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ちあきの星空コラム 田中千秋(たなかちあき)

第9回 木星を見る

輝く星

夕方の西空には宵の明星が明々と輝いています。帰宅時にその美しい輝きを見つけられた方も多いことと思います。
ところが、最近、「夕空の東にも明るい星が輝いていますが、これは何ですか?」という問い合わせが多く来るようになりました。
西と東に対抗するように輝くこの2星は、西が金星、東が木星です。
金星は地球に最も近いところにある惑星ですから当然ながら明るく見えますが、木星は地球からはなれているもののその直径が地球の11倍もあるために明るく見えるのです。

木星を天体望遠鏡で見る

木星 4月は、木星観測の好機です。ぜひ天体望遠鏡でながめてみましょう。
天体望遠鏡は、比較的小型の口径6センチクラス屈折式のものでも、レンズ性能さえしっかりしていれば木星の表面に見られる縞模様を確認することができます。もちろんガリレオ・ガリレイが発見した4個の衛星(イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト)のすべてが見られます。

1994年7月には、SL第9彗星が分裂して複数個、この木星に衝突しましたが、このときには木星の表面にぶつかった痕跡が確認されました。木星の表面は主にメタンなどの大気に覆われていますので、地表は見られません。天体望遠鏡で見える縞模様は大気表面の模様なのです。

ご自宅に天体望遠鏡がない方も、つくばエキスポセンターや国立科学博物館筑波実験植物園などで天体観望会を開催しますので、そうしたものに参加して解説を受けながら観望するといいでしょう。
(連絡先は、バックナンバー第4回11月号を参照してください)

4月の星空

4月の星図

↑クリックすると、星図が変わります。

この星図は、(株)アスキー、(株)アストロアーツの許諾を受け、天文シミュレーションソフト
「ステラナビゲータVer.5」から出力し、加工したものを使用しています。

星の年鑑

星に関する年鑑は、一年間の天文現象や天体に関する多くの情報が掲載されています。以下に4冊ご紹介しますが、それぞれに個性があり、書店で内容を確認の上、ご自分の好みに応じて選ぶのが良いでしょう。

誌名 発行所 定価(消費税別) 内容の特徴など
星空年鑑2004 アスキー
1300円
パソコンを活用するCDが付録についている。誌面はビジュアルな内容が特徴
天文年鑑2004年版 誠文堂新光社
900円
専門の年鑑として長年の実績に支えられた定評を持つ年鑑
天文観測年表2004 地人書館
2600円
詳細なデータをもつ年表。アマチュア天文家なども必読している
理科年表平成16年版 丸善
1400円
国立天文台の編集であるが、天文だけでなく物理や地学など多岐にわたっている

2004年4月5日

田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ

子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。

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