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ちあきの星空コラム 田中千秋(たなかちあき)

第62回 中秋の名月

満月を眺める

9月14日は中秋の名月です。旧暦8月15日に相当するこの日は、中秋の名月と呼ばれ、芋や豆あるいはお団子などをお供えして月をながめる風習が古くからおこなわれてきました。
今年はちょうど日曜日にあたりますので、お月見がしやすいかもしれませんね。
満月は太陽が西空に沈む日没のころ、東の空から昇ってきます。
不思議なことに月が昇ってくる様子は、普段、上空で見る月よりも大きく見えるような気がします。よく見るとうさぎがおもちつきをしているような黒い模様も見えます。

月の出のときは月がとても大きく見えます。うさぎのもちつきも確認しやすいですね。(撮影:横田憲治)

「14匹のおつきみ」(株童心社刊、いわむらかずお著)という絵本の中では、14匹家族のねずみたちが大きな樹木に登って、東の空から昇りくる月を家族全員でお月見する様子が描かれていますが、お月見の感動が絵と文章でみごとに表現されています。
つくば周辺ですと、筑波山付近の山や霞ケ浦のほとりから眺めることを推奨しますが、そこまでしなくても身近な所で、たとえば自宅の庭やベランダからでも楽しめます。
夕暮れのとばりがおりる頃、ゆっくりと昇ってくる月の姿。やがて、頭上高く輝き、地上を煌々(こうこう)と照らしてくれる中秋の名月を楽しみましょう。

9月の天文情報

今月は中秋の名月以外に特に大きな天文現象はありません。
惑星では木星の観測好機が続いています。天体望遠鏡で観察すると木星本体の縞模様はもとより、4個のガリレオ衛星(イオ、エウロパ、ガニメデそれにカリスト)も良く見えます。また、木星本体の縞模様は作例のようにコンパクトデジタルカメラでも撮影することができます。

9月の空で南の空にもっとも明るく見えている星が木星です。この写真はコンパクトデジタルカメラを天体望遠鏡の覗き口にあてて手持ちでパチリと撮影したものです


曜日 月齢 天文現象など
1 1.3 月が天の赤道を通過(南半球へ)
2 2.3 月と水星、金星、火星とが接近(夕空)
3 3.3  
4 4.3  
5 5.3  
6 6.3  
7 7.3 白露(二十四節季)上弦の月、火星と水星が接近
8 8.3 月の距離が最遠
9 9.3  
10 10.3  
11 11.3 水星が東方最大離隔、水星と金星が接近
12 12.3  
13 13.3 金星と火星が接近
14 14.3 中秋の名月
15 15.3 満月
16 16.3  
17 17.3  
18 18.3  
19 19.3  
20 20.3 彼岸の入り
21 21.3  
22 22.3 下弦の月、月が最北
23 23.3 秋分(二十四節季)
24 24.3  
25 25.3  
26 26.3  
27 27.3  
28 28.3  
29 29.3 新月
30 0.8  

9月の星座案内

9月に入ると夏の大三角は西空に傾き、東の空から秋の星座が昇ってきます。
星とともに天の川もだんだんと西に傾き、その銀砂のような輝きが北の方に伸びて、秋の星座が見つかります。ケフェウス座、カシオペヤ座そしてペルセウス座などが天の川に沿ってみられます。
南西の空には木星が明るく輝いています。また、秋の唯一の1等星であるみなみのうお座のフォーマルハウトが南の空に輝いています。
9月23日には秋分を迎えますが昼間がだんだんと短くなる分、夜が長くなってきますので星空にも長い時間、親しむことができます。
星図や星座早見を使って星座さがしを楽しみましょう。

9月の星座案内図

星図(黒地) 星図(白地)

※それぞれの図をクリックすると、大きい星図に変わります。印刷される場合は、A4用紙を横にしてください。

※このコラムで使用している星図は、(株)アストロアーツの天文シミュレーションソフトステラナビゲータVer.8から出力し、加工したものを使用しています。

2008年9月5日

田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ

子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。

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