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ちあきの星空コラム 田中千秋(たなかちあき)


第74回 木星が見頃

木星が見頃です

最近は夕空に明星(みょうじょう)のような特に明るく輝く星が見られずに寂しい思いがしていましたが、最近になって木星が南東の空で目を引く明るさで輝くようになってきました。
皆様も夜空を見上げて既にお気づきのことと思いますが、他のどの星よりも明るく見えます。木星は−(マイナス)2等星の明るさで輝き、やぎ座の方向に見えています。
他の星がきらきらと瞬いて見られるのに対し、木星だけが瞬きを見せずに輝いているという特徴もあります。
天体望遠鏡で見ると本体には縞模様が見られ、周囲には4個のガリレオ衛星が輝いているのを確認でき、さらに、今年はおもしろいことにガリレオ衛星同士が重なり合って見える「食」の現象が見られます。9月の天文現象(下表)に記載がありますが、何度も観測のチャンスがあります。天体望遠鏡をお持ちでしたらぜひ、衛星同士の食を観測して見ましょう。

木星
木星は天体望遠鏡で観測すると2本の縞模様などが見えます。

木星の衛星
木星の周囲にはガリレオ・ガリレイが発見した4個の衛星が見られます(写真では3個が写っています)

秋の星見会の楽しみ

夏休み期間中は各地で星まつりやスターウオッチングの催しが多く開催されましたが、晴天率の高くなる秋にも星見のイベントはあります。
関東近郊で行われるイベントを次のとおり何件かお知らせします。
じっさいに星見を楽しみたいけれどもきっかけがつかめない方などはぜひ、お出かけしてみるといいでしょう。

お月見の会
〔茨城県牛久市結束町 牛久自然観察の森 中秋の名月の10月3日(土)〕
牛久自然観察の森では、夏と冬にこども星見隊と称して親子天体観望会を開催していますが、秋にはお月見の会を中秋の名月の10月3日(土)午後5時からバッタの原で行います。
自由に参加して各自お月見を楽しみ、そして自由解散ですので気楽に参加できます。もちろん参加費無料。詳しくは牛久自然観察の森ホームページでご確認ください。
問い合わせ:牛久自然観察の森 TEL029−874−6600

石川町スターライトフェスティバル
〔福島県石川町母畑レークサイドセンター 10月10(土)〜12日(月)〕
福島県石川町で毎年開催される石川町スターライトフェスティバルは、全国各地から天文ファンが自慢の天体望遠鏡を持ち寄ってみんなでスターウオッチングが楽しめるフェスティバルです。
光害の少ないあぶくま高原で秋の星座を満喫しませんか?
URL:http://www.lcv.ne.jp/~kasugahi/starraito

富士山スカイドリームス
〔静岡県御殿場市中畑 国立中央青少年交流の家 10月17日(土),18日(日)〕
昨年までは富士山スターウオッチングという名称で開催されていましたが、今年は名称が変更になりました。天体観望会の他に移動式プラネタリウム(メガスター)も見られ、出店者による天体望遠鏡や光学部品の販売などもにぎやかに行われます。
問い合わせ:御殿場市役所商工観光課 TEL0550−82−4622

神津牧場天文台の一般観望会
〔群馬県下仁田町南野牧 神津牧場天文台 11月21日(土)〕
私の所属する関東天文協会の神津牧場天文台で行われる一般観望会です。夕空の月や秋の星雲、星団などをウオッチングします。
天文台は神津牧場の敷地内にあり交通不便な場所ですので、マイカーでの参加が原則となります。参加費無料、問い合わせ:神津牧場天文台 TEL0274−84−2655(当日の午後のみ対応)

9月の天文情報

曜日 月齢 天文現象など
1 11.7 二百十日
2 12.7 金星とプレセペ星団接近 木星の衛星ガニメデエウロパを隠す
3 13.7  
4 14.7 土星の環の消失
5 15.7 満月 木星の衛星イオがエウロパを隠す 月が赤道通過北半球へ
6 16.7 木星の衛星イオがガニメデを隠す
7 17.7 白露(二十四節気)
8 18.7  
9 19.7  
10 20.7 プレアデス星団の食
11 21.7  
12 22.7 下弦の月 木星の衛星イオがエウロパを隠す
13 23.7  
14 24.7  
15 25.7  
16 26.7 月の距離が最近
17 27.7 月と金星が接近
18 28.7 月が天の赤道を通過(南半球へ)
19 0.3 新月 木星の衛星イオがエウロパを隠す
20 1.3 木星の衛星イオの影にエウロパが入る
21 2.3 金星とレグルスが大接近
22 3.3  
23 4.3 秋分(二十四節気)
24 5.3 土星と水星が接近 さそり座アンタレスの食
25 6.3 月が最南 木星の衛星ガニメデがエウロパを隠す(部分食)
26 7.3 上弦の月
27 8.3  
28 9.3 月の距離が最遠
29 10.3  
30 11.3  

