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ちあきの星空コラム 田中千秋(たなかちあき)

第8回 春の星座

星のきらめき

この星空コラムも回を重ねてきましたが、お読みいただいて実際の星空を眺められていますでしょうか?
夜は3月に入ってもまだ寒く、星見もちょっと大変ですが、ベランダなどから少しの時間でも星空を実際に眺めてみましょう。よく見ると星々は、きらきらとまたたきながら輝いていることに気がつきます。明るい星ほどそのきらきらした様子がはっきりわかり、ただ単に輝いているよりも、このまたたきによって星の美しさが協調されているのがわかります。

春の星座をさがす

3月に入っても夕方の星空では冬の星座がしっかりと輝き、春の星座はまだみることができません。でも、刻々と時間がたち、深夜に向かうにしたがって、東の空から春の星座が昇ってきて天上を闊歩しはじめます。

春の代表的な星座をご紹介しますと、ふたご座の東側にあるかに座、南の空にうみへび座、コップ座それからからす座などが見られます。
北の空では北斗七星を含むおおぐま座、おおぐまのしっぽの先からしっぽのカーブに合わせて南の方に伸ばしていくと見つかるうしかい座、さらにそのカーブを延長するとおとめ座に到達します。
ほかに春の代表格といえるしし座や星がごちゃごちゃと集まっているように見られるかみのけ座などがあります。
1等星は、しし座のレグルス、おとめ座のスピカそれからうしかい座のアルクトウルスの3個があります。

夏の星座や冬の星座に大三角形というのがありましたが、春にも大三角形があります。春の大三角形は、スピカとアルクトウルスともう一つはしし座のしっぽの部分の星デネボラ(2等星)を結ぶとできます。ほぼ正三角形の星の配列なので、これを覚えれば星や星座を見つけるのが容易になります。
ぜひ本物の星空でさがしてみてください。

昇るしし座
昇るしし座 (露出5分)

3月の星空

3月の星空

この星図は、(株)アスキー、(株)アストロアーツの許諾を受け、天文シミュレーションソフト
「ステラナビゲータVer.5」から出力し、加工したものを使用しています。

星の情報

星に関する情報は、このコラムのほか、月刊の天文誌が発行されています。毎月の星空の案内のほか、天体写真や星の物語、宇宙に関する情報など幅広く知識を身につけることができます。

誌名 発行所 定価 発売日 内容の特徴など
星ナビ アスキー 705円
(税別)
毎月5日 宇宙開発や星物語のほか、
天文マニアの取材記事
なども充実
天文ガイド 誠文堂新光社 700円 毎月5日 アマチュア天文家の必読
書、天体写真や自作記事
が充実
月刊天文 地人書館 650円 毎月1日 天文雑誌の老舗。豊富な
記事と機材のメカニズ
ム記事などがおもしろい

2004年3月1日

田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ

子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。