つくばでバードウォッチング 片山 秀策 |
第29回 梅園にオオマシコを探しに 立春が過ぎて、一日の長さが急に長くなったような気がします。今年は暖冬で、鳥たちも春の気配を強く感じているようです。ホオジロが「一筆啓上・・・」とさえずりの練習を始めています。ヒバリは、鳴きながら空高く上がっています。 青空に誘われて、筑波山の梅園に出かけてみました。梅の花が咲き始めるころには、ウソが梅の花のつぼみを食べに現れるのです。梅の花の間から口笛のような鳴き声が聞こえないかと、梅の木の間を探していると、ホオジロやヒヨドリが顔を出しました。 メジロが2羽で、花の蜜を吸うために飛び回っていました。梅にウグイスとよく言われますが、ウグイスは恥ずかしがりやで、茂みの中から出てきませんから、梅にメジロが正しいのでしょう。ウグイス餅の色もメジロの色です。ウグイス餅が本物のウグイス色では食欲がわかないかもしれません。 梅林の一角に、沢山人が集まっていました。近づいてみると、望遠レンズで写真を撮ろうとしている人もいます。レンズの先を見ると赤い鳥が、梅の木の枝の先に止まっていました。 よく見るとオオマシコという珍しい鳥です。オオマシコは、シベリアやサハリンで繁殖して、日本には越冬するために渡ってきますが、非常に数が少ないのでなかなか見ることができません。 オオマシコの「マシコ」というのは、猿子(ましこ)のことで、猿の顔のように赤いという意味です。つくば市の雑木林で見ることのできるベニマシコも、赤い鳥です。 オオマシコは、去年の暮れから梅園で越冬しているということで、沢山の人が見に来ているようです。非常にきれいな鳥なので一度見に行ってみてもいいでしょう。 珍しい鳥を探す時は、場所を知らずに一人で探すことは非常に難しいので、望遠鏡や双眼鏡を持った人が沢山いる場所を探すの一番です。人の集まっている所にいって、何が見えるのか聞くと親切に教えて貰えます。GOOD BIRDING! 2007年2月19日 |
片山秀策さんのプロフィール |
死ぬまでに日本で記録のあった鳥を全部見たいと不可能な企てに挑戦中。 日本野鳥の会茨城支部会員、NPO宍塚の自然と歴史の会監事、つくば農林野鳥の会代表幹事 |