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ちあきの星空コラム 田中千秋(たなかちあき)


第77回 今月はふたご座流星群

12月14日の夜はふたご座流星群

流星の写真
流星の写真
流星は突然、夜空に流れ、一瞬のうちに消えていきます。ふたご座流星群は1時間に数十個流れることが予想されていますので、複数の流星を見ることができるでしょう。

11月18日のしし座流星群は見られましたでしょうか?
私は天気が悪い中、18日午前2時までねばって星空が出ることを期待して待ちましたが晴れませんでしたので一時休憩し、再び午前4時に空を仰いでみましたが残念ながら曇り空のままで結局、何も見られないまま朝を迎えました。
さて、今月はふたご座流星群を見ましょう。夏のペルセウス座流星群に次ぐ、冬の最大の流星ショーですから、晴れていれば見逃す手はありません。毎年、コンスタントに出現してくれるふたご座流星群は、今年は11月14日の昼間にピークを迎えます。14日の明け方と14日の夜から15日の明け方までの2回、今年は観測のチャンスが2夜あります。

しかも昨年とちがって今年は月明かりがありませんので、星空が良く見えることでしょう。
夜の野外はとても寒くて本格的な観測は大変ですが、まあ、そこまで頑張らなくてもベランダなどで、部屋や門の明かりを消して夜空を仰ぎ見ましょう。
観測する夜空は、ふたご座の方向である必要はなく、南のベランダなら南を、東向きのベランダなら東の方向でかまいません。流星はあらゆる方向に出現しますので、ラクな姿勢で夜空が見られる椅子を利用して、ゆったり観察しましょう。

世界天文年2009終了

世界天文年2009も今月のみとなりました。
しかし、世界天文年をきっかけとして夜空を見上げた方々が、来年以降も星空に親しみを持ち、無駄な光を植物や夜空に向ける光害を少なくすることなどに目が向いてくれたらいいなと思っています。
また、理科離れが進んでいる昨今、ぜひ理科好きを増やしたいなどと考えています。今後も各地での講演や天体観望会をとおして天文普及に力を入れたいと考えているところです。
以下に先月(2009年11月)に取り組んだ天体観望会などの写真を掲げます。

木星を見る 星座をみつける
11月7日龍ヶ崎市中央公民館 木星を見る

11月7日龍ヶ崎市中央公民館 星座をみつける
惑星モデルの組立 width=286
11月14日牛久自然観察の森(惑星モデルの組立)

11月21日神津牧場天文台で一般観望会
月面を撮る 天体写真の講義
11月28日鴨川天体観測所 月面を撮る 11月28日鴨川天体観測所 天体写真の講義

12月の天文情報

曜日 月齢 天文現象など
1 14.3 すばる(プレアデス星団)の食
2 15.3 満月
3 16.3 月が最北
4 17.3 月の距離が最近
5 18.3  
6 19.3  
7 20.3 大雪(二十四節気)
8 21.3 木星の衛星エウロパがガニメデを隠す(部分食)
9 22.3 下弦 月が天の赤道を通過(南半球へ)
10 23.3  
11 24.3 木星の衛星エウロパがイオを隠す(部分食)
12 25.3  
13 26.3  
14 27.3 ふたご座流星群が極大
15 28.3  
16 29.3 新月 月が最南
17 0.6  
18 1.6 月と水星が大接近
19 2.6  
20 3.6 月の距離が最遠
21 4.6  
22 5.6 冬至(二十四節気) 木星の衛星イオがエウロパを隠す(部分食)
23 6.6 天皇誕生日 こぐま座流星群が極大(22〜23日ころ)
24 7.6 月が天の赤道を通過(北半球へ)
25 8.6 上弦の月
26 9.6  
27 10.6  
28 11.6  
29 12.6  
30 13.6 月が最北
31 14.6 元旦の未明にかけて部分月食

12月の星座

ぎょしゃ座 ぎょしゃ座

冬の到来を告げる星座はぎょしゃ座。カペラの黄色い輝きが印象的です。

12月に入ると各地の商店街でジングルベルの曲が流れ、なんとなく慌ただしく日々が過ぎていきます。星空を眺める機会も少ない師走でありますが、冬の星座が見られる季節になります。最初に昇ってくる冬の星座は、ぎょしゃ座で、北東の空に黄色く明るい1等星カペラが輝き、カペラを含めて主要な星を結ぶと5角形の姿が見えます。
また、おうし座のすばるも東の空から昇ってきて、やがて、東の空にはオリオンの勇姿が見られるようになる季節でもあります。
日周運動で星空は東から西の空へゆっくり移動していきますが、午後9時を過ぎた頃にはすっかり冬の星座オンパレードとなります。
イルミネーションを見に出かけた帰り道やスキーに出かけた山のホテルなどで、ぜひ星空を仰いで見ましょう。
星座を見つけるときは下に掲げる星図をクリックして拡大し、プリントアウトして案内星図としてご利用ください。

12月の星座案内図

星図(黒地) 星図(白地)

※それぞれの図をクリックすると、大きい星図に変わります。印刷される場合は、A4用紙を横にしてください。

※このコラムで使用している星図は、(株)アストロアーツの天文シミュレーションソフトステラナビゲータ.8から出力し、加工したものを使用しています。

2009年12月4日

田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ

子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。