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ぶらり・ぶら〜り by ぶらり

第13回 テイムズ河ウオーキング

2年前英国を訪れた折、フットパス(歩行者専用の遊歩道)の存在に魅力を感じました。帰国後図書館で手にした市村操一著『誰も知らなかった英国流ウオーキングの秘密』を読み、更にその存在を無視できなくなりました。

NHKのトレッキング番組で谷村志保さんの「湖水地方トレッキング」を見て、"良いよねぇ""行きたいねぇ""行こうか!"話は早い(笑)カンブリア地方へはロンドンから入ることにした。
『誰も・・・』にあるテイムズ河沿いのフットパス歩きがどうしてもしたいという私の気持ちを抑えることはできなかった。湖水地方へ行く前にちょっとだけテイムズ河を歩くことに決定。

先ずはウインザー城へ・・・というのもほかの仲間は初めての英国である。もちろん皆歩きが好きな仲間ではある。「観光はないよ」との私の我侭な旅を承知で参加してくれた4人でした。
英国王室の有名なウインザー城を見て歩いてもらおうと考えました。

先ず、ヴィクトリア駅からバスで出発です。運転手からチケットを購入する際「片道?」と聞かれ「帰りはロンドンへ向けて歩くから」との返事に「冗談だろう(@_@;) 70キロはあるよ」他の乗客も失笑している。「もちろん歩けるところまで、後はバスか電車で帰るから」と説明をして乗車する。

ウインザー城に到着するとなんと雪が降り出していた。運転手君ご親切に反対側を指差して「帰るときはあの停留所だよ」この雪ではねぇ・・・まさかこのオバサン達歩けるわけがないと思われたのでしょう。本当に運転手さんはどこでも親切でした。

雨の多い国なので、雨具は用意万端にしました。しっかり雨天に適応した姿になり、先ずはウインザー城を拝見!本日、中が見学できないことは承知していました。しかし、雰囲気が変!

警察がいっぱいです。そういえば今日はヴァチカンのパウロ2世のお葬式の日だった。それにしてもそれで警察?ウインザー城の前に行くとメディアがいっぱいです。

翌日があのチャールズ王子の結婚式だったのです。カメラやビデオを持った人がうろうろしています。私だってビデオを持って歩いているぞ(笑)中継用のワゴン車が続々到着しています。恥ずかしながら私たちはインタヴューされました。

『どこから来たんですか?』「日本から」『結婚式を見に来たの』「いいえ、半年も前からこの計画はできていてテームズフットパスを歩きに来たの」(この答えはよく理解されなかったみたいですよ)『明日も来るの?』「ノー」『この結婚をどう思いますか?』だんだん私の英語力の限界が来ます。このお話はこの辺で・・・幸いこのインタヴューは没になったみたいで「ホッ(-_-;)」


〔ホテルティールーム・フジTV取材陣〕
雪は雨に変わっていました。とにかく温まりたくてホテルのティールームに入りました。なんとここもメディアでいっぱいでした。フジTVの取材陣(ほとんどが現地の方)の中に、ちょっと垢抜けた日本女性が一人いて、その人から聞かれたのは、「日本の方ですか?結婚式を見に来られたのですか?ここにお泊りですか?」同じような質問です。因みにこれは取材ではなく単なるおしゃべりでした。

本来の目的にすすみます。テームズフットパスのマップを手に入れようとインフォメーションへ。
バスの運転手さんには驚かれたけど、インフォでは当然のようにフットパスのマップを出してくれました。途中公共の乗り物に乗りたい旨を伝えると3ヶ所程の駅を教えてくださいました。

やはりウオークの国英国です。雨も止みウインザー上の前を通り抜け河に向かって歩き始めました。
河には白鳥がいっぱいです。観光地の側なので白鳥も人に慣れているようですぐ寄ってきます。
わたし達はえさを持っていないので、写真を撮ると直ぐ歩き始めました。白鳥達は私たちについてくるのです。可愛いですね。

河の側は人が歩けるように整備されていて、ポイントにあるThames pathの標識が私たちを導いてくれます。ウインザーの喧騒からは信じられないくらい静かなフットパスが続いています。

しばらく行くとさっき騒然としていたウインザー城が見えます。いつも正面からしか見なかったウインザー城の雄姿が、です。美しい城です


このウインザーからのコースには途中堰とロックがあり、ハウスボートが通過するのを2回ほど見ることができました。ちょうどロックにあるベンチで休憩しているところへボートが着ました。堰の中で水位が同じになるとその堰が開きます。中に入ったボートは河と同じ水位になるまで待ちます。
ちょっと休憩が長くなりました。

テイムズ河を右に左に見ながら時には河から離れるときもあります。芽吹き時のイギリスを感じながら、見慣れた花を見つけると懐かしく同じ花でも色や大きさが違うとオバサン5人はいろいろ話が弾みます。高級住宅地では大声を慎みながら?ロンドンへ向かって歩きました。
といってもロンドンははるか先です。午後5時近くなってウインザーから4つ目の駅Staines駅で本日のThames Footpath歩きは終了です。Waterloo駅経由で宿へ帰りました。

英国中には多くのフットパスがあり今日はThames Footpathのさわりを味わったという感じです。テイムズ河だけでも10日はかかりそうです。この後はハドリアヌス遺跡、湖水地方を歩くのですがそれは感激の毎日でした。日本にもフットパスを作ろうという話があるようです。日本にも美しいところがあるのですから日本のフットパスも歩いてみたいなと感じました。

◎フットパスについて

自然を楽しむための歩行者専用の遊歩道。イギリスが発祥。イギリスでは、全土にフットパスが広がっていて、牧場などの私有地に道があり歩くことができる。
フットパスには3種類ある。
○パブリック・フットパス(public footpath)・・・人が歩くだけの道
○パブリック・ブライドルウェイ(public bridle way)・・・馬や自転車に乗っても通れる
○バイウェイ(by way) ・・・人と馬に乗った人が通れる

☆ぶらりさんから、コメントです。

牧場の中を歩くときは羊に歩かせていただきます。といって歩きました(笑)
フットパスを歩いて感じたことはごみなど落ちてないということです。
しかし、近年土地を提供している地主から土地が荒れてしまうので止めたいというような意見もあるとか?2,30人でぞろぞろ歩かれたのでは一気に植物類が痛んでしまうでしょうからね。
牧場や畑では歩くところだけ種をまかないで提供してくれるところがあると聞きます。
歩くほうもルールをしっかり守って歩きたいものです。

2005年5月17日

ぶらりさん自己紹介


世界で一番人口の多い団塊の世代・1947年生まれの好奇心いっぱいの獅子座です。
忘れた頃の5人目で、比較的自由に育ちました。生まれは熊本・小中学校時代は下関ですから育ちは下関かも知れない。存在感のない子供でした。親からも同級生からも忘れられることが多かったので、気ままにテクテク歩いたりラジオ・テレビに興じたりしていました。今の生活にそんな育ち方が反映しているかも知れません。

運動神経の悪かった私は歩きというスポーツを見つけて20年すっかりアルチュウ(歩く中毒)になっています。社会性に乏しい割にはここ10年位は旅仲間と4〜10人くらいで海外旅行を楽しんでいます。