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ちあきの星空コラム 田中千秋(たなかちあき)

第17回 すばるを見つける

すばるは何座?

「すばる」という名前は良く耳にしますが、実はこれは何なのでしょう。
すばるって車の名前じゃないの?とか、日本の国立天文台がハワイ島のマウナケア山頂につくった巨大天体望遠鏡の名称でしょとか、あるいは、谷村新司の名曲「昴」じゃないのといった答えも返ってきます。これらの名前はすべて、星空に輝く「昴(すばる)」からの銘々であって、あくまでも元となったのは、星のすばるなのです。
しかし、すばるは星座名ではありません。星座でいうとおうし座の一部で、おうし(雄牛)の心臓にあたるところにある星の集団で、西洋名は、プレヤデス星団と呼ばれている散開(さんかい)星団のことなのです。プレヤデスは、ギリシヤ神話では7人の姉妹ということになっています。
日本では、清少納言の枕草子の中に登場します。その中では、星の中では昴がもっとも趣があって良いという主旨のことが述べられています。
そういうことから、すばるは和名で、歴史的にも古くから注目されていた星の集団だったといえます。

すばる
東の空から昇るすばる

すばるを見つける

すばるは、普通には星6個の集団のように見えますが、視力の良い人ですと、7個とか9個とか見えるといわれています。天体望遠鏡で見ると、100個以上の星が集まっている集団であることがわかります。
木枯らしの吹く12月には、夕方の東の空にすばる(昴)が他の星とは異なって、星の集団として昇ってきますので、一度、「この星がそうだ!」と認識すれば、それ以降は、簡単にわかるようになります。
最初のすばるウオッチングでは、星図(下図参照)と照らし合わせながら明るい星との位置関係を照らし合わせながら、すばるにたどりつくようにするといいでしょう。
星図のほかに、方位磁石と双眼鏡などもあるといいでしょう。星図と併せて写真も参考にしてください。

12月の星空

12月の星空

クリックすると、星図が変わります。

この星図は、(株)アスキー、(株)アストロアーツの許諾を受け、天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータVer.5」から出力し、加工したものを使用しています


マックホルツ彗星が見えています

12月から1月にかけて観測できる彗星

アメリカ合衆国のドナルド・エドワード・マックホルツ氏によって、今年の8月27日に発見されたマックホルツ彗星は、今月から来年の1月にかけて比較的明るくなり、双眼鏡程度の装備で充分観測できるようになります。
最も地球に接近するのは、来年の1月上旬ですが、12月時点で既にその光度(明るさ)は、4等星くらいに達していて、1月には3等星まで明るくなることでしょう。
彗星の見られる方向は、12月にはエリダヌス座付近にあり、1月上旬にはおうし座、1月中旬から下旬にかけてはペルセウス座付近に見つけることができます。
くわしくは、アストロアーツのホームページ http://www.astroarts.co.jp/ を参照してください。
私は、一足お先に神津牧場天文台で11月20日に写真に撮ってきましたので、ご披露します。
みなさんも神秘的な彗星の姿を見つけられることを期待しています。
マックホルツ彗星
明るくなってきたマックホルツ彗星

2004年12月6日

田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ

子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。

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