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つくばでバードウォッチング 片山 秀策

第40回 野鳥の声が聞こえる図鑑

立春が過ぎて、日一日と日中の時間が長くなってきました。野鳥たちも春が近づいてくるのを日中の長さで感じて、繁殖の準備を始めたり、繁殖地に向かう準備を始めます。つくば市周辺の沼や池で越冬しているカモ達をよく見ていると、雄と雌が首を伸ばしたり、体を起こしたり不思議なダンスを踊っています。これは、ディスプレーといって「結婚しようよダンス」です。カモ達は越冬地で、伴侶を見つけて繁殖地に向かいます。

歌声で結婚を決める小鳥も、囀りの準備を始めています。ウグイスは「ホッホッ」とか「ホッケキョ」と歌の練習中です。少し経つと、「ホーホッケキョ」と歌うようになります。小さなキツツキのコゲラは、快適な住宅ができる木を見つけて、コツコツと穴を開けています。林の中で耳を澄ませると、コゲラの工事中の音が聞こえてきます。気の早いハシボソガラスは、巣の材料にする枝などを運んでいます。

私は、バードウォッチングのお手伝いをすることが多いのですが、バードウォッチングを始めて少し経っ人たちから、「鳥の声が分かるといいのだけれど」とか「鳥の声を覚えたいけれどどうしたらいいの」という質問を受けることがあります。

鳥の声は、やはり探鳥会などに参加してリーダーの解説を受けながら、フィールドで本物の声を聞いて覚えるのが一番で、習うよりも慣れることが必要です。でも、「一度教えて貰っても直ぐに忘れてしまう」とか、「なかなか探鳥会にいけない」という話も聞きます。

口で鳥の声を再現するのは非常に難しいし、図鑑に書いてあるカタカナの鳴き声は、雰囲気は判りますが、知らない鳥の場合には役に立ちません。野鳥の声のCDも紹介していますが、図鑑を見ながら聞いても、なかなか鳥のイメージと結びつかず覚えるのは難しいようです。それにCDプレーヤーをフィールドに持ち出すことはなかなかできないので、フィールドで鳥の声を確認することもできません。

最近、面白い図鑑を見つけたので紹介したいと思います。「声が聞こえる野鳥図鑑」(文一総合出版)というもので、図鑑に印刷された特殊なバーコードを、専用のコンパクトな読み取り装置でなぞると、内蔵のスピーカーから鳥の声が聞こえます。

この図鑑の良いところは、フィールドに持って行って、図鑑を見ながら鳥の声を確認できるところなのです。残念なのは、声を聞こうとすると読み取り装置の「サウンドリーダー」を買わなければいけないことです。もちろん、「サウンドリーダー」がなくても図鑑として使うことができるます。

音の秘密は、図鑑に印刷されている細かな点でできた帯です。この帯の中に記号になった野鳥の声が記録されているのです。再生される音は想像以上に良い音です。イヤホンも使えるので、鳥を観察しながら鳴き声を確かめることができます。

「サウンドリーダー」がちょっと値段が高いので、誰にでもお勧めできないのが残念なことと、どこででも買うことができないことです。日本野鳥の会のネットショップなどで扱っています。日本野鳥の会からも「声の聞こえるハンディ図鑑 山野の鳥・水辺の鳥」という図鑑がでています。

2008年2月28日

片山秀策さんのプロフィール


北海道で暮らしていた時に、庭に来る鳥を見てバードウォッチングに開眼して以来、野鳥の虜に。

死ぬまでに日本で記録のあった鳥を全部見たいと不可能な企てに挑戦中。

日本野鳥の会茨城支部会員、NPO宍塚の自然と歴史の会監事、つくば農林野鳥の会代表幹事

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