第60回
夏の大三角をみつける
夏の大三角をみつける
昨夏にも「夏の大三角」については解説をしましたが、7月の夕空では東の空から昇りくる夏の大三角の様子を見ることができます。
大三角をかたちづくる星は、こと座のベガ、わし座のアルタイルそれにはくちょう座のデネブですが、どの星も明るく輝きみつけやすく、はじめてのスターウオッチングでも必ずみつけることができます。
この夏の大三角の星のうち、ベガは織姫星、アルタイルは彦星として日本でも古くから七夕ものがたりの星として親しまれてきた星です。
7月7日の七夕まつり以外の日でもぜひ七夕の星をながめ、夏の大三角をたどり、その3星から夏の星座をみつけていきましょう。

下図の星図を頼りに夏の大三角をさがしましょう。
本物の星空ではこの写真のように見られます。

夕暮れ後の東の空から昇りくる夏の大三角の様子は、
天の川の幻想的な姿と大きな三角形の星の輝きから
大変みつけやすいので、梅雨明けの澄んだ空でさがしましょう。
7月の天文情報 <夕暮れに見られる火星と土星の接近>
今月も夕空で惑星ショーがみられます。
7月6日には月と火星と土星それにしし座のレグルスが接近して見られます。晴れて見られたら、デジタルカメラで撮影しておきましょう。コンパクトデジカメでもブレないように三脚を使用するか、ベランダの手すりなどに押しつけて、安定した状態で撮影してみましょう。
次に、7月10日には火星と土星が0.7度まで大接近して見られます。翌日にはこの2星が横に並んで見られますので、晴れた時は見逃さないようにしましょう。

7月10日の夕空に接近する火星と土星は、
翌日11日には横に2星が並んで見られます。
日 |
曜日 |
月齢 |
天文現象など |
1 |
火 |
27.3 |
|
2 |
水 |
28.3 |
水星が西方最大離角、月の距離が最近、月が最北 |
3 |
木 |
0.0 |
新月、月が金星に接近 |
4 |
金 |
1.0 |
|
5 |
土 |
2.0 |
|
6 |
日 |
3.0 |
月とレグルス、火星、土星の接近 |
7 |
月 |
4.0 |
七夕、小暑(二十四節季)、月と土星が接近 |
8 |
火 |
5.0 |
月が天の赤道通過(南半球へ) |
9 |
水 |
6.0 |
|
10 |
木 |
7.0 |
上弦の月、火星と土星が0.7度まで接近 |
11 |
金 |
8.0 |
夕方の西空で火星と土星が並んで見られる |
12 |
土 |
9.0 |
|
13 |
日 |
10.0 |
|
14 |
月 |
11.0 |
月の距離が最遠、月とさそり座アンタレスが接近 |
15 |
火 |
12.0 |
|
16 |
水 |
13.0 |
月が最南 |
17 |
木 |
14.0 |
月と木星が接近 |
18 |
金 |
15.0 |
満月 |
19 |
土 |
16.0 |
夏の土用 |
20 |
日 |
17.0 |
|
21 |
月 |
18.0 |
海の日 |
22 |
火 |
19.0 |
大暑(二十四節季) |
23 |
水 |
20.0 |
月が天の赤道通過(北半球へ) |
24 |
木 |
21.0 |
|
25 |
金 |
22.0 |
|
26 |
土 |
23.0 |
下弦の月 |
27 |
日 |
24.0 |
月がすばる(プレアデス星団)と接近 |
28 |
月 |
25.0 |
|
29 |
火 |
26.0 |
みずがめ座デルタ流星群が極大、月が最北 |
30 |
水 |
27.0 |
月の距離が最近 |
31 |
木 |
28.0 |
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7月の星座案内
梅雨が明けた空に輝く星は、夏の星座を中心にした星々です。
夕方の西空にはまだ春の星座が見られますが、時間の経過とともに東から昇ってきた夏の星座が天頂を覆うようになります。
夏空の特徴は天の川ですが、南天のさそり座、いて座から順に天頂に向けて見ていくと、天の川の中あるいはその付近にへび座、へびつかい座、たて座、わし座、こと座そしてはくちょう座といった多くの星座をみつけることができます。
7月の星座案内図
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※それぞれの図をクリックすると、大きい星図に変わります。印刷される場合は、A4用紙を横にしてください。
※このコラムで使用している星図は、(株)アストロアーツの天文シミュレーションソフトステラナビゲータVer.8から出力し、加工したものを使用しています。
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2008年7月3日 |