ACCSキャンペーン
つくばもん
読み物
ちあきの星空コラム 田中千秋(たなかちあき)

第70回 日本から日食が見える1

7月22日の日食

今年の7月22日には日本全国で日食が見られます。
特に鹿児島県のトカラ列島や屋久島、種子島の一部、奄美大島の一部などでは太陽面のすべてが月に隠される皆既(かいき)日食が見られます。
この皆既日食を見ようとトカラ列島や中国に出かけるツアーや船上で観測する洋上ツアーなどが計画され、募集がはじまっています。
しかし、皆既日食にならない地域でも日本の各地で部分日食が見られますので、見逃さないようにしましょう。
東京やつくばでも太陽が大きく欠けて見られ、太陽の約7割が月に隠されてしまうというめったに見られない光景を目の当たりにすることができます。
ここで、注意点を申し上げます。
部分日食を観測するには、太陽の光と熱をさえぎる専用の日食グラス(日食メガネともいいます)を使用する必要があります。日食グラスは天体望遠鏡ショップなどで販売していますので、それを買い求めて使用しましょう。ガラスにろうそくの炎からでる煙のススをつけたものや黒く感光したフィルムなどは目を痛めますので、決して使ってはいけません。
刻々と欠けゆく太陽の姿を観察し、スケッチなどで記録をとれば子供の夏休みの自然観察記録にすることもできます。
来月も日食情報をお知らせする予定です。


2004年10月14日に見られた部分日食
(茨城県龍ケ崎市竜の子山で撮影)

1987年3月24日に見られた小笠原沖皆既日食
(小笠原沖海上にて船上から撮影)

みずがめ座η流星群を見よう!

5月6日の未明に見られるみずがめ座η流星群は、予定日がゴールデンウイークということもあって、注目される流星群です。
今年も1時間に10〜20個の流星が見られるのではないかと期待されます。
5月5日の夜から6日の明け方にかけて夜空を仰いで見ているときっと流星をみつけることができることでしょう。
5日の夜は、上弦を過ぎた月が見られますが夜半過ぎには西の空に沈み、明け方の午前4時前ころまでは満天の星が見られます。そうした星空の中を切り裂くようにするどく天を横切る流星の姿は感動的です。
観測の際は春とはいえ夜間は冷えますので、防寒対策を充分にして寒さに負けないように流星観測を楽しみましょう。

明け方の東の空に注目

5月2日の明け方の東の空に注目してみましょう。
案内図のように火星と金星それに木星が明るく見えます。さらに天体望遠鏡を使えば天王星も見られます。
晴れて美しい光景が見られたら、デジタルカメラで写しておきましょう。朝焼けも一緒に撮影できたらいいですね。

5月2日午前4時の東の空のシミュレーションです。視界の開けたところでぜひ早起きして見ましょう!
(アストロアーツのステラナビゲータ8から出力・加工)

5月の天文情報

曜日 月齢 天文現象など
1 6.0  
2 7.0 八十八夜、上弦の月、金星が最大光度(−4.5等)
3 8.0 憲法記念日
4 9.0 みどりの日
5 10.0 こどもの日 立夏(二十四節気) 月が天の赤道を通過(南半球へ)
6 11.0 みずがめ座η流星群が極大 木星の衛星エウロパがイオを隠す
7 12.0 土星の衛星タイタンが土星の影から出現
8 13.0  
9 14.0 満月 木星の衛星エウロパがガニメデを隠す
10 15.0  
11 16.0  
12 17.0 月が最南
13 18.0  
14 19.0 月の距離が最遠
15 20.0  
16 21.0  
17 22.0 下弦の月 木星の衛星カリストの影にイオが入る
18 23.0  
19 24.0 月が天の赤道を通過(北半球へ)
20 25.0 月と木星が接近
21 26.0 小満(二十四節気)
22 27.0  
23 28.0 土星の衛星タイタンが土星の影から出現
24 29.0 新月
25 0.6 木星の衛星イオがエウロパを隠す
26 1.6 月の距離が最近 月が最北
27 2.6 木星の衛星ガニメデがイオを隠す 海王星と木星の接近
28 3.6  
29 4.6  
30 5.6  
31 6.6  

5月の星座

新緑の5月は、上旬はゴールデンウイークですし、、後半は旅行に最適な新緑の美しいシーズンですが、お出かけのときはぜひ、夜は星見を楽しんでいただきたいと思います。
星座早見盤を持参して、宿の庭やベランダから星座をさがすのは結構楽しいものです。仲間と一緒にみつけるのなら楽しみもひとしおでしょう。
また、昼間の観光で、科学館や天文台を訪問するのもいいでしょう。プラネタリウム鑑賞を楽しんだり、昼間でも天体望遠鏡で本物の星を見せてくれる天文台もありますから、ぜひ事前にインターネットなどで調べてお出かけするといいでしょう。
さて、前置きが長くなりましたが、5月の星空は春の星座でいっぱいです。
春の大三角をかたちづくるしし座、おとめ座、うしかい座はみつけやすい星座といえますが、今月は南の空に見られる星座をさがしてみましょう。大きく長いうみへび座はすでに西空に頭を傾けていますが、そのひょろ長い姿は南東の方向まで伸びており、壮大なうみへびのかたちを想像することができます。
うみへび座に乗っかるようにコップ座とからす座もみつけることができることできますし、その東南の空にはてんびん座が昇ってきます。ぜひさがしてみましょう。

5月の星座案内図

星図(黒地) 星図(白地)

※それぞれの図をクリックすると、大きい星図に変わります。印刷される場合は、A4用紙を横にしてください。

※このコラムで使用している星図は、(株)アストロアーツの天文シミュレーションソフトステラナビゲータ.8から出力し、加工したものを使用しています。

2009年4月30日

田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ

子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。

バックナンバー(2010年2月まで)へ