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ちあきの星空コラム 田中千秋(たなかちあき)

第20回 星空の動き

冬の星座が夕刻から天高く見られる3月となりました。夜半になると、もう春の星座で全天が埋めつくされ、冬の星座は西空から地平線へ徐々に沈んでいきます。
星空の運行は、地球の自転によって東から西へ移動していきます。それは太陽や月と同様といえますが、星は空の全域にあるため、星の動きは東西だけでなく、北にも南にも見られます。
東西南北の星の動きは、次のようになります。
東の星は地上から昇ってくるように見られ、西の星は地平線に沈んでいくように見られます。北の空では、星が反時計回りに1日に一周します。南の空では大きな弧を描いて左から右へ(東の方から西の方へ)移動していきます。


1)東の空からは星が昇ってくるように見られます。


2)西の空では星が沈んでいくように見られます。

3)北の空では星は約24時間で1回転します。

4)南の空では大きな弧を描いて東側から西の方へ星が移動していきます。

この星の移動は、主に1日に1回転する地球の自転によって見られる見かけ上の運動ですから、移動はゆっくりしていて、ちょっと見ただけではその運動はわかりませんが、地平線に近い星や木立のそばに見られる星で数分間隔おいて位置をたしかめてみると、わずかに動いたことが確認できます。

北の空にカメラを向けて数分以上露出すると星の動きがこの写真のように写ります。
皆様も実際に撮影してためしてみては?

土星観測と天体望遠鏡

土星は今、ふたご座にあります。3月12日午後9時ころですと、天頂に近く、高い空にみつけることができます。天頂付近でもっとも明るく、かつ、星座をかたちづくる恒星のようにまたたいていない星が土星ですから、比較的みつけやすいことでしょう。
星図をたよりに、ふたご座からみつけると間違わずにみつけることができるでしょう。
この土星は、肉眼では輝く星にしか見えませんが、天体望遠鏡を使えば本体の周囲に見える環(リング)の存在もはっきり見ることができます。
天体望遠鏡が高性能ですとさらにリングの中に濃淡が認められ、写真で示すようにカッシーニの隙間が見られます。


土星の環(リング)は、小さなゴミや塵のような物質でできています。土星の衛星タイタンに今年、観測船が到着しましたが、そこからは土星はどんな大きさに見えたのでしょうか?

天体望遠鏡で見る空は、地球大気の影響で星の像にゆらぎが生じて細部が認められないときもありますが、ゆらぎの少ない日にはこのカッシーニの隙間がはっきり確認できます。
このカッシーニの隙間がはっきり認められる天体望遠鏡は、天体観測をおこなう観測機器として一人前といえるでしょう。
天体望遠鏡を持ってなくても、各地でおこなわれる天体観望会をのがさず、参加されてぜひ、土星の姿をご自分の眼で確かめてください。感動ものですよ!

3月の星空

3月の星空

クリックすると、星図が変わります。

この星図は、(株)アスキー、(株)アストロアーツの許諾を受け、天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータVer.5」から出力し、加工したものを使用しています

2005年3月7日

田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ

子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。

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