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ちあきの星空コラム 田中千秋(たなかちあき)

第7回 双眼鏡で星を見る

冬の星空は・・・

冬の星空は、ある程度光害のある住宅地などでも美しく見ることができます。
というのは冬空は、他の季節に比べて最も空気が澄んでいて、さらに明るい星々が夜空に見られる時期だからなのです。
1等星以上の明るい星が7個も輝いている上に、ふたご座には土星も輝き、星空を眺めていると寒さを忘れて見入ってしまうほどの美しさです。
特に、おおいぬ座のシリウスは、マイナス1等星という明るさで、全天で最も明るく輝いて見える恒星です。オリオン座に続いて、夕方の東の空から昇ってくる様をぜひごらんになってください。

双眼鏡で星を見る

星空は肉眼で眺めることによって、星座を見つけ、星の色の違いや配列のおもしろさなどを楽しむことができますが、もし、あなたが双眼鏡をお持ちでしたら、それを利用して星を眺めてみましょう。
「えっ!天体望遠鏡を使うんじゃないの?」と問われそうですが、もちろん天体望遠鏡は星を見るための専用の道具ですからそれは有効ですが、今回は、手近にある双眼鏡を使って星空にそのレンズを向けてみることにします。
星はどのように見えるでしょうか。大きく見えるのでしょうか?実は、星は大きく見えませんが、明るく、しかも肉眼で見えない暗い星まで見ることができます。もちろん明るい星の色は肉眼以上にはっきり明瞭に見分けることができるのです。

最初に、おうし座の散開星団昴(すばる)に双眼鏡を向けてみましょう。
肉眼では、6個しか見えなかったこの星の集団が、数十個の星の集団であることを発見できます。付近のヒアデス星団を見てみましょう。V字型に並んだ星の配列がはっきり確認できます。
次にオリオン座の中の三つ星の下にある小三つ星の真ん中の星に双眼鏡を向けてみましょう。これが有名なオリオン大星雲M42なのですが、ボヤーとした星雲の輝きをとらえることができ、宇宙の雲を見ることができるわけです。今までに見たことがない不思議な光景を見ることができます
ほかに、ふたご座の中の散開星団M35やぎょしゃ座の散開星団M36,M37,M38なども双眼鏡があれば見つけることができるのです。

肉眼で見えなかったものが、見られる喜びは、体験した人だけが得られる充実感です。
双眼鏡がおうちにあれば、すぐにでも試してみてください。

2月の星空

この星図は、(株)アスキー、(株)アストロアーツの許諾を受け、天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータVer.5」から出力し、加工したものを使用しています。

星の情報検索

星に関する情報は、このコラムのほか、いくつもホームページが開設されていますので、検索エンジンで探してみましょう。
天文雑誌の月刊「天文ガイド」では最新号の案内や星空のガイドなど、星の情報を載せたホームページを開設しています。
また、月刊「星ナビ」を編集しているアストロアーツのホームページは多くの天文情報を掲載し、天文に関するリンクもあります。ぜひアクセスしてください。

月刊天文ガイドのHP(URL http://www.temmon.net/
アストロアーツのHP(URL http://www.astroarts.co.jp/

2004年2月2日

田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ

子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。

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