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ちあきの星空コラム 田中千秋(たなかちあき)

第6回 土星を見よう

土星が見頃

土星 昨年は火星の大接近が話題となりましたが、今年の冬は土星が見頃です。
土星は、ほかの惑星とはちがって、環を持ったユーモラスな姿として見ることができますので、興味津々このコラムに関心のある方なら一度はその姿を天体望遠鏡で見てみたいと思われることでしょう。
UFOにも似たその姿は、写真などでご存じのとおりですが、小型の天体望遠鏡でもはっきりとその環の姿を確認できます。

じっさいに土星を見る

土星はどこに見えるのでしょうか?
土星のある位置を把握し、それを見つけられなければ天体望遠鏡を向けることができません。星座早見盤や星図を使ってじっさいの夜空で、まず、ふたご座をさがしてみましょう。みつかったら、ふたご座の中にふたご座の星以外のとても明るい星が輝いているのがわかります。それが土星です。
天体望遠鏡で見ると大気の揺らぎ現象と合わせて土星の姿が見られます。
私の40年の星見人生においても土星を初めて見たときほどの大きな驚きと感動はありませんでした。その後のどの天体を見たときの感動も及ばないほどの衝撃を受けました。
天体望遠鏡を持っていない方も科学館などの天体観望会に出かければ、見ることができます。このコラムのバックナンバー(第4回)を見ていただければ、観望会を開いてくれる機関や会が載っていますので、問い合わせてみるといいでしょう。

冬の星座をしっかり見つける

昨年12月のコラムで冬の星座に見られる1等星の問題を出題しましたが、おわかりになりましたでしょうか?
答えは下図(1月の星空)の中に青及び赤線で記入しています。
天に大きな三角形と六角形を描くことができるのです。このようにして本物の星空で星や星座を見つけていけば、しっかり星座を見つけられるようになります。

1月の星空

1月の星空

この星図は、(株)アスキー、(株)アストロアーツの許諾を受け、天文シミュレーションソフト 「ステラナビゲータVer.5」から出力し、加工したものを使用しています。

星の情報検索

星に関する情報は、このコラムのほか、いくつもホームページが開設されています。検索エンジンで探してみましょう。
天文雑誌の月刊「天文ガイド」では最新号の案内や星空のガイドなど、星の情報を載せたホームページを開設しています。
また、田中千秋のホームページは私の情報が満載されています。昨年末にはプライベート写真帳など内容を更新しました。ぜひアクセスしてください。

月刊天文ガイドのHP(URL http://www.temmon.net/
田中千秋のHP(URL http://www.lcv.ne.jp/~kasugahi/tanaka/

2004年1月5日

田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ

子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。