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ちあきの星空コラム 田中千秋(たなかちあき)

第3回 秋の星座神話ものがたり

秋の星座は神話の宝庫

先月は、秋の星座の解説を少しお話ししましたが、今月はその続きとして秋の星座にまつわるギリシア神話をお話しします。
神話に登場する人物などと、じっさいの星座を結びつけて見つけられるようになれば、一人前の星見人(ホシミスト)といえます。

エチオピア王国のものがたり

ギリシア神話に登場するエチオピア王国(現在のエチオピアとは国の範囲等が異なります。)の王様の名は、ケフェウスといいます。星座は夏の代表的な星座のはくちょう座の北側に位置し、星の配列が5角形のケフェウス座といいます。王妃はカシオペヤ。WまたはM形の5個の星の配列から誰にでも簡単に見つけられるカシオペヤ座です。王女はアンドロメダ姫。有名なM31アンドロメダ銀河があるアンドロメダ座です。
ものがたりはカシオペアヤ王妃の娘自慢からはじまります。王妃が「我が娘は海の妖精の姉妹よりも美しい」といってしまったからさあ大変です。海の神は怒り、大津波を起こしたり海の怪物を出没させたりして国中が荒れ、大騒ぎとなってしまいました。
王様は神にお伺いを立てたところポセイドン海神は、アンドロメダ王女を人身御供とすれば国は救われると告げました。かわいそうにアンドロメダ王女は海岸で鎖につながれ、化け物のくじら(くじら座)の餌食にされてしまいます。
化けくじらが現れ、まさしくアンドロメダ王女を襲おうとするそのとき、天馬ペガサス(ペガスス座)にまたがり、空を駆ける勇者ペルセウス(ペルセウス座)が登場し、化けくじらを退治してくれます。
この後、ペルセウスはアンドロメダ王女と結婚しました。
日本の神話にも内容が似たお話しがありますね。シルクロードを経由してものがたりが伝わったということはあるのでしょうか?興味深いところです。

秋の星座をじっさいに見つける

まず、北の空からたどっていくと、神話のものがたりでお話ししましたように、ケフェウス座、カシオペヤ座、ペルセウス座、アンドロメダ座、ケフェウス座などを見つけることができます。
つぎに、南の空を眺めてみると、南の空には1等星がひとつ。南のひとつ星と呼ばれるみなみのうお座のフォーマルハウトです。ほかに南の空には、火星が現在輝いているみずがめ座それから、やぎ座、うお座、くじら座、ペガスス座、おひつじ座などを見つけることができることでしょう。
ぜひ、本物の星空で見つけてみましょう。
星座のそれぞれの位置は、下に掲げる星座図をご覧ください。

この星図は、(株)アスキー、(株)アストロアーツの許諾を受け、天文シミュレーションソフト
「ステラナビゲータVer.5」から出力し、加工したものを使用しています。

火星その後

火星は8月27日の大接近を過ぎてだんだんと地球から遠ざかりつつありますが、まだ、天体望遠鏡を使えば表面の模様もはっきりと確認することができます。
つくば市内や付近の市町村内で天体観望会が行なわれることがあれば、行ってみるといいでしょう。インターネットの検索エンジンで「天体観望会」の名称で検索してみるといいでしょう。なお、火星は、概ね10月いっぱいは、天体望遠鏡で楽しむことができます。

9月の火星(鴨川天体観測所 首藤謙一氏撮影)


星の情報検索

星に関する情報は、このコラムのほか、次のホームページにアクセスしてみるといいでしょう。国立天文台では、広報普及室をもうけ、広く情報を公開しています。
また、田中千秋のホームページは私の情報が満載されています。ぜひアクセスしてください。

国立天文台広報普及室(URL http://www.nao.ac.jp/pio/
田中千秋のホームページ(URL http://www.lcv.ne.jp/~kasugahi/tanaka/

2003年10月6日

田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ

子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。

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