金星(欠けた様子)
現在、公転している金星がだんだんと地球に近づいてきているところで、8月16日の内合になる前の8月初めころまで夕空に見られ、天体望遠鏡ではこの写真のような細い月のような姿に見えます。
昼間の金星を見る
先月、千葉県鴨川市のお祭り(シーフェスタ)に出かけ、昼間の金星を多くの参加者に見ていただきました。昼間に星が見えること自体に多くの人々が驚かれ、大きな感動を与えることができました。 |
金星(宵の明星)は先月もご案内しましたが、夕空の中で今までにも増して煌々(こうこう)と輝く姿を見ることができます。この金星は、内惑星といって、太陽系の惑星の中で、地球よりも内側の公転軌道を回っていますので、地球から見て太陽と金星の位置関係があまり大きく離れることはなく、太陽から最大に離れた最大離角でも45度程度です。つまり、地球から見て、太陽の反対側に位置して見えることはないということです。西空での最大離角を東方最大離角と呼び、今年の6月9日にその日を迎えました。現在は太陽に日々、近づいていくように観測されます。
最大の光度になるのは、7月12日で、−(マイナス)4.5等にまで明るくなります。7月いっぱいは西の空に輝いて見られる金星の姿も、8月に入ると見かけ上、太陽に近づき観測しづらくなくなります。そして8月16日には内合といって、太陽と地球の間に金星が入り、夕方にも明け方にも全く見ることができなくなるのです。9月に入ると今度は明け方の東の空で輝く姿を見ることができるようになりますが、このときの金星のことを昔から明けの明星(あけのみょうじょう)と呼んでいます。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、輝く金星の姿を天体望遠鏡で観測すると、なんと三日月のような姿に見えるのです。これは、太陽の光を受けている部分が輝き、金星の夜の部分が暗くて見えないためにこうした姿で見られるのです。
昼間でも、最大光度となる7月中旬ころであれば、空気が澄んでいる日には肉眼でみつけられるチャンスがあります。私も群馬県の神津牧場天文台で昼間に肉眼で金星の輝きをみつけて小躍りしたことがあります。
肉眼でみつけられるのは、まれなことですが天体望遠鏡を使えば昼間の金星を容易に見ることができます。写真のように先月も、千葉県鴨川で多くの方々に昼間の金星を天体望遠鏡で見ていただきました。
|