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つくばでバードウォッチング 片山 秀策

第24回 フィールドマナー

朝晩は涼しくなってきて、あれだけ五月蠅かったセミの声が聞こえなくなってきました。その代わり、庭の秋の虫がにぎやかです。つくばの夜の公園などの街路樹では、アオマツムシの「リーリーリー」という声が耳につきます。
一日一日と日が短くなると、夏の間子育てをした鳥たちも寒い冬が訪れる前に、越冬地に向けて旅立ち始めます。シベリアやカムチャッカで繁殖を終えた鳥たちは、8月頃から南に向けて日本列島を通過していっています。北極圏では9月には雪が舞い始めるのです。
バードウォッチャーにとって、秋は日本列島を通過する旅鳥と、その中に混じる珍しい鳥を見る絶好のチャンスになるので、ワクワクくしてきます。中でも、シギとチドリの仲間は、熱狂的なファンが多くて、霞ヶ浦周辺の蓮田、稲刈りの終わって雨水の溜まった水田、利根川の河川敷、波崎の海岸などに、シギとチドリを探して毎週のように通うバードウォッチャーが沢山います。
もうひとつは「第12回 タカの渡りを見に」に書いたように、ワシ・タカの渡りを楽しみにしているバードウォッチャーも多くいます。筑波山でも見ることができますが、つくば市周辺では物足りなくなって、愛知県の白樺峠へ遠征する人もいます。渡りをする蝶のアサギマダラも白樺峠や伊良子岬を通って南西諸島へ向けて飛んでいきます。
バードウォッチング人口は確実に増えているようで、人が増えると、どうしてもマナーを知らない人や、無視する人がでてきてしまいます。そのため、バードウォッチャーの間や、地域住民と色々なトラブルが起こることがあります。今月は気持ちよくバードウォッチングをするためにお互いに注意しておきたいフィールマナーについて書いてみたいと思います。

<挨拶は忘れずに>
フィールドで知らないバードウォッチャーにあったときには、ひとこと「こんにちは」と挨拶したものです。フィールドで一番怖い動物は「二本足で歩く動物」といわれていて、人気のないところで人に出会うと気持ちが悪いものです。そんな時に挨拶を交わすと、お互いに安心するものです。
もちろん、双眼鏡や望遠鏡を持ってウロウロしているのですから、地元の住民と会ったときにも、不審人物ではないことを示すために挨拶は欠かせません。

<一声かけて>
バードウォッチャーの間のトラブルは、人が少ないときには問題ないのですが、珍しい鳥が出現した時のように沢山の人が集まる時に起こります。鳥を見たいのは皆同じ気持ちです。皆さん常識があるのですが、見たい気持ちが高じて、望遠鏡や双眼鏡を見ている人の前を通ったり、立って視野をふさいだりすることが起こります。こんな時には、一言声をかけると、場所を譲ってくれたりするものです。

<譲り合いの気持ちを大切に>
写真を撮るバードウォッチャーに多いのですが、長時間同じ場所に陣取ってしまうことがあります。他にも鳥を見たい人がいるのですから、適当に場所を譲りまっしょう。

<道以外のところに入らない>
鳥をみることに夢中になってしまい、畑に入って農作物を踏みつぶしたり、水田の畦を壊したりすることがあります。農作物のない時でも、農地は個人の土地ですから、勝手にはいることは避けたいものです。どうしても農地に入る必要があるときには、土地の所有者に許可をもらいましょう。よその家の庭に勝手に入り込むなどは論外です。気をつけたいものです。

<車で農道に入らない>
農道はすれ違いできないほど狭いところが多く、特に農繁期には作業用のトラクターやトラックが頻繁に出入りします。農作業の邪魔になりますので、車で農道に入ることは避けたいものです。広い場所に駐車して、鳥のいるところまで徒歩で行きましょう。

<狭い道には駐車しない>
野鳥のいる場所は、駐車スペースがなく、路上駐車することになります。しかし、狭い道路でも地元の人達の生活道路になっていますので、交通の障害になってしまいます。特に、多くのバードウォッチャーが集まる場合には、大きな問題になります。実際に、地元民が怒って、バードウォッチャーの通行禁止になったところもあります。

<ゴミは持ち帰ろう>
当たり前のことですが、ゴミは必ず持ち帰りましょう。

基本は、第2回の【ワンポイント・メモ】で説明した「やさしいきもち」の合い言葉を忘れないで、楽しくバードウォッチングしましょう。

2006年9月25日

片山秀策さんのプロフィール


北海道で暮らしていた時に、庭に来る鳥を見てバードウォッチングに開眼して以来、野鳥の虜に。

死ぬまでに日本で記録のあった鳥を全部見たいと不可能な企てに挑戦中。

日本野鳥の会茨城支部会員、NPO宍塚の自然と歴史の会監事、つくば農林野鳥の会代表幹事

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