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ちあきの星空コラム 田中千秋(たなかちあき)


第73回 日食観測報告

日食観測報告

7月22日に見られた日食は、見られましたか?
茨城県内では、牛久自然観察の森で観察会を実施したところ200人以上が集まり、雲間から5回ほど欠けた太陽が見られたそうです。また、水戸でも見られたという報告をいただきました。
私はこの日、皆既日食観測のために中国の嘉興(かこう)市まで出かけて日食を観測しましたが、天候は雨で雲間からようやく欠けた太陽の様子を垣間見ることができました。
当日撮影した日食の写真と皆既中に真っ暗になった地上の景色の写真をご覧ください。
次に日本で見られる大きな日食は、2012年5月21日の金環食です。今回の部分日食よりも多く太陽が欠ける地域が多く、金環になる範囲も広いので多くの方が楽しめることでしょう。

中国の部分日食
雲が薄くなって太陽の姿が見られた瞬間に、口径60mmの天体望遠鏡(焦点距離600?)で撮影

皆既直後の太陽
皆既直後の雲間に顔を覗かせた細い太陽の姿(ノーフィルターで撮影)


皆既食中の様子
皆既食中の地上はまるで夜のように暗くなった
(フラッシュ使用)

皆既後の様子
皆既後の明るくなった地上の様子

天の川の見える星見環境

天の川

環境やエコのことが注目を集めて久しいですが、これで無駄な照明や街中のネオンサインの数が減り、光害(ひかりがい)が軽減されて星見環境が少し改善できるのではないかと期待をしているところです。
そうした成果があったのかどうか、今年7月には私の住んでいる茨城県龍ケ崎市内(つくば市と隣接)でも天の川を見ることができました。
といっても日常的に見えるのではなく、ある一定条件がととのった時のみ、見ることができます。
天の川を見ることができる条件とは、月明かりのない夜で、高気圧が張り出してきて空気の透明度の高い日の夜となります。
見る側の心得としては、まず、時刻は深夜がいいでしょう。光害となる街路灯、防犯灯、自動販売機、ネオンや看板の明かりをさけ、そうした光源の光が直接目に入らない場所で天の川のある星空の領域を眺めましょう。しばらく目を空に向けて暗さにならした後、真正面から見るよりもちょっとそらし目のようにして天の川の方を見ます。

8〜9月でしたら、はくちょう座からカシオペヤ座にかけての天の川が見られるかも知れませんね。
もし、見えたらもうけものです。みんなに自慢もできますよ。
ぜひ、チャレンジしてみましょう。

8月の天文情報

曜日 月齢 天文現象など
1 10.0 月が最南
2 11.0  
3 12.0  
4 13.0 木星の衛星イオがエウロパを隠す(部分食) 月の距離が最遠
5 14.0
6 15.0 みずがめ座ι流星群南群が極大
7 16.0  
8 17.0 立秋(二十四節気)
9 18.0 月が天の赤道を通過(北半球へ)
10 19.0  
11 20.0 土星の環の消失
12 21.0 みずがめ座δ流星群北群が極大
13 22.0 ペルセウス座流星群が極大
14 23.0 下弦の月
15 24.0  
16 25.0 月が最北
17 26.0 木星の衛星イオの影にガニメデが入る
18 27.0 木星の衛星イオがエウロパを隠す
19 28.0 月の距離が最近
20 29.0 新月 みずがめ座ι流星群北群が極大
21 0.7 木星の衛星イオの影にエウロパが入る
22 1.7 月が天の赤道を通過(南半球へ)
23 2.7 処暑(二十四節気)
24 3.7  
25 4.7 水星が東方最大離角
26 5.7 旧暦七夕(伝統的七夕)
27 7.7 木星の衛星イオがエウロパを隠す(部分食)
28 8.7 みずがめ座δ流星群(南群)極大
29 9.7 上弦の月
30 10.7 木星の衛星ガニメデの影にイオが入る
31 11.7 月の距離が最遠

8月の星座

8月の空では天頂に夏の大三角が輝き、南の空にはさそり座やいて座が見られます。
郊外地では天の川を発見できるチャンスの月でもあります。
夏の大三角を構成すること座のベガ(織り姫星)、わし座のアルタイル(彦星)、はくちょう座のデネブは天頂付近にあり、もっともみつけやすい星ですが、みつけたら次はそれぞれの星座のかたちをつくる星々をさがし、星座のかたちを確認しましょう。
特にはくちょう座の十字のかたちは北十字とよばれ、南十字との対比でヨーロッパでも親しまれており、天の川の中にあって、とても星が多い領域です。
続いて、こと座とわし座の星座のかたちも星図と星空を対比しながらみつけましょう。
次は南の空のさそり座、てんびん座、いて座などをみつけましょう。
夏の大三角から天の川に沿って南の方に目をやると、いて座やさそり座、てんびん座などもみつかることでしょう。

8月は郊外にでかけるチャンスも多いことでしょうから、そうしたときは星図や星座早見を持参して本物の星空を体験しましょう。

8月の星座案内図

星図(黒地) 星図(白地)

※それぞれの図をクリックすると、大きい星図に変わります。印刷される場合は、A4用紙を横にしてください。

※このコラムで使用している星図は、(株)アストロアーツの天文シミュレーションソフトステラナビゲータ.8から出力し、加工したものを使用しています。

2009年7月31日

田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ

子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。

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