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つくばでバードウォッチング 片山 秀策

第6回 バードウォッチングのおまけ

春一番が吹いて春がそこまできています。日中の長さが少しづつ長くなってきて、冬鳥達も繁殖季節が近いことを体で感じているようです。気の早いハクチョウやツルの一部は、もう繁殖地のある北に向って移動を開始したというニュースが各地から届いています。

つくば市内でも、池のカモ達が不思議な求愛ダンスをしています。渡りをしないヒバリやウグイスなどの小鳥達も、お嫁さんを獲得するためのさえずりの練習をしています。モズはもう子育てを始めています。

今回は、ちょっと目先を変えて鳥ではないバードウォッチングをしてみましょう。

冬には、木の葉が落ちてしまうので、鳥が見つけやすくなりますが、同じように夏には木の葉で隠されていた巣を見つけることができます。いつも通っていた道の頭の上や、庭の木の枝など意外なところに巣があるものです。私の使っている散歩道には、キジバトカラスヒヨドリの巣があります。庭にはネズミモチの木の中にモズの巣がありました。

もっと意外なのは小さなキツツキのコゲラの巣です。つくば市の街路樹には、かなり高い確率でコゲラの巣を見つけることができます。それも人の背の高さくらいのところに丸い穴が開いています。これからの時期は、コゲラが一生懸命巣穴を掘り始めたり、子育ての準備にはいるので、巣穴を探すのは真冬にしましょう。

公園を散歩していると、鳥の羽が一ケ所にかたまって落ちていることがあります。これがオオタカやツミなどの食事の跡(食痕といいます)です。タカが捕まえた鳥の羽をむしって、骨ごと食べてしまいます。不思議なことに血が一滴も落ちていません。食痕を探して、綺麗な羽をコレクションするのも楽しいと思います。集めた羽は、ぬるま湯の中で中性洗剤を使って洗っておくとよいでしょう。 タカの食痕

アシの茎に付いたカイガラムシの一種 洞峰公園や乙戸沼公園のアシ原の横を通ると、「パチ、パチ」という音が聞こえて来ます。これは、シジュウカラやホオジロなどがアシの皮を嘴で割っている音です。何をしているかというと、アシの茎に付いたカイガラムシの一種を食べているのです。不思議なのですが、鳥が食べた跡を見てみると、片っ端から皮を剥いでいるのではなく、ちゃんと虫がいる場所の皮を剥がしています。

このように散歩の時に注意深く周りを見て歩くと、双眼鏡がなくても鳥の生活の痕跡をみつけることができるのです。

【ワンポイント・メモ】Webでバードウォッチング

インターネットにはバードウォッチングに関心のある人達が沢山のホームページを開設していて、色々な情報が手に入ります。便利なサイトをいくつか紹介しておきましょう。この他、珍しい鳥の情報、種の識別、写真などサイトがあります。

○日本野鳥の会茨城支部
http://www.kasumigaura.net/wbsj-ibaraki/
日本最大の自然保護団体の野鳥の会のサイトで、県内の探鳥会のスケジュールを知ることができます。

○つくば農林野鳥の会
http://nbird.ac.affrc.go.jp/
茨城県内の探鳥地や渡り鳥など各種の情報があります。

○環境いばらき
http://www.pref.ibaraki.jp/kankyo/
茨城県の自然環境に関する法律/制度などの情報があります。

○H.Hiraizumi's Birding Page
http://homepage2.nifty.com/birding/
日本国内の野鳥関係のホームページを調べるにはこのサイトが一番です。

○世界の鳥名検索
http://www.atori.co.jp/birds/dic/search_birdsl
世界の鳥の名前を科、目、和名、英名、学名から自由に調べることができます。外国人のための英語バージョンもあります。

2005年3月14日

片山秀策さんのプロフィール


北海道で暮らしていた時に、庭に来る鳥を見てバードウォッチングに開眼して以来、野鳥の虜に。

死ぬまでに日本で記録のあった鳥を全部見たいと不可能な企てに挑戦中。

日本野鳥の会茨城支部会員、NPO宍塚の自然と歴史の会監事、つくば農林野鳥の会代表幹事