9月の星座

9月の空は天高く、澄んだ星空で夏の星座と秋の星座が両方見られます。
夕空には夏の大三角をはじめ夏の星座が輝いていますが、東の空からは秋の星座が続々と登場します。
この時期、私は毎年南の空にひとつだけ明るくかがやく1等星のみなみのうお座のフォーマルハウトを見るのが好きです。今年は、近くのやぎ座にマイナス2等級の木星が輝いているために輝きは見劣りしますが、じっと見つめていると青白く輝くその姿は空の中を旅しているような不思議な気持ちにさせてくれます。
下に示す星図を拡大し、プリントアウトして星座さがしを楽しんでください。

9月の星座案内図

星図(黒地) 星図(白地)

※それぞれの図をクリックすると、大きい星図に変わります。印刷される場合は、A4用紙を横にしてください。

※このコラムで使用している星図は、(株)アストロアーツの天文シミュレーションソフトステラナビゲータ.8から出力し、加工したものを使用しています。

これから見られる日食

7月22日に見られた日食のことは先月のコラムでお伝えしましたが、今度はいつ見られるの?という問い合わせを多くの方からいただいています。報道では次に日本で見られる皆既日食は2035年だと報じていますが、日食そのものは毎年のように世界のどこかで起きる現象で、部分日食であれば日本から見られるチャンスは何回もありますし、皆既日食も海外に出かければ見ることができます。
そうした日食の現象を下表にまとめました。
近いうちに日本で見られる日食では2012年5月21日の金環食があります。
海外に出かけるのであれば、2010年7月11日のイースター島などでの皆既日食や2012年11月14日(世界時13日)の北オーストラリアでの皆既日食があります。
楽しみにお待ちください。

2035年までに日本で見られる日食(関東地方を中心に)

年 月 日 食分(欠ける割合) 見られる地域,や日食の様子
2012.05.21 0.97 全国的に見られる九州から関東にかけて金環食となる
2016.03.09 0.26 全国で見られる
2019.01.06 0.42 全国で見られる部分日食
2019.12.26 0.39 関東より北では日没帯食(途中で日が沈む)
2020.06.21 0.46 全国で部分日食
2030.06.01 0.80 北海道では金環食、他の地域は部分食
2032.11.03 0.51 関東より北では日没帯食(途中で日が沈む)
2035.09.02 1.00 北陸、関東の一部で皆既日食、他は部分食

2035年までに見られるおもな皆既日食

年 月 日 時刻(世界時) 皆既継続時間 主な見られる地域,
2010.07.11 19h34m37s 5m20s イースター島、チリ、アルゼンチン
2012.11.13 22h12m55s 4m02s 北オーストラリア、南太平洋
2016.03.09 01h58m19s 4m09s インドネシア、太平洋
2017.08.21 18h26m40s 2m40s アメリカ合衆国
2019.07.02 19h24m07s 4m33s チリ、アルゼンチン
2020.12.14 16h14m39s 2m10s チリ、アルゼンチン
2023.04.20 04h17m55s 1m16s インドネシア、オーストラリア
2024.04.08 18h18m29s 4m28s メキシコ、アメリカ合衆国、カナダ
2026.08.12 17h47m05s 2m18s グリーンランド、アイスランド、スペイン
2027.08.02 10h07m49s 6m23s モロッコ、スペイン、アルジェリア、エジプト
2028.07.22 02h56m39s 5m10s オーストラリア、ニュージーランド
2030.11.25 06h51m37s 3m44s ボツワナ、南アフリカ、オーストラリア
2034.03.20 10h18m45s 4m09s ナイジェリア、カメルーン、スーダン、エジプト
2035.09.02 01h56m46s 2m54s 中国、韓国、日本

2009年9月4日

田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ

子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。

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