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ちあきの星空コラム 田中千秋(たなかちあき)

第39回 中秋の名月

10月6日は中秋の名月

今年もお月見の季節となりました。今年の中秋の名月は今月の6日(金)で、夕空の東の空から丸いお月さんが昇ってくる様子を、すすきやお団子をお供えしておまつりするという風習が古くからあります。
しかし、昨今の都会生活(つくばも都会になりましたね)、特に団地やマンションのベランダから眺める月はかつての風情とは雰囲気が異なることと思います。それでもベランダにススキだけでもお供えして月を眺めるだけでも、現代なりの風流が楽しめることと思いますので、ぜひ、晴れたら中秋の名月を眺めてみましょう。
なお、今月の満月は10月7日で、中秋の名月とは1日ずれていますが、これは、旧暦のこよみと月齢が1日ずれているためにこうした誤差が生じています。まあ、6日に月が見られなかったら、7日に見ればいいかといった気楽な気持ちでながめればいいのではないでしょうか。

マンションから昇る満月
マンションから昇る満月

10月の星座案内

カシオペヤ座の写真
カシオペヤ座の写真

カシオペヤ座の星座絵
カシオペヤ座の星座絵

10月に入ると晴天率が上がり、澄んだ空気と秋の夜長で、星空を見るのに適しています。この季節は夜でもまだ、さほど寒くもありませんので、月明かりのない夜を選んで、ぜひ秋の星座探しにチャレンジしてみましょう。今月は11日頃から25日頃までが月明かりの影響の少ないスターウオッチングに適した日程となっています。
秋の星空は、眺めるだけでも「ああ、美しい!」といった感動がありますが、さらに、星座をみつけたりすることができたら、充実したスターウオッチングとなることでしょう。
今月に見られる星座ですが、夕方から午後8時過ぎころまでは、まだ天頂付近には夏の大三角が見られ、それが西空に傾いて時刻の経過とともに西の地平線に沈んでいきます。
夏の星座に見られる天の川を天頂から北の方角にたどっていくと、アルファベットのWの文字に似たカシオペヤ座を見つけることができます。カシオペヤは西洋の神話ではエチオピア王家の女王の名前であり、星座絵もいすに腰掛けた女王の絵姿で表されています。
エチオピア王家の物語には秋の星座がたくさん登場してきますが、これはバックナンバー3(2003年10月)をご覧ください。
カシオペヤ座以外の星座も下に掲げる星図(背景白)をプリントアウトしてみつけましょう。秋の星座には1等星がみなみのうお座のフォーマルハウトただひとつで、それ以外は2等星以下の星で構成されていますので、みつけるのにちょっと苦労することもあるかもしれませんが、ペガスス座の秋の四辺形を中心に各星座をみつけていけば以外と容易にみつけることができるかもしれません。

10月の星座案内図

星図(白地)
白地星図
星図(黒地)
黒地星図

※それぞれの図をクリックすると、大きい星図に変わります。印刷される場合は、A4用紙を横にしてください。

※この星図は、株式会社アストロアーツの天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータVer.7」から出力し、加工したものを使用しています。

星空を唄うユニット−アクアマリン−

秋になり、芸術の秋とかスポーツの秋とか呼ばれ、あらゆる分野で充実して活動ができる季節ですが、天体観測においても秋の夜は空気が澄んで、美しい星空が見られ、星見の秋ともいえます。
ところで、最近、この美しい星空をテーマに澄んだ歌声で数多くの歌を発表しているアクアマリンというユニットが星まつりなどで注目を集めています。
毎年、8月の第1週をスターウイークと定め、星に関する活動を支援している国立天文台では、このスターウイークのテーマソングとして、アクアマリンの合唱曲「COSMOS」を指定しています。また、全国の小中学校の合唱曲としてもこのコスモスが静かなブームを巻き起こしています。
じっさいにアクアマリンのコンサートでこの「COSMOS」を聴いてみると、女性ボーカリストSachikoさんの透き通る歌声にマッチしたとてもすてきな曲で、今年の8月8日におこなわれた仙台市天文台(プラネタリウム室)でのコンサートを聴きに出かけた私は、感動で身震いがしたほどです。
私はこのアクアマリンの追っかけをやっているわけではありませんが、今年は8月4,5日に長野県原村での原村星まつり、8月8日仙台市天文台、8月19、20日富士山御殿場登山口スターウオッチング、8月27日新潟県胎内市での胎内星まつり、そして9月30日は福島県石川町でおこなわれたスターライトフェスティバルでアクアマリンのコンサートを堪能しました。
アクアマリンは活動をはじめてすでに6年が経過し、CDアルバムも数枚発売されています。詳しくお知りになりたい方は、アクアマリンの公式ホームページをご覧ください。また、CDのお求めは、通販となり、直接アクアマリンのホームページから申し込むか、月刊天文雑誌「星ナビ」(アスキー出版局発行)のアストロアーツオンラインショップで購入することができます。

アクアマリン公式ホームページ
http://www.aqumari.com

アストロアーツオンラインショップ
http://shop.astroarts.co.jp/

天の川の見える星空
天の川の見える星空

マンションから昇る満月
アクアマリン
星まつりにおける野外での
アクアマリンのコンサートの様子。
ボーカルがSachiko、
演奏や作詞作曲が「ミマス」

2006年10月2日

田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ

子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。