収まるであろうという回答を得ました。
そこで、王家の中で相談したところ、国の人々が救われるのであれば私が人質になりますとアンドロメダが申し出たのでした。
人質として海岸に鎖でつながれたアンドロメダ姫をねらって、化けくじらが海岸近くまでやってきて今まさに襲わんと近づいてきたときにその様子を空の上から天馬ぺガススにまたがった若者の勇者ペルセウスが発見しました。ペルセウスはすぐさまアンドロメダの救出のために近づき、ちょうどメデューサを退治した帰り際だったので、そのメデューサの首を革袋から取り出し、メデューサの顔を(目を)化けくじらに向けました。メデューサににらまれたものは、たちどころに石と化してしまいます。大きな化けくじらの巨体は、たちまち岩に変わり、海の中に沈んでしまいました。
こうして助かったアンドロメダ姫とエチオピア王国でしたが、のちにペルセウスとめでたく結婚しました。
この物語を頭に浮かべながら、秋の星座たちをゆっくりさがしていくのも楽しいのではないでしょうか。
土星を見る
うお座付近に土星が輝いていますが、この惑星を天体望遠鏡で見ると、環のついた不思議な形に見えます。
近くで天体観望会などのイベントがあれば、参加して土星の姿を見てみましょう。
昨年の土星は、環を真横から眺めるような地球と土星の位置関係にありましたが、今年は少し斜めからの土星を見ていますので、写真のような姿となっています。
天体望遠鏡で眺めると、その神秘的な姿に感動することでしょう。
10月の惑星
水星
10月12日に東方最大離角となり、夕方の西の空に輝きます。
地球から見て太陽の通り道である黄道(黄道)での位置がてんびん座付近で高度はあまり高くなりませんが、ぜひみつけましょう。
(-0.1等~2.7等)
金星
夕方の西の空で宵の明星として明るく輝いていますが、日を追って高度が低くなります。
10月24日には内合となり、太陽と地球の間にはさまれた位置となりますから太陽の光にさえぎられて観測はできなくなります。
(明るさ-4.7~-4.2等級)
火星
夜半を過ぎるころに東の空に見られ、夜明けまで観測可能です。
かに座の中にあります。
(明るさ1.1~0.9等級)
木星
夜半を過ぎるころに東の空に姿を見せ、夜明けまで観測可能です。
しし座の中にあります。
(-1.7~-1.9等級)
土星
観測の好機をむかえ、10月4日に衝(「しょう」地球から見て太陽と反対側になるときのこと)となり、一晩中見ることができます。
位置は、うお座付近にあります(厳密にいうと、くじら座の領域にあります)。
天体望遠鏡で観測すれば環の存在もはっきり確認できます。
(0.3~0.5等級)
10月の天文情報
(月齢は正午の値)
| 日 | 曜日 | 月齢 | 天文現象など |
| 1 | 木 | 20.0 | |
| 2 | 金 | 20.4 | 月の距離が最近 月の赤緯が最北 |
| 3 | 土 | 21.4 | 下弦の月 |
| 4 | 日 | 22.4 | |
| 5 | 月 | 23.4 | 土星が衝 |
| 6 | 火 | 24.4 | 月と火星が並ぶ |
| 7 | 水 | 25.4 | 細い月と木星が接近(明け方) |
| 8 | 木 | 26.4 | 寒露(二十四節気) |
| 9 | 金 | 27.4 | 月が天の赤道を通過 南半球へ |
| 10 | 土 | 28.4 | |
| 11 | 日 | 0.5 | 新月 火星とプレセペ星団が最接近 |
| 12 | 月 | 1.5 | スポーツの日 水星が東方最大離角 |
| 13 | 火 | 2.5 | 細い月と水星が大接近(夕方) |
| 14 | 水 | 3.5 | |
| 15 | 木 | 4.5 | |
| 16 | 金 | 5.5 | 月の赤緯が最南 |
| 17 | 土 | 6.5 | 月の距離が最遠 |
| 18 | 日 | 7.5 | 月面Xが見える |
| 19 | 月 | 8.5 | 上弦の月 |
| 20 | 火 | 9.5 | 秋の土用 |
| 21 | 水 | 10.5 | |
| 22 | 木 | 11.5 | オリオン座流星群が極大 |
| 23 | 金 | 12.5 | 霜降(二十四節気) 後の月(十三夜) 月が赤道を通過,北半球へ |
| 24 | 土 | 13.5 | 月と土星が接近 |
| 25 | 日 | 14.5 | |
| 26 | 月 | 15.5 | 満月(ハンターズムーン) |
| 27 | 火 | 16.5 | |
| 28 | 水 | 17.5 | |
| 29 | 木 | 18.5 | 月の距離が最近 |
| 30 | 金 | 19.5 | 月の赤緯が最北 |
| 31 | 土 | 20.5 |
10月の星空案内図
南の星空
北の星空
この星図では月明かりの影響はカットし、月の姿も表現していません。
本コラムの中で使用する星図は、㈱アストロアーツの許諾を受け、天文ソフト「ステラナビゲータ12」を使用しています。
星図をクリックすると大きい星図になりますので、プリントアウトして星座さがしに活用しましょう。
田中千秋(たなかちあき) 男 1953年大分県生まれ
子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、足立区にあるギャラクシティまるちたいけんドーム(プラネタリウム)で星空の案内を行うほか、各地で天文に関する講演会や星空観察会を催している。
さらに、仲間と共同で運営している神津牧場天文台(群馬県下仁田町)では天文台長を務めている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。 茨城県龍ヶ崎市在住。





