第12回 七夕の星
七夕ものがたりと天の川
7月7日は七夕(たなばた)の日といわれています。読者の方々も、こどもの頃に笹竹に願い事の短冊や折り紙による飾り付けなどをした記憶があるのではないでしょうか。
七夕の行事は、多くの方々が経験されているのですが、七夕の星をじっさいに見たり、天の川を鑑賞したことのある方は案外少ないのではないでしょうか。
これは、7月7日ではまだ梅雨が明けていない年が多いことに起因していると思います。そこで、東北仙台では、月遅れの8月7日前後を七夕祭りにあてています。お盆も月遅れで行事としているところが多いので、あまり不自然には感じていないようですが、関東ではやはり7月7日が主流でしょうね。今年は天気はどうでしょうか?
七夕の星、すなわち織女星(おりひめぼし=こと座のベガ)と牽牛星(ひこぼし=わし座のアルタイル)は、天の川を隔ててお互いが対岸にいるわけですが、七夕の日に本当に近づき合うのでしょうか?
お互いの星同士が接近しあうと思いこんでいる方もいらっしゃいますが、実はこの両星が接近しあうといったことはありません。あくまでも昔からの伝説のお話しとして、1年に一度の再会を果たすということになっているのです。
実際の星空では、天の川をはさんで輝くこの二つの星を鑑賞することが楽しみになるといえます。
こと座とわし座
七夕の星は、前に述べていますとおり、こと座のベガとわし座のアルタイルですが、このふたつの星は真夏の夜に輝く夏の大三角を構成する星なのです。このふたつの星に、はくちょう座のデネブを加えると大三角のできあがりです。
写真をごらんください。天の川をはさんで、たしかにふたつの星が輝いている様子がわかると思います。

↑ 夏の大三角(2004年 神津牧場で撮影)
天の川をじっさいに見る
ところが、ふたつの星、ないしはデネブを加えた大三角は見ることができても天の川はつくばでは簡単には見つけられません。高原などにでかければ見やすくなりますが、つくばでは光害(ひかりがい)が強く、もし、どうしても見たいと思ったら。快晴の月明かりのない夜に筑波山や加波山系の光害の少ないところでチャレンジしてみてください。
茨城県内では、美和村や里見村などの天文台施設のあるところで見るという手もあります。双眼鏡を使えば天の川が砂粒のような多くの星々で構成されているということがわかると思います。
7月の星空
↑クリックすると、星図が変わります。
|
この星図は、(株)アスキー、(株)アストロアーツの許諾を受け、天文シミュレーションソフト
「ステラナビゲータVer.5」から出力し、加工したものを使用しています。
|
この夏、星の宿に泊まる
夏休みを利用して、高原の空気が澄んだところで満天の星を見たい。できれば天体望遠鏡で天体観測をしたいとお思いの方がいらっしゃることと思います。
そこで、関東周辺で宿泊できる天文台付きの星の宿をご紹介します。いずれも立派な天体望遠鏡を有した施設です。ぜひ、美しい星空に接してください。(いずれの宿も夏休み期間は満室が予想されますので、早めの予約が必要になります。)
名 称 |
住 所 |
電話番号 |
観測施設 |
ペンション
どんぐり |
969-2701 福島県耶麻郡
北塩原村大字桧原字曽原山1096 |
0241-32-2709 |
26センチ
反射望遠鏡 |
西川ペンション
星の宿 |
389-0501 長野県東御市奈良原1698 |
0268-62-2224 |
31センチ
反射望遠鏡 |
ペンション
スケッチブック |
407-0301 山梨県北巨摩郡
高根町清里3466-238 |
0551-48-3337 |
35センチ
反射望遠鏡 |
プラトー
里見 |
311-0501 茨城県久慈郡
里美村里川863-35 |
0294-82-4221 |
20センチ
屈折望遠鏡 |
2004年7月5日
|