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ちあきの星空コラム 田中千秋(たなかちあき)

第10回 彗星出現

輝く星

今年の5月には、彗星が2個、地球に接近します。
その名前は、ニート彗星とリニア彗星です。いずれもアメリカにおける天体捜索プロジェクトが発見し、そのプロジェクト名を冠した名称となっています。
彗星は、ハレー彗星に代表されるようにその姿は、長く尾を伸ばした姿として肉眼でとらえることができるものがあります。
今回の両彗星は、いずれも肉眼で見ることができる1〜3等級の明るさになることが予想されていますので楽しみです。

ニート彗星は夕方の西空に5月初旬から見える

彗星をさがすには、天体望遠鏡は必要ありません。倍率7倍前後、口径4〜5センチの双眼鏡があれば十分に見つけることができます。
5月4〜6日ころは日没後1時間たって空が暗くなり始めた頃、南西の空、高度角10度(水平から10度あがった角度)くらいの位置、おおいぬ座のもっとも明るい星シリウスの左側のあたりを双眼鏡で探してみてください。
星のようにきらりと輝かなくて、ボーと雲のような姿に見えるのが彗星です。本体から尾は左上の方向に伸びていることでしょう。明るさは1等級(1等星の星よりはやや暗く感じるかもしれませんが)程度まで明るくなることが期待されています。
5月15日には、高度が高くなり、かに座のプレセペ星団M44のすぐ近くを通りますので、双眼鏡の視野の中で星団と彗星を一度に観察できることでしょう。


5月下旬はリニアとニートのツーショットが見られるか?

5月下旬になりますと4月下旬に明け方の東の空で見られたリニア彗星も夕方の西の空で見られることとなり、ニート彗星と併せてツーショットが見られるかもしれません。
5月25日頃、ニート彗星は日没1時間後の空では、かに座からさらに高く、西の空の高度角50度くらいの高い位置に見られ、リニア彗星は、西南西の高度角7度くらいの低空に1等級の明るい彗星として見られることでしょう。

天体望遠鏡では見られないの?

彗星を見つけるのには双眼鏡が適していると述べましたが、天体望遠鏡では見られないのかという疑問もあることと思います。天体望遠鏡でももちろんこの二つの彗星を観測することはできます。ただし、倍率は高くしないで20〜30倍程度の低倍率で観察するといいでしょう。
1997年にヘール・ボップ彗星が夕空に見られましたが、実際には見られなかった方が多かったことと思われますので今回はお見逃しなく、必ず見つけましょう。

池谷・張彗星
↑池谷・張彗星
ヘールボップ彗星
↑ヘールボップ彗星

5月の星空

5月の星図

↑クリックすると、星図が変わります。

この星図は、(株)アスキー、(株)アストロアーツの許諾を受け、天文シミュレーションソフト
「ステラナビゲータVer.5」から出力し、加工したものを使用しています。

星の情報検索

彗星に関する情報は、WEB上では検索エンジンを使えばいくつも見つけられます。
最新の情報をつかむには、アストロアーツのホームページが毎日情報が更新されていて最適です。また、過去に現れた彗星の写真を私のホームページでは、WEB天体写真展として公開しています。ぜひアクセスしてください。

アストロアーツのホームページ(URL http://www.astroarts.co.jp/
田中千秋のHP(URL http://www.lcv.ne.jp/~kasugahi/tanaka/

2004年4月30日

田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ

子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。

